北穂高岳で味わう至福のひと時

穂高連峰を中心とした登山でみたこと、感じたこと、考えたことを備忘録として書いています。

疲れにくい歩き方~①一本足で立つ~

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 初めて登った山らしい山は、東京近郊で人気のある丹沢山塊の塔ノ岳(標高1491㍍)でした。登山口の大倉バス停から入る大倉尾根ルート(通称・バカ尾根)を選んだのですが、ふだん街中を歩くように大またでスタスタ歩いたところ、すぐにハアハアいい出して歩も進まずに伸びてしまい、「もう二度とこのルートは歩かない!」と呪いました。20数年前のことです。それからしばらくして、当時、東京新聞出版局が発行していた雑誌『岳人』で「北アルプスの岩稜の歩き方を教えます」というようなタイトルの登山学校の広告を見つけ、迷うことなく受講しました。

 

膝上げ一本足立ち

  登山学校で覚えたのが、片足を軸にして立つ、という「膝上げ一本足立ち」という奇妙に思えた歩き方でした。

 この姿勢は、片膝を上げて一歩前に突き出す瞬間に、一旦、残った後ろ脚に重心を完全に移動させ、頭と腰、後ろ足が一本の軸になるように立つ、というスタイル。つまり軸をつくって歩く、という方法です。特に、斜面を登っていく時に軸足となる後ろ脚の膝を曲げた状態で連続して登っていくと、じきに筋肉疲労を起こしてしまいます。ですから、膝を一旦伸ばして“骨”で一瞬立つようにして歩けば、太ももの筋肉つまり大腿四頭筋(だいたいしとうきん)を休ませることができるんです。

 大胆に言い換えますと、疲れにくい歩き方とは、脚の筋力だけで体を持ち上げて歩くのではなく、“骨”を活用して歩くということです。骨を使って一本足で立ち、前に倒れ込むようにして体重移動をしていけば疲れにくいですよ、ということです。

 

腰の回転歩行

  もう1つ、これに“腰”の回転を織り込むと、もっとラクに歩けます。

 歩き方の基本はこうです。例えばこれから右足を着地させ、すぐに左足を後ろから前に運ぼうとする時、右足を地に着けると同時に左の腰も左足に合わせて前に押し出す。そして今度は左足を着地させる時に、右の腰も回転させて右足と一緒に前に押し出す。このように腰の回転を使って体重移動をすれば筋力への負担を軽くでき、滑らかに歩けます。

 こんな歩き方をずーっと続けています。他人さまの眼には奇妙な歩き方に映っているかもしれませんが。