どうして?人体の不思議~汗②なぜにおうの?

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奥穂高岳山頂からの下りの岩場

 気になるにおい

 「ヤマに行った時、一番気にすることは何ですか?」――こう聞かれたら、どう答えますか。「ニオイです」と返事をする人も多いと思います。

 以前、こんなことがありました。額から汗をポタポタ落としながら山登りした夏のある日、汗くさいであろうシャツと、何かがプンプンにおうような気がするズボン、異臭を放っているかもしれないザックを足元に置いて、電車に乗った時のことです。

 私の隣の空いている席に一旦腰を下ろしたおばさまが、ほんの数10秒あとに立ち上がり、少し離れた席に移りました。別の日には、隣に座った若い男性が、しばらくすると自分のシャツの上腕部を鼻の前に持ってきてクンクン始めました。その5秒後、今度はチラリとわが方を見ると、なんと席を立って隣の車両に移って行きました。

 自宅に帰ってからザックやズボンに鼻を近づけたところ、においましたね。うちの奥さんからも、「チョット!おたく、におうよ!」。まあ、苦い体験です。

 いまもテント泊で山に入りますが、下山すれば日帰り温泉のお世話になってからバスや電車に乗りますし、近郊の山に行った時も、体をぬぐって下着を取り替えてから帰路に就くようにしています。

 「登山者はくさくていやだね」と言われないように気配りしたいです。

 

汗がくさいのはなぜ? 汗は何からできるの?

  汗は何からできるのかというと、「血液」です。血液から赤血球と白血球、血小板という細胞部分を取り除いた液体部分を「血漿(けっしょう)」といいますが、これが毛細血管から体の組織ににじみ出て、さらに皮膚の表面から汗となって蒸発していくんです。この血漿には水分のほかにナトリウムなどの電解質や栄養素も含まれていますが、栄養素などは汗になる前に途中で体に再吸収されるため、汗になるのは血漿の中の水分だけ、と言ってよいくらいです。

 この汗は、出たばかりの時はほぼ無臭。においがないんです。

 では、におうのはなぜか?

 

においのカギを握るのは?

 においのもととなるのは、「汗」と「皮脂」と「細菌」の3人組のようです。

 皮膚には、汗を分泌する「汗腺」があり、体温を調整する役割があります。また、皮脂を分泌する「皮脂腺」もあり、皮膚に潤いを与える機能を持っています。もう1つ、皮膚には表皮ブドウ球菌や黄色ブドウ球菌などという名の、さまざまな微生物である「皮膚常在菌」がくっついて生息しているんです。

 「エエ~ッ」という感じかもしれませんが、そうなんです。皮膚常在菌と称される細菌は、皮膚の表面や毛穴の中で生きています。肌を滑らかにする菌や、逆に肌荒れを起こす菌などが共生しています。

 汗も皮脂も、分泌された直後は無臭なんです。でも、時間の経過とともに、皮膚常在菌が汗、皮脂、そしてそれらに含まれているタンパク質、アミノ酸、脂質などの成分と混じり合って行きます。混じる合うことによって成分が細菌によって分解され、すっぱく不快なにおいのするガスを発するわけです。

 

 

対策は?

 手っ取り早く対処するには、ぬれたタオルやペーパーで汗をふき取ること。テントの中で作業をしてもよいし、トイレに駆け込む人もいます。

 登山洋品店では、ニオイを消すのに効果があるという下着も見かけるようになりました。