北穂高岳で味わう至福のひと時

穂高連峰や丹沢を歩いて20年余り。見たこと学んだことを備忘録として書いています。

どうして?人体の不思議~脱水症状②筋肉のけいれん

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涸沢のテント場……秋……

 太ももの内側のつり

 2018年の夏。上高地から重さ20㌔のザックを背負い、テント場のある涸沢に向かっていた時のことです。本谷橋を過ぎた急登で、両脚の太もも前面の大腿四頭筋と、太ももの後ろのハムストリングスまでつってしまいました。こんなことは当地では初めてで、何度も立ち止まって、もみました。

 少し歩いた先には、座り込んで脚をもんでいる方も二人ほど見かけました。暑さも影響したようです。

 

 症状

 この筋肉のけいれんという症状は、山を歩いていて突然起こります。ふくらはぎや太ももの内側が多いようです。ピーンと筋肉が突っ張ると同時に強烈な痛みに襲われ、最悪です。しかし、本能的にさすっていると、1、2分で痛みは収まってきます。

 

けいれんが起こるメカニズム

 なぜ脚がつるのか、その原理はよくわかっていないようです。

 ただ、病気ではない場合は、「電解質の異常」ではないか、とみる医師や研究者が多いです。

 電解質というのは、水に溶けると電気を通す物質のことです。ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、塩素などのことで、これらは人間の体の中に、「イオン」というプラスかマイナスの電気を帯びた状態で存在しています。この電解質は人間が体を動かして生きていくうえで、一定の濃度を保ち続けることが必要です。体内から電解質の量が減ったり、濃度のバランスが崩れたりすると、体に変調をきたします。

 

 例えば、私たちがふだん“筋肉”と言っている骨格筋を収縮させる「カルシウムイオン」についてです。

 脳は、人間が体を動かそうとする時に命令を出す司令塔です。例えば、脚を動かそうとする場合には、多数の「神経細胞」からできている脳は、神経細胞の中で「電気信号」を発生させるのです。できた電気信号は細胞から細胞へとバトンタッチされ、脊髄を経て、脚の筋肉に到達します。

 すると、筋肉の細胞の組織中に蓄えられていた「カルシウムイオン」が放出され、カルシウムの濃度が高まるのです。それによって筋肉の収縮が起こり、骨に作用して体が動き始めるのです。

 

 ところがです。大量に汗をかくと、カルシウムイオンをはじめナトリウムイオンなど電解質が汗と一緒に出て行ってしまいます。すると「けいれん」が起き、筋肉の収縮など人体が正常に機能しなくなってしまう、というわけです。脱水はよくないです。

 

 

予防策

 事前のストレッチが大事。登山中に脚がつってしまったらマッサージをして、ゆっくりとけいれんを起こしたした筋を伸ばすことです。

 そして何よりもナトリウムをはじめとする電解質の入ったスポーツドリンクをたっぷり携行し、水分補給を怠らないことだと思います。