北穂高岳で味わう至福のひと時

観光旅行ではふつう行かない外国の風景、戦争遺跡、不思議な人体など見たり学んだことも備忘録として載せています。

からだの不思議~登山中の「足のつり」

f:id:alps6717:20201111090222j:plain

 涸沢の紅葉  (2015年10月6日撮影)

 

 

 目次

 下山の時に足がつる

  山を歩く力に衰えがないかどうかをチェックするために、神奈川県・丹沢の塔ノ岳(標高1491㍍)に時々登ります。

 ザックの重さは10㌔ぐらい。歩くペースは“ゆっくり”で、標高差1200㍍の大倉尾根を休憩時間も含めて3時間前後で登るよう心がけています。

 登山口から往復で6時間ぐらいかけています。

 

 しかし、歩き始めの調子がよいと、途中からスピードを上げてしまい、夏には額から汗がポタポタ。

 そんな時には下山の時、ちょっとした登り返しの地点で、太ももの内側ハムストリングスという筋肉が急に痛くなって動かせなくなります。これが「つる」という状態ですね。

 

 ただ、つった部位をもんだり、足を伸ばしたり、スポーツ飲料のポカリスエットをタップリ飲むと、すぐに回復します。

 

 足がつるメカニズムについて調べてみました。

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

 足の「筋肉」は、脳の命令で縮んだり緩くなっています。ところが、足の筋肉が自分の意思に反して縮んだまま硬直し、元に戻りにくくなることがあります。この状態が“足のつり”。医学用語で「有痛性筋けいれん」と呼びます。病気ではありません。

  筋肉がつる部位は私の寝ている時の経験からも、太もものほかにふくらはぎ、足首、足の指などさまざまなところで起きます。

 特に、足のふくらはぎがつる状態を「こむらがえり」といいます。

 

 

 

  

どうして足がつるの?

 

 なぜ足がつるのでしょうか。

 

 

 足つるメカニズムはまだよくわかっていないようですが、明確な病気を除くと、

有力な要因は「電解質異常」です。

 

 

 電解質というのは、「5大栄養素(=炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル」の1つのミネラルのうち、水に溶けると電気を通す物質のことです。

 イオンという言葉も聞きますが、これは電気を帯びた状態の原子や分子を言います。

 

 電解質の代表的なものはカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムなどで、細胞の中や細胞と細胞の間、あるいは血管の中にあって、「体の水分の調節」「筋肉や神経への電気信号の伝達」などの仕事をしています。

 

 何らかの原因で電解質の濃度のバランスが崩れると、筋肉の異常興奮(=けいれんのこと)が起こるのではないか、と推測されています。

 

 

 特に筋肉については、マグネシウムとカルシウムのバランスの崩れが「脚のつり」の原因の1つでもあります。

 脳からの体の組織への命令は電気信号で細胞から細胞に伝えられますが、筋肉の全細胞の中にはマグネシウムが存在し、カルシウムが細胞に出入りするのをコントロールしています。カルシウムには筋肉を縮める作用があり、逆にマグネシウムには筋肉を緩める作用があります。

 しかし、両者のバランスが何らかの原因で崩れてマグネシウムが不足し、筋肉の細胞内にカルシウムイオンの濃度が上がると、筋肉が収縮し、こむら返りが起こります。

 

 

 

足がつるきっかけは「脱水」

 

 「電解質のバランスが崩れる」原因は何だろう・・・。

 真っ先に思い浮かぶのは、汗をかくことで起こる「脱水」症状です。

 

 長い時間歩く登山では、汗をかくことはもちろんのこと、呼吸も荒くなって吐く息から水分が想像以上に排出されます。 

 汗でナトリウム、カリウムといった電解質がどんどん体から減っていき、筋肉を使うことによってカルシウムも急速に消費され、体内の電解質のバランスが崩れてしまいます。マグネシウムも減ります。これが登山中の足のつりの最大原因だと思います。

 

 登山中に、ポカリスエットなど電解質の入ったスポーツドリンクを飲むことが大切なわけです。

 

 

真水の飲みすぎにも注意

 多量の汗をかいたとき、真水を飲む人が多いです。しかし、真水ばかり飲んで、塩分(ナトリウム)をはじめとする電解質の補給をしないと体液が薄まって、足のつりが起きやすくなります。

 また、久しぶりの登山でふだん使っていない筋肉を急に動かすことで、筋肉が運動についていけなくて足がつることもあります。

 

 

睡眠中の脱水と冷えも原因

 夜中に寝返りを打った時に突然足がつって、思わずうなり声を上げることがあります。年を取るにつれ、夜中につることが多くなったような気がいます。何でしょう、これは。

 

 どうやら「加齢」「冷え」「脱水」など原因が複合しているようです。

 まず睡眠中は気づきませんがコップ1~2杯程度のをかいているようです。脱水傾向にあるわけで、体の電解質のバランスが崩れ、足がつることにもなりそうです。

 それから、冷え。これは布団をかけずに寝ると、足の筋肉が冷えて血行が悪くなり、突然寝返りを打つとエネルギー不測の筋肉に刺激が加わって足がけいれんを起こすと考えられています。

 さらに中高年になると、太ももをはじめとする足の筋肉の量が急激に減っていきます。すると下半身の血液の流れが低下し、電解質(ミネラル)やビタミンといった栄養素の補給がうまくいかなくなり、脱水傾向というおぞましい状況に体が変化していき、足がつりやすくなるようです。

 

 

 

予防のポイント

 登山や激しい運動で汗をかくと、体内から旋回室も一緒に排出されてしまいます。ナトリウムもカリウムマグネシウムも汗と一緒に出て行ってしまいます。

 だからポカリスエットなどスポーツドリンクで水分補給が大切です。

 

 普段の食事では、マグネシウムはワカメ、ヒジキ、アーモンドなど。カルシウムは乳製品に、カリウムはバナナに多く含まれています。

 

 酒を毎晩、少なくない量を飲む人は、アルコールの利尿作用によって水分が飲んだ以上に尿として排出されるため、電解質バランスが崩れて足が夜中につる、という指摘があります。納得できます。しかし、大好きな酒を減らせというのはむごい仕打ちです。

 

 寝る前にコップ一杯の水、というアドバイスは悪くないです。

 

 

 

 

(参考資料)

▼「もう怖くない!筋肉のつり こむらがえり」(出沢明:唯学書房)

▼「登山の運動生理学とトレーニング」(山本正嘉:東京新聞

オムロンヘルスケアHP 「はじめよう!ヘルシーライフ」

 

ほか