(2019年8月10日 北アルプス・涸沢で撮影)
★(2021年1月31日、全面差し替え)
目次
眠っていて突然、足の筋が痛みを伴ってコチコチになり、悲鳴を上げたくなりました。コロナ禍で迎えた2021年1月に2日続けて悲惨な体験をしました。
「足がつる」という現象。あれは何なんですか。ちょっと調べました。
結論を言いますと、病気でもなければ、心配はいりません。
眠っている時
足がつる、とは?
よく「足がつる」と言いますが、筋肉が自分の意思とは関係なく、急に収縮して、痛いうえに動かせなくなる状態を言います。
医者の世界では「有痛性筋痙攣(ゆうつうせいきんけいれん)」というそうです。
ふくらはぎ・太もも
痛くなる場所は一番多いのは、ふくらはぎで、腓腹筋(ひふくきん)という筋肉がつることです。
ふくらはぎのことを平安時代には、「こむら」と呼んだらしく、ふくらはごがつった状態を「こむら返り」といいます。
ただ、ふくらはぎだけだはなく、ほかにも「太ももの内側」「土踏まず」「指」でもけいれんが起こることは自分でも体験していますし、あちこちの筋肉で起こるらしいです。
原因
病気でなければ、電解質のバランスの崩れ、と考えます。
「電解質」は水に溶けると電気を帯びたイオンになる物質のことです。
具体的にはナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオンなどで、体内の水分にバランスよく溶けて、神経の伝達とか筋肉の収縮、水分量の調節などに関わります。
で、足がつると考えられる原因は、大きく3つ。
第一に、「冷え」。寝ている時に無意識に布団から足が出てします。足が冷えてくると、人体は37度という体温を維持するために熱が外に出ないように、皮膚の表面に近い血管を収縮させます。すると、血流が悪くなり、ふくらはぎの筋肉や神経の細胞に届く「酸素や電解質を含む栄養素」が不足し、正常な筋肉の伸び縮みができなくなって足がつります。
第二に、運動で汗をかいた場合など、汗と一緒に電解質がたくさん流れ出てしまい、電解質のバランスが崩れ、脱水症状が起こります。
第三に、運動で筋肉を激しく使うと、筋肉の収縮をコントロールするカルシウムイオンが大量に消費されて筋肉疲労になり、足がつることが考えられます。
応急処置
つった足のつま先を、体の方に引っ張って、アキレスけんを伸ばすとか、つった筋肉をマッサージするとよいそうです。
でも、夜中に足がつった時、つま先をつかもうとしたら今度は太ももの内側がつってしまい、ひどい目に遭いました。
基本的には、足を冷やさなければ問題ないようです。
起こりやすい人
中高年の人に起こりやすいようです。
筋肉量が年々減っていき、血の流れが悪くなるためです。
妊娠中の女性も、腹部が下半身を圧迫し、足の血行が悪くなるということです。
登山している時
原因
汗をいっぱいかいた時には、ナトリウムなどが大量に失われ、電解質のバランスが失われて足がつりやすくなります。これは経験からよくわかります。
対策
足がつったら、これは脱水症状だと経験から分かりますから、ナトリウムの入ったスポーツドリンクをすぐ飲む。効果はてき面で、すぐ元気になります。
芍薬甘草湯について
漢方薬の芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)は、芍薬と甘草という2つの生薬(天然物)から構成されています。
芍薬の成分は筋肉の緊張を緩め、痛みを和らげる作用があり、足のつりには即効性があるそうです。
ただし、甘草にはカリウムを体外に排出する成分があります。このため長期間飲むと、カリウムが下がって「低カリウム血症」を生じやすいです。ですからこむら返りの予防や治療に、芍薬甘草湯を勧めない登山家である医師もいます。