写真は、クマよけの鈴。チリリリリーン、チリリリリーンと品の良い音色の、愛用の一品です。
2019年の夏、北アルプス涸沢のテント場から30分ほど横尾方面に下った登山道でツキノワグマを見ましたが、その後も見かけることがあるようです。
穂高連峰はクマの生息地ですから、クマを見かけるのは当たり前のこと。でも、登山道でクマさんとバッタリ出遭ったら、怖いですよね。向こうもびっくりして襲ってくるかもしれませんから。
この夏以降、早朝に横尾から涸沢に向かう登山者の多くが、鈴を鳴らして歩くようになりました。
上高地バスターミナルの一角にある「登山相談所」の張り紙。「熊目撃情報」という大きな横見出しで、「7月末から連続して、涸沢でツキノワグマ2頭(親子)が目撃されています」と書かれていました。
9月27日の早朝のこと、上高地から涸沢に向かう途中の「本谷橋」(標高1800m)手前の登山道で、握りこぶし大の黒いフンの塊を見ました。おそらくクマさんの落とし物。ハエが飛んでいましたから、それほど古くはないと思われます。
「熊出没注意!」「涸沢カール内において、熊の目撃がありました!」――
これは涸沢テント場の、テント泊受付所の入口の張り紙です。松本警察署による注意書きです。
隣の長野県涸沢山岳総合相談所の方に「最近、このあたりでクマの目撃情報はあります?」と聞いてみると、
「下の方ではあります。(クマが)登山道を横切っています」
という話でした。
9月29日早朝、涸沢から下山をする途中、本谷橋までの間ですれ違った登山者はほとんど、ザックに鈴を付けて鳴らしていました。
昨年まではこんなことはありませんでした。
徳沢の公衆トイレの張り紙。「徳沢付近でクマ1頭が目撃された」と。
明神の公衆トイレの張り紙
これは上高地エリアに入ってからの、トイレの張り紙
上高地ビジターセンターの張り紙。
上高地ビジターセンターの張り紙。
これをみると、ことし4月18日から8月31日までの4ヶ月間に、ツキノワグマの目撃情報は「大正池」から「涸沢」までの間で163件。
このうち「明神~徳沢~横尾~涸沢」間で29件とのこと。1頭のクマについて複数の人からの届け出があるでしょうが、それにしても多いですね。
上は、汗くさい下着を取り換え、汗を流すために立ち寄った松本市営・上高地アルペンホテルの張り紙です。
いわく、「最近、昼夜を問わず熊がひんぱんに出没しています」と。夏にはこんな注意喚起はなかったのに……。
クマよけの鈴を持って涸沢に入る時代になったようです。