北穂高岳で味わう至福のひと時

北アルプス穂高連峰に登ったり、丹沢を歩いて20年余。見たこと、気になって調べたこと、政治・社会問題への感想を備忘録として書いています。

富士山登山~その1:落雷で死者が出た

富士山は、社会人山岳会にいたころは、冬山登山の前に山梨県側(北側)の5~6合目で、ピッケルを使った「滑落停止」訓練をする場でした。その後、静岡の会社への出向を機に退会し、

「ピークハントを楽しむ山」になりました。

静岡市に住んでいた8年間に登った回数は、11回。いずれも日帰りでした。

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山頂の左端が最高峰・剣ヶ峰。中腹右端の大きなくぼみが宝永火口 (2019年12月、東海道新幹線の車中から撮影)

「新型コロナ」の感染拡大で医療崩壊が心配される中、登山をして医療関係者に迷惑をかけてはいけないので、自宅で静かに過去の山行記録を整理しました。

 

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富士宮口5合目です

 2008年8月9日は、生まれて初めて富士山の頂上に立った日です。

 この日午前7時富士宮ルートの出発点となる富士宮口5合目(静岡県富士宮市)をスタートして、会社の同僚と2人でピークを目指しました。

 

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 午前9時8合目の山小屋池田館に到着。標高は3250㍍。疲れたのか、ぐったりして座り込んでいる人がいました(写真右下)。

 

 

 ※いま写真を見ると、「高山病」になったのかもしれませんね。「高山病」は標高が2000㍍あたりの高所に急激に立つと、人によっては現れてくる症状です。頭痛とか、めまい、吐き気です。原因は体内の酸素不足だそうです。

 山の上は地上に比べて気圧が低いため、空気が薄いです。酸素が少ないわけです。体の中に取り込む酸素量が少なくなり、血液中の酸素濃度が薄くなると、脳に届く酸素が足りなくなって、体調が悪くなるようです。

 

 もうそうなったら、下山した方がいいです。酸素が多いところに。

 高山病にならないようにするにはどうしたらよいか――。 

 よくいわれるのは、①ゆっくり歩くこと②呼吸が大事で、しっかり吐くこと。しっかり吐き出さないと、酸素を吸い込めない③水分をしっかりとって血流をよくする・・・などです。

 

 

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こどもたちもがんばります

午前9時25分、9合目の万年雪山荘(標高3460㍍)の手前で撮影しました。

 

 

 

氷のかたまりが降ってきた!

 

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白い粒は………

 午前10時10分、突然、ポタポタと大粒の氷のかたまりが足元に落ちてきました。土の上で跳ねたり転がっています。直径は5ミリ以上。ヒョウ(雹)でした。びっくりしました。(あわてて撮ったので、ピンボケ・・・)

 

 

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 空を見ますと、積乱雲がモクモクとあちこちから発生し始めていました。

 ヒョウは、あの積乱雲の中で上昇や下降を繰り返すうちに大きくなって、重くなって落ちてくるらしいです。

 

 

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富士山頂より高く伸びている雲もありました。午前10時50分撮影

 

 

 「これはちょっと、まずいねえ」「ええ・・・」などと同僚と言葉を交わしたものの、すぐ下山するという選択肢はなく、山頂を目指して進み、昼前に富士山測候所跡に着きました。

 

 

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 急な斜面を登りきったところが、標高3776メートル剣ヶ峰という地点で、山頂でもあります。

 かつて富士山測候所でしたが、2004年秋から無人になっているとか。

 路面の白いものは、先ほど降ったヒョウです。午前11時30分撮影

 

 

 

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 山頂の噴火口です。午前11時45分撮影

 

 

 

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 日本で一番高い剣ヶ峰に立って眺めを楽しんでいましたが、眼下の浅間大社奥宮と山小屋の向こうから雲がモクモク・・・。下山を決めました。正午撮影

 

 

 

突然、雷がゴロゴロ~~

 

 浅間大社奥宮の前まで戻って休憩していますと、すさまじい雷鳴とともに雨が降り始めました。午後1時ごろでした。

 

 ドタバタと登山道を駆け下り、8合目池田館(標高3250㍍)にたどり着いて中に逃げ込もうと思ったのですが、既に軒先まで人があふれていて、山小屋の中に入れそうにありません。それでも雷の直撃を受けたくないので、強引に背中で最前列の人の体を押して、自分の体を軒下に少しだけ入れました。

 雨は降り続き、雨具をパチパチたたきつけます。

 

 

 

稲妻が横に走った!

 

 10分、20分と目を閉じて立っていると、「稲妻が走りましたよ、右から左へ。アーッ、また、ほらほら」と同僚の興奮した声。

 「エエーッ」と声を出して目を開けると、確かに稲妻が、“上から下へ”ではなく、真横に走っているではありませんか。

 普段よく見るような、雲から地上に落ちる「落雷」ではなくて、積乱雲と積乱雲との間で電気が流れる「雲放電(くもほうでん)」という現象が起きていたのでした。

 カメラを構えるような、気持ちの余裕はありませんでした。

 

 

落雷で死者が出た

 

「あっ、また走った」と稲妻を眺めているうちに、体がガタガタ震え始めました。雨具のフードを脱いでいたために首の後ろから背中に雨水が入ったためでした。

 雨と雷鳴は止みそうになく、軒先に雷が落ちることがあるため、同僚に「こりゃ、あかんわ。走るぞ。一気に下まで」と声をかけて走り出しました。

 

 6合目の山小屋の手前だったと思いますが、「落雷にあった人が小屋に担ぎ込まれたよ」という登山者の声が耳に入りました。

 

 

翌日の新聞記事(概要)

 「9日午後1時50分ごろ富士宮登山道の6合目と7合目の間で、東京都内の会社経営男性(52歳)が落雷のあと倒れているのを、別の登山者が見つけ、近くの山小屋に通報した。病院に搬送されたが、死亡した。落雷による感電死だった」

 

 

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 富士宮口5合目の登山口。雷鳴がとどろく中を、これから上の山小屋まで行こうとする登山者が何人かいました。

午後3時30分撮影

 

 

 危険な富士登山でした。