「バルト海クルーズ」に使われる大型フェリー。
目次
「バルト海」ってどこにあるの?
「バルト海」といわれても、どこにあるのか答えらる方はそんなにいないでしょう。あのへんかなあ、という感じですよね。私はそうでした。
バルト海には、スカンジナビア半島のスウェーデンと、対岸のフィンランド、それにバルト3国、そしてロシアの【サンクト・ペテルスブルグ】などが面しているんですよね。
ところが、2022年2月24日のロシア軍によるウクライナ侵略で、ロシアに恐れをなした隣国のフィンランドとスウェーデンがNATO加盟の機運を高めていることから、ロシアのファシスト・プーチンの目が吊り上がっています。
そんな空気のバルト海に、もう遊びに行けません。平和な時代にストックホルム(スウェーデン)とヘルシンキ(フィンランド)の間を移動するフェリーボートに2度、乗る機会がありました。2017年11月と、2019年5月です。
バルト海クルーズの記録です。
2019年5月の船旅
シリヤ・セレナーデ号
(2019年5月13日午後、ストックホルムで撮影=現地時間)
「タリンクシリヤライン」というフェリー会社が、バルト海沿岸のストックホルムとヘルシンキの間を大型船で運航しています。
持っている船は、シリヤ・セレナーデ号とシリヤ・シンフォニー号の2隻。
いずれも全長203㍍、全幅31.5㍍、乗客定員2852人という大型客船。1日1便、いずれかの港を発着しています。
スウェーデンのストックホルムから出港します。行先はフィンランドのヘルシンキ。
シリヤ・セレナード号の乗船口です。
2019年5月13日午後4時45分ごろ、ストックホルムの港を出ました。(現地時間)
1泊2日の船旅です。
きれいですね。
海鳥もデッキの手すりで羽を休めます。のどかです。
こちらは客室前の通路。
室内です。
突然、理解できないことが起こりました。
フェリーがストックホルムを出港してだいぶ経過した午後11時50分(現地)、
窓の外を眺めていた奥さんが「船が止まったよ。方向転換してる。バックしてるみたい」とボソボソ言いました。
ウトウトしていた私は「進路を間違えたんじゃないの?」と、思い付きで、いい加減なことを言って、また眠ろうとすると、奥さん、今度は「アッ、船。ぶつかりそう」。
これには、パッと目が覚め、窓ガラス越し撮った写真が、上のボケボケの写真。
確かに船が横にいて、こちらの船を追い抜いていこうとしているように見えました。
「え、何なの?どうなっているの?」と口走りながら、デジカメを持って部屋を飛び出し、デッキに出て周りをみました。
なんてことはない。 上の写真のように、ここはターミナルのようでした。
しかし、乗客の乗り降りも荷物の搬出も搬入もありません。10数分後に、ここを離脱し始めました。(上の写真)
時刻は5月14日午前0時。(現地時間)
帰国後に調べてみましたら、
短時間寄港したところは、オーランド諸島の首都マリエハムンというところのターミナルでした。
フィンランド領ですが、国際機関によって島民に「自治権」があることが承認されているとのこと。
乗客の乗り降りがないのに、わざわざ寄港する理由も分かりました。
オーランド諸島のマリエハムン経由のクルーズ船内は全店が免税店となっていて、免税手続きは一切必要ないのです。酒もたばこも化粧品も、です。免税のために寄港しているのです。
日の出。
ヘルシンキに到着するちょっと前、かつてはフィンランドの南海岸を守る要塞だった「スオメンリンナ島」が見えてきました。世界遺産に登録されています。
海をにらむ砲台や城壁が残っていますね。
ヘルシンキ。さあ、下船の準備です。5月14日午前9時30分。(現地時間)
ここまで乗ってきたシリヤ・セレナーデ号の船内は、14層から成っています。7階がメインデッキで、吹き抜けのプロムナードになっていました。プロムナードの両側にはレストラン、みやげ物の店、ブティック、カフェ、ナイトクラブなど並んでいます。
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2017年11月の船旅の記録
シリヤ・シンフォニー号
(2017年11月25日午後、ヘルシンキで撮影=現地時間)
最初のバルト海クルーズは、2回目と逆に、ヘルシンキからストックホルムに向かいました。夕方出航して、翌日の昼近くに着くというのは、同じです。
船内の男性用のトイレ。
女性用のそれです。
これが船内なんですよね。きらびやか。
これも。
2017年11月26日午前6時撮影 (現地時間)
デッキから真北で輝く≪北極星≫を観ました。
「斜め上」ではなく、
「真上」というか、「頭上」に北極星があることに感動しました。
日本よりも緯度が北の北欧にいるのだから当たり前でしょうが、
「真上」をみるという素晴らしい体験をさせてもらいました。
もう一つ、感動したもの・・・・
これです。時計です。船内に掲げられている時計をみますと、
短針が2本ありまして、それぞれの先端にフィンランドの国旗とスウェーデンの国旗が描かれているんです。
これはスウェーデンとフィンランドの間には時差が1時間あるための措置のようです。スウェーデンでは、フィンランドより1時間進める必要があります。
ちなみに、スウェーデンと日本との時差は8時間。日本からマイナス8時間という計算です。フィンランドと日本との時差は7時間ですから、フィンランドは日本からマイナス7時間という計算になります。
船の中です。
「クルーズ」というブルジョア趣味のようなイヤらしい名前が付いていますが、要するに大型フェリーでの国から国への移動でした。
船内では食事以外、買い物はしませんでしたが、満足です。