平日で悪天 登頂者5人
3ヵ月ぶりに神奈川県の丹沢・塔ノ岳(標高1491㍍)に登りました。月曜日で、かつ悪天候、新型コロナウイルスという事情だったせいか、登頂したのはわずか5人。こんなに人が少ないのは、20数年の塔ノ岳登山で初めての体験でした。
2020年6月19日(金)午前零時から、都道府県境をまたぐ移動の自粛要請を、各知事が解除しました。人出が多そうな土、日を避けて月曜日の6月22日に東京都から神奈川県の山に向かいました。
低気圧の中心が神奈川県の南にあって北東に進もうとしている。完璧な雨予想。でも、人が少ないからシカが出てくるかも。人が入らないから荒れているかもしれない山を見てみたい。
「天気が悪いのに山に行くなんて、オタク、おかしいん違う?奇人、変人!」と、
三重弁であきれはてる奥さんから、電車内で食べる大きなおにぎりを2個もらって出発しました。
早朝のJR京浜東北線、横浜線、小田急線、神奈中バスを乗り継いで2時間。
重さ10㌔の40㍑ザックを背負った奇人は、ほかにいませんでした。
午前9時、小雨の中を歩き始めました。上空には真っ黒い雲(上の写真)。流れが速い。風があるということ。
登山口。「大倉」バス停の標高は291㍍。塔ノ岳山頂は1491㍍。
標高差は1200㍍。北アルプスを歩くために、いいトレーニングになるんです。
「マスク」は山では厳しい!
手作りの布マスクをして歩き始めました。久しぶりに運動をしたせいか、ちょっと坂道を歩いただけで「ハアハア」。情けない。苦しくて早くも「アゴマスク」です。
歩き始めて1時間以内に、下山者4人にポツリポツリとすれ違いました。前夜、山頂の山小屋に泊まったと思われる方々です。ほかに営業小屋はありませんから。
全員マスクなし。私はサッとあごマスクを鼻の頭まで引き上げて、クソ真面目そうにペコリとおじぎ。相手は「コンチハ」と声を出す人、頭を下げるだけの人が半々でした。
山小屋「堀山の家」。土曜、日曜のみ営業。ルート上に6軒ある小屋のうち平日営業しているのは、山頂の小屋のみ。
雨の中、トレイルランニングの人たち
標高1000㍍を超えたあたりでのことです。
深くかぶったカッパのフード(帽子)を雨がパチパチと音を立ててたたきつけています。エネルギーを補充するために、歩きながらソイジョイの袋を破って噛みつこうとした時のことです。
突然、右から顔がニューッと現れて、「こんにちは」。
そりゃ、びっくりしますよね。驚いて、思わず「ワーッ、びっくりしたあ」と反応してしまいました。
トレイルランニングで後ろからきて、私を追い抜こうとした20代の女性2人でした
(上の写真)。鍛え抜かれた感じで、足の運びは非常にしっかりしていました。
そういえば、登山口にこんな張り紙がありました。
「トレイルランニング 安全・マナーのお願い」というタイトル。そこには、歩行者に出会った時は声をかけ、怖い思いをさせないように・・・」という趣旨の記述。ごもっともです。
でも、突然背後から声をかけられると、卒倒しますよねえ。声かけというか、存在の合図をかけるタイミング、方法に工夫が必要ですよね。それにしてもここ数年で、トレランの方、増えましたね。
雨。滝のようです。
「花立」の、いつまでも続く階段。
あとちょっとで山頂だよ。それにしても傾斜が急で、キツい。
着いた。山頂。支柱に「1491」㍍の文字。時刻は午後零時18分。
標高差1200㍍を重さ10㌔のザックを背負って、休憩時間など込みで
3時間18分。 これではちょっと、いかんですねえ。
小雨とガスの中。ボーッとして見えるのが、山頂の山小屋「尊仏山荘」。
山頂の気温は、9度。
この日、強風の塔ノ岳山頂に登ったのは、私のほかに、中高年のベテランに見えた女性単独登山者、トレイルランニングの3人(女性2人組と男性単独)の5人だけでした。