北穂高岳で味わう至福のひと時

標高3000㍍の北アルプスに登っていたころの写真記録、国内外の旅行、反戦平和への思いなどを備忘録として載せています。

使用済核燃料プールの危険性を甘く見るな!

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 浜岡原子力発電所使用済核燃料プール。その右の半円は、原子炉格納容器の上蓋あたりです。 (2011年6月3日撮影)

 

 

 

 浜岡原子力発電所は、中部電力が持つ唯一の原発で、静岡県御前崎市にあります。

 いま運転停止中ですが、この施設に2回入り、使用済核燃料を貯蔵する使用済核燃料プールをのぞき込む機会がありました。その時に撮った写真をアップしました。

 

目次

 

 

 

≪使用済核燃料プール≫のこと

 中部電力浜岡原発の見学を申し込み、警備の堅い施設に入れてもらえたのは、「3.11」をはさんで、前の2009年2月19日と、後の2011年6月3日でした。

 

 5号機の心臓部、中央制御室と、使用済燃料プールもガラス越しに見せてくれました。当時の所長はメディアの取材に理解のある方でした。

 

 

 

使用済核燃料プールって、建物のどの位置にあるの?

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        (資源エネルギー庁のホームページから借用)

 

 

 上の図は「原子炉建屋」です。核分裂を起こす「原子炉圧力容器」と、これを納める「原子炉格納容器」などから成っている原発の中心的な建物です。

 

 

 使用済核燃料プールは、図のように、原子炉建屋の最上階にあります。一番上にある理由は、燃料を「原子炉圧力容器」と「使用済燃料プール」の間で出し入れする時、水の中に燃料を入れた状態で吊り下げたまま移動させるのですが、最上階の方が作業しやすいからです。

 使用済核燃料プールの横は、原子炉格納容器のアタマの部分です。

 

 

 

 

そもそも≪使用済核燃料≫って?

 

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  (中部電力のホームページから引用)

 

 

 使用済核燃料というのは、原子炉圧力容器の中で、発電のために4、5年間使ったあと取り出した、役目を終えた燃料のことです。

 

 原子炉のアタマの部分から引っ張り出して、隣にある使用済核燃料プールに移します。(上の図の左側参照)

 水の中を移動させてプールに運び、深さ12㍍の底に沈めます。

 

 

 

 誤解を生んでいるのは、「使用済」という単語。使い終わったんだからもう問題ないんだろう、と思われがちですが、そうではないんです。まだ危険なんです。

 

 

 

使用済核燃料はどうして危険なの?

 使用済核燃料は、発電に使い終わって原子炉から取り出したあとも、

崩壊熱」と呼ばれるを発し続けているのです。

 使用済核燃料には、発電のために燃料のウランが核分裂した時にできる核分裂生成物が含まれているのです。いわゆる死の灰」のことです。この死の灰が、熱と放射線を出し続けているんです。

 水につけて熱を取り除かないと、使用済み核燃料自体が高熱で溶けて、大量の放射性物質が空中にばらまかれてしまうのです。

 

 このため原子炉の隣の使用済み核燃料プールで、水の中に入れて保管します。

 

 

 

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 使用済核燃料プール (2009年2月19日撮影)

 

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 原子炉格納容器の真上の部分 (2009年2月19日撮影)

 

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  (浜岡原発作成の説明パネル)

 

 

どうして水に浸すの?

 2つの効果が期待できるからです。

 1つは、使用済み核燃料が発する放射線は人体に悪影響を及ぼしますが、「水」は放射線をさえぎる力があるのです。

 もう1つは、使用済核燃料が発生し続けるを、プール内の水を循環させることによって、よそからパイプで冷たい水を送り込んで冷やしながら貯蔵できるからです。

 

 

 東京電力福島第一原発では、原子炉圧力容器の中で核燃料のメルトダウン炉心溶融)が起き、使用中の核燃料が圧力容器を突き抜けて、圧力容器を覆っている格納容器の底のコンクリートまで落下しました。

 使用済核燃料プールの中の使用済核燃料も、「水」が必要ということでは全く同じなんです。

 原子炉で使い終わった後も、長い期間、電気を使って水で冷やし続けないと高温になって、燃料は金属製の燃料被覆管もろとも高熱で焼けてしまい、大量の放射性物質が空中にばらまかれてしまいます。水がなくなると危ないんです。

 

 

 

いつまで冷やし続けるの?

 浜岡原発では、「10年以上」使用済燃料プールで冷やす、と言っています。

 その後、熱が下がってきた使用済核燃料の一部は、自然の空気で冷やしながら貯蔵する施設を原発敷地内に建設する計画です。

 最終的には、青森県六ケ所村の日本原燃の再処理工場に送って、プルトニウムを取り出して再び燃料として使うということですが、いつになるのでしょうか。

 

 

 

地震で使用済燃料プールが壊れたらアウト

 私は心配性ですので、「想定外の地震でプールの底が壊れませんか」と、ことあるごとに聞きました。なにせ、原子炉圧力容器は鋼鉄製の格納容器というもう1つの箱の中に納まっていますが、使用済燃料プールは丸裸ですので危険だと思っているのです。

 

 でも、中部電力

「燃料プールや原子炉建屋は、南海トラフ沿いの最大クラスとされる地震に対しても、必要な耐震性を確保します。また、万が一、水を循環させて冷やすための電源やポンプが使えなくなることも想定し、燃料プールへ注水する機能も強化しています」

などとおっしゃるのですが・・・。

 

 

 

 

2009年2月19日の見学

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 5号機の中央制御室と制御盤

 

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 浜岡原発作成の見学者用パネル

 

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2011年6月3日の見学

 「3.11」のあとでしたが、見学の申し込みがそれ以前だったこともあって、中電浜岡原発側は見学を受け入れてくれました。

 

 「3.11」当時、3号機は定期点検で停止中。4、5号機は運転中でした。

 「3.11」のあとの5月9日、政府の要請で中部電力は4、5号機の運転停止を決定しました。

 

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浜岡原発のいま

 原子炉は、3、4、5号機ともすべて運転停止中です。

 発電所構内での撮影は、「警備上の都合」で一切禁止

 

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 そればかりか、「浜岡原子力館」というPR施設の地上62㍍の展望台からの写真撮影も、いつからか知りませんがいまは「禁止」になっています。

 

 

 ちなみに、「3.11」後の

2011年5月4日の展望台からの光景は、こんなふうでした。

 

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 どうってことない、と思いますがねえ。

 

 

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   (浜岡原子力館作成の解説パネル)

 

  

 

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