マメザクラ・・・花は地上に向かって咲いている (2021年4月1日撮影)
目次
新緑が始まった
久しぶりに心地よい汗をかきました。
「コロナ」を拾いたくないから、電車に乗っている時も開閉するドア付近に立ったままの私。あごマスクの人、近くでおしゃべりが始まれば、すぐ隣の車両に移ります。そんなふうだからストレスはたまる一方。で、発散するために、神奈川県の丹沢・塔ノ岳(標高1491㍍)に向かいました。
薄暗いうちに家を出て、JR京浜東北線、相鉄線、小田急線、バスを乗り継いで、登山口のバス停まで2時間40分。
午前7時40分、大倉バス停発。
ちょっと歩いた標高400㍍あたりから、新緑があらわれて、すがすがしい気分に。
帽子から汗ポタ
容量40リットルのザックに水(ポカリスエット)2リットルと救急用品、行動食(あんぱん・ソイジョイ・アーモンド)、雨具、着替えなど入れて、総重量10キロ。
目指すのは標高差1200㍍先の大倉尾根の終点、塔ノ岳。帽子のつばから汗をぽたぽた足元に落としながら膝を上げ下げし、3時間15分後にやっと山頂に着きました。
10年前までは、この時期、トレーニングのため冬山登山装備で、倍の20キロの荷を背負って同じタイムで登っていただけに、脚力の衰えには目を見張りますよ。
下山の時は花を楽しむ
開き直って山を下りる時には、花を楽しみました。
アセビ
なにか花は咲いてないかなあ、なんてキョロキョロしながら大倉尾根を下っていたところ、標高1200㍍あたりで白い小さな花が目に入りました。濃い緑の葉っぱに、ちょこんとくっついていました。
コンパクトデジカメで接写を試みていると、下山してきたおじさんが(私も同じですけど)、「何かありましたか?」。私が「花を見つけましてね、コレ」と指さすと、「ああ、アセビですよ。もっといっぱい咲きますよ」と教えてくれました。
なおも、しつこく写真を撮っていると、今度は登ってきたおじさんが「アセビだねえ。馬がこれを食べると酔っぱらうっていうんだよね」と。
みんな、よく知ってるなあ、と感心するばかり。
アセビ。
標高1128㍍の小草平(おぐさだいら)という平地までくると、
こんなにいっぱいアセビの花が咲いていました。
家に帰って調べると、アセビを漢字で書くと、馬酔木。背丈が低いか、葉や茎には毒があって、馬が食べると神経がマヒして酔ったようにフラフラした足取りになる、といわれ、こんな名前が付いたらしいですね。
スミレ
これはスミレでしょうか?
標高1000㍍付近の登山道わきで見つけました。
紫色で花の真ん中に筋が模様のように入っています。花の後ろの細い茎は曲がっています。
もっとよく見ると、花弁(5個)の後ろの端は、袋のように膨らんでいるのが分かります。(上の写真)
「距(きょ)」と呼ばれる花のかかとのような部分があって、そこに蜜がたまります。
ハチがこの蜜を吸いにやってきて、花粉が体にたっぷりついた状態で同じ種のスミレに花粉をが運ばれることによって、雄しべの花粉が雌しべの先端につく「受粉」が行われるわけです。
標高1000㍍前後で育つ桜の木
大倉尾根の標高1000メートル付近の斜面に、桜の木が何本か生えています。
遠くから見ると、上の写真のように背丈も低く、白い花が小ぶりで、チマチマした感じです。蝶が乱舞しているようにも見えました。
街中でよく見るソメイヨシノという一般的な品種とは違いますね。
近づいて、驚きました。花が1センチから2センチと小ぶりであるうえ、花が下を向いて咲いているのです。ふつう目にする桜の花は、横を向いているような気がしましたが・・・。変なの。
5分ほど下山して、仰ぎ見た桜は、こんな感じ。(上の写真)下を向いて咲いてますよねえ。
マメザクラ
この桜、マメザクラ、という種類だということが、帰宅後に調べてわかりました。
淡いピンクの花をつけるマメザクラもありました。
マメザクラは登山者をひきつけますね。
このマメザクラ、富士山のふもとや箱根あたりでよく見られるそうです。
地元では、「富士桜」「箱根桜」と呼ぶそうです。
20年以上、丹沢をウロウロしていますが、
じっくり桜をながめるなんてことは、なかったですねえ。
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名前は知りませんが、きれいな花
なんというんでしょう?
こんな感じで群生していました。
シャガ
登山口に近い標高300㍍あたりに来ると、道のわきの湿地に、派手な花が目に飛び込んできました。(上の写真)
アヤメに似た形をした白っぽい花。紫と黄色の斑点があります。
花の淵にはギザギザがあって、フリルのように波打つ清楚な花――。
あとで、「シャガ」という名前が付いていることを知りました。
登山者の様子
ところで、
大倉尾根を塔ノ岳まで平日に登ったわけですが、日帰りで往復した人は50人ほどでしょうか。
マスクをして歩いていたのは1人だけでした。その男性はすれ違うちょっと前に、マスクをしたと思いますが・・・。
息が上がるペースで登山すると、マスクをしていれば酸素欠乏でとても苦しく、無理すると窒息死してしまいます。
風通しの良い屋外での行動ですから、すれ違いでも2メートルの距離をとり、大声で唾を飛ばさなければ「コロナ」に感染しないでしょう。
山で人とすれ違う時、「こんにちは」とか「ちわ(←私)」という挨拶が常識でしたが、昨今は、首だけ下げる人が多くなりました。それで十分でしょう。
“丹沢のチャンプ”に出会った
この朝、大倉尾根を登っていた午前9時45分、小草平(標高1128㍍)で、下山してきた「丹沢のチャンプ」こと、畠山良巳さん、67歳に遭いました。
ボランティアで、山小屋に物資を背中に担いで歩いて届ける歩荷(ぼっか)です。短パンに長靴姿。
塔ノ岳山頂の山小屋に物資を届けてきた帰りでしょう。
「おはようございます。今日の歩荷(ぼっか)は何回目ですか」と声をかけると、
得意のポーズをとりながら「6889回」という返事。
「すごいね」というと、「ありがとう」と答えてくれました。
チャンプさんのように足腰をもっと鍛えなきゃ、と良い刺激になりました。