北穂高岳で味わう至福のひと時

山登りの記録、観光ではふつう旅行しない外国の風景、戦争の遺跡、登山での体調不良の原因など備忘録として書いています。

中部・北陸~風雪の立山黒部アルペンルートの記憶

 

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 雪のくろよん(黒部ダム)・・・ 2013年4月27日撮影

 

目次

 

 

 

 

 立山黒部アルペンルートにある「雪の大谷(おおたに)」というのは、道路を除雪してできた約500㍍区間雪の壁のこと。壁の高さは20㍍近くになります。

 ルートができた50年前は、昨今のように2車線とも除雪するのではなく、1車線だけ除雪して雪壁すれすれでバスが通過。

 その迫力ある「狭い雪の大谷」を今年、50㍍区間だけ再現しているとか。

 

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 1車線除雪時の「雪の大谷」(平成初期)=立山黒部貫光のホームページから引用

 

 

 

 もう8年も前になりますが、立山黒部アルペンルートを通りました。以下は当時の記録です。

 

   ◆     ◆     ◆

 

 2013年4月27日朝、横浜の家を出て、

室堂(むろどう)の「ホテル立山」に一泊、翌日に富山県立山町に抜けた旅です。

 

 

 

「雪の大谷」は暴風雪で通れない!

 流れ星や天の川を、空気が澄んでいる北アルプスの山の上で観察しようか、というわけで計画した旅行。雪山だともっといいね、ということで選んだのが室堂

 でも、ホテル立山は宿泊費が高いので、比較的安い「弥陀ヶ原ホテル」を予約しました。室堂からもう少し先の、弥陀ヶ原に建つ宿です。

 

 

 

立山黒部アルペンルートとは?

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  立山黒部アルペンルートは、長野県の信濃大町富山県立山を結んだ、北アルプスの山中を通り抜ける観光ルートのこと。全部で37キロの距離です。

 

 長野県大町市の「扇沢(上の地図の右端)から、関電トンネル・電気バスで「黒部ダム」駅へ。

 くろよんと呼ばれているダムの上を歩いたら、「黒部湖」駅から黒部ケーブルカーに乗ります。

 「黒部平」で降りたら今度は立山ロープウエイに乗って「大観峰(だいかんぼう)」まで行きます。

  「大観峰」からは立山トンネルトロリーバスに乗り換えて「室堂」にやっと到着です。

 

 

 

 

JRで向かう途中、思いもよらぬ電話連絡

 

 立山黒部アルペンルートの起点、「扇沢(おうぎさわ)」駅にたどり着くには、JR信濃大町駅前が玄関になります。その信濃大町駅にたどり着くため

2013年4月27日午前8時1分、八王子発の特急「あずさ」に乗りました。すると山梨県に入ったあたりで携帯電話が鳴りました。今夜泊まる予定の弥陀ヶ原ホテルの番号です。

 なんだろう、と思いつつ携帯のボタンを押すと、「いまどちらにいらっしゃいますか?」。

 はあ?という感じで「電車でソチラに向かっていますよ。なにか!」

 

 「実はですねえ、昨夜来の暴風雪で、室堂から先、こちら側の美女平まで道路が通行止めになって、お客様にお越しいただけないんですよ」。

 

  お越しいただけない・・・と言われても、こちらは動き出している。「どうしたらいいんですか?」ときつい口調で尋ねると、「私どもの姉妹ホテルでホテル立山というのが室堂にありますが、なんとか都合をつけますのでいかがでしょうか?」ときた。

 今さら横浜にバックするなんてありえない話で、快諾しました。ハイレベルのホテルに料金の追加負担なく泊まれるようになり、結果的によかったです。

 

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 「ホテル立山」の前庭  (4月27日午後5時30分撮影)

 

 

 

 

 関電トンネル・電気バス

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 「扇沢」から「黒部ダム」までの間は、関西電力電気バスを走らせています。

  

 

 この関電トンネルは、赤沢岳と鳴沢岳の中間地点を貫くトンネルで、途中、80㍍の破砕帯を通過します。現場は青色の明かりが照らされていて、バスの中の観光客に分かるように気配りされています。

 電気バスの運行区間は6.1㌔。所要時間16分。

 

 以前は、架線から得る電力で走るトロリーバスがここを走っていましたが、2018年に運行を終えて、2019年からはリチウムイオンバッテリーを充電した電力を使う電気バスに切り替えたそうです。

 

 

 

黒部ダム

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 ダムの上です。

 

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 「くろよん」とも「黒部ダム」とも呼ばれているこのダムは、黒部川第四発電所というのが正確な名前です。

 

 関西地方の電力不足を解消するために、黒部川第四発電所の建設を決定。1956年に資材輸送路としてトンネル(現在の関電トンネル)の掘削を始めましたが、翌年に「破砕帯」に出くわしました。

 

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 「破砕帯」に遭遇した時の様子。 関西電力のホームページからの引用です。

 

 

 破砕帯は、岩盤の中で細かく割れた岩の隙間に地下水がたまっている軟弱な地層のことです。4度という冷たい地下水が土砂とともに毎秒660リットルも噴き出したそうです。くろよん建設の時の最大の難所。

 距離はわずか80㍍でしたが、7ヵ月苦闘し、突破した場所です。

 くろよん建設にあたり、落盤や墜落などで171人が作業中に命を失っています

 

 

 

黒部ケーブルカー

 黒部湖と黒部平の間を運行しています。

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 終点の「黒部平」まで距離800㍍、所要時間5分。ただ、ダムから「黒部平」までは標高差400㍍を上ることになります。

 

 

 

立山ロープウエイ

 「黒部平」と断崖にそびえる「大観峰(だいかんぼう)」との間、1.7㌔間を結ぶロープウエイです。

 

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 ロープウエイの屋根部分です。

 

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 立山ロープウエイの「箱」に乗って、「黒部平」駅を離れました。

 

 この立山ロープウエイには支柱はなく、晴れていれば眺めはよいはずですが・・・。あいにく雪が降っていました。

 

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 写真中央は、黒部湖ですが、降雪で、はっきり見えませんね。

 

 

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 定員80人の「箱」、客車の中はこんな感じ。コロナ禍で、もうこんな光景は見られませんね。

 

 

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 大観峰駅。標高2316㍍。

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 大観峰の気温は、マイナス5.9度。

 

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 室堂から先へは行けませんよ、というお知らせ。大観峰駅で撮影。

 

 

 

立山トンネルトロリーバス

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 大観峰(だいかんぼう)と、その先の室堂とを結ぶ全長3.7㌔のトロリーバス路線。トンネルは、立山連峰の主峰・雄山(おやま)の直下を貫いています。

 

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 トロリーバスのすれ違い。

 

 このトロリーバスは、日本で唯一、ここで運行しています。見た目は「バス」ですが、空中に張られた2本の電線から棒で電気を受け取って、モーターを回転させて走ります。

 

 

 

 

室堂と「ホテル立山

 

 

 室堂(むろどう)は、室堂ターミナルとその周辺の室堂平一帯をいいます。

 標高は2450㍍。バス乗り場やトロリーバス乗り場、レストランなどあります。

 

 

「ホテル立山」に泊まった

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 「室堂ターミナル」の2階から、ホテル立山に直結していました。

 6階建て。立山登山の拠点にもなっています。

 

 

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 宿泊する日の午後5時すぎのホテルの外の風景です。

 

 

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 周りの景色はよくありません。

 

 

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翌日の朝、室堂平は快晴だった

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 青空だよ。 

 雪に埋もれた「室堂」駐車スペース脇では、除雪車が早朝からフル稼働でした。

       (ホテル立山の食堂から2013年4月28日午前7時36分撮影)

 

 

 

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 朝食はバイキング。

 

 

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 バス道路の除雪も進んでいる気配です。

 

 

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 室堂平ホテル立山の前から、東を向くと、目の前がこんな感じです。立山です。

 

 右端のくぼんだところが「一ノ越」。

ここから左の斜面を登っていきます。台地の右端が雄山(おやま)標高2992㍍。その左、台地の真ん中の高い山が大汝山(おおなんじやま)標高3015㍍。左端が富士ノ折立(ふじのおりたて)標高2999㍍。

 この3つの峰の総称が「立山」です。

 

 

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 「立山」の左手にある「別山」(標高2880㍍)。

 

 

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 室堂からの剣御前(左端)。剣岳は、もっと奥。

 

 

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立山高原バス

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 立山高原バスは、室堂から、弥陀ヶ原(みだがはら)を経て美女平(びじょだいら)まで下る23キロ間の路線バスです。所要時間は50分ぐらい。

 

 

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 駐車スペースと道路の除雪が終わり、埋もれていた車も出てきました。路線バスで

出発です。

 

 

 

「雪の大谷」はじめ、雪の壁を通り抜ける

 

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 途中、「雪の大谷」ををはじめ雪の壁を30~40分走って、美女平に到着。

 

 

 

立山ケーブルカー

 美女平駅は、小さな駅舎でした。駅前に杉の大木がありました。

 美女平(標高977㍍)から立山駅(標高475㍍)まで、7分かけて降ります。

 

 

 「立山」駅に着いてビックリ。韓国人や中国人のツアー客が狭い駅構内や駅前の歩道にあふれていました。貸し切り観光バスも数台。

 どうやら貸切バスはここ「立山」駅前で待機し、

客だけ「室堂」まで往復するようですが、除雪の遅れでケーブルカーに乗る順番待ちのようでした。

 

 これは8年前のお話でした。今はコロナ禍。外国人の旅行者の姿はありません。

 こんな光景は、もう見られないでしょうね。