三斗小屋温泉の山小屋に向かう女性の歩荷(ぼっか)さん
(2021年9月17日 峰の茶屋跡で撮影)
目次
隠居倉(いんきょぐら)というピーク
三斗小屋温泉の源泉をみたあとは、下界に戻ります。
隠居倉(標高1819㍍)を越えて朝日岳(標高1896㍍)のピークに立ち、
「峰の茶屋跡」を通って「県営峠の茶屋駐車場」に至るというルートでした。
上の地形図の真ん中に「噴気孔」のマークがあります。それが三斗小屋温泉の源泉。ここから東(地形図の右方向)に進みました。
しばらくは背丈の低いクマザサの中を、ゆったりしたペースで登ります。こんなところでツキノワグマに出合い頭にぶつかると、終わりだね、なんて思いながら。
隠居倉の登りに差し掛かると、傾斜が急になってきました。地形図の通りです。
地面は粘土質で滑りやすい。
クサリを出てきました。急登だということですね。
「隠居倉」の語源は、三斗小屋温泉からここを登っていく場合には、たとえ健脚の人でも❝ご隠居❞のようにツエを突かないと登れないほどの急坂、というところからきた、と聞きました。
ウソかマコトか知りませんが・・・。
隠居倉に着く手前で、雲海が見えました。
遠くに浮かんでいるのは茶臼岳の頭ですね。
隠居倉の山頂に付きました。標高1819㍍。360度のパノラマですね。
これは茶臼岳の西面の赤茶けた山肌です。
もう少しすれば、手前の木々の葉が赤く色づいて、もっと素晴らしい景色になるでしょうね。
隠居倉から見える朝日岳です。右端の尖った山です。
隠居倉から「熊見曽根分岐」に向けて稜線を歩きました。
快適な尾根歩きなんですが、時折、ガスが斜面をはい上がってきて、視界が悪くなりました。
先ほどまでよく見えた茶臼岳も、ボーッとしてきました。
こんな落とし物を登山道で3、4回見ました。そんなに太くないので、クマさんではない、と思うことにしました。
熊見曽根(くまみそね)分岐です。
ここから朝日岳に立ち寄ってから下山します。
写真右上のポッコリした山が、先ほど通った隠居倉です。
朝日岳というピーク
朝日岳(標高1896㍍)の山頂。ゴツゴツした岩肌のとがった山、という印象です。
山頂には、小銭がたくさん・・・。
山頂からの北側の眺め。紅葉すると、きれいでしょうね。そんな時期は人間がいっぱい登っているから、いやですけど。
これもいいですねえ。
朝日岳山頂からみた茶臼岳。峰の茶屋跡から県営峠の茶屋駐車場に下る道も見えます。
手前右の山は、剣ヶ峰。
「峰の茶屋跡」に向かって下ります。
下山途中に、クサリ場や、滑りやすいところもあります。
恵比寿大黒。剣ヶ峰の近くにある2つの巨岩です。
以前は角が3本あって、「三面大黒」と呼ばれていたらしい。
峰の茶屋跡
ここ「峰の茶屋跡」付近は、冬になると猛烈に強い風が吹き抜けるところとです。
若い女性の歩荷(ぼっか)さんが、県営峠の茶屋駐車場の方から登ってきて、「峠の茶屋跡」の方向指示岩に荷を背負ったまま腰を下ろし、水筒の水を飲み始めました。
歩荷というのは、山小屋に食料や燃料など必要な物資を背負って歩いて運ぶ人です。
目と目が合ったので、「重そうだね、30㌔ぐらいあるの?」と声をかけると、
「そんないはないと思いますが、はからないことにしているんです」とニッコリ。
三斗小屋温泉煙草屋旅館の歩荷さんでした。
ダンボール箱を3つ背負って、峠を越えて三斗小屋方向に下っていきました。
生鮮食品や卵が詰まっているんでしょう。お疲れさまです。
三斗小屋温泉への日々の食品の歩荷は、「峰の茶屋跡」経由のルートのほか、クマがしばしば出没するという「三斗小屋宿跡」経由で行われているようです。