塔ノ岳の山頂直下から見た富士山。マメザクラの花が咲き始めました。
(5月4日撮影)
目次
- 「塔ノ岳」のこと
- トレイルランナーが増えてきて、徐々に様変わり
- 山小屋「花立山荘」
- 木の階段と木道がほとんどになってしまった
- 「こんにちは」のあいさつ疲れも
- 塔ノ岳山頂
- 「大倉尾根コース」の標準コースタイム
神奈川県の塔ノ岳(標高1491㍍)に大型連休中の5月4日、日帰りで登ってきました。
かれこれ20数年前から体力維持・チェックのために通っていて、これで298回目。よくやりますねえ。
それにしても登山道や山頂に人が多くてビックリしましたわ。快晴・微風。「コロナ禍」も一服したせいでしょうかね。新緑がさわやかでした。
記録写真です。富士山の右手の白い山なみは南アルプス。
(2016年12月31日撮影)
「塔ノ岳」のこと
神奈川県西部にある塔ノ岳(とうのだけ)は、山頂が広くて景色が素晴らしい山です。
富士山はもちろんのこと、相模湾に突き出た「江の島」、冬の晴れたには雪をいただいた南アルプスの山々まで眺めることができるんです。
人気の秘訣は、登山口(大倉尾根ルート)まで交通の便がいいことが第一。小田急線渋沢駅前からバスで登山口まで15分ほど。日帰りできることも大きいでしょうね。
人気の「大倉尾根ルート」は、『バカ尾根』と呼ばれているんです。理由は、登山口の大倉バス停(標高290㍍)から山頂(標高1491㍍)まで標高差が1200㍍あるんですが、登り一辺倒だからなんですね。いつまでもひたすら登るという・・・。
ただ、ここは北アルプスや南アルプスにテント泊で挑む大学ワンダーフォーゲル部や社会人山岳会には、格好のトレーニングの場にもなっているんですね。20㌔超のザックを背負ってゆっくり登っている姿も時々見ます。
トレイルランナーが増えてきて、徐々に様変わり
渋沢駅北口のバス乗り場です。登山口の「大倉」にはここからバスに乗りますが、まだ午前6時55分だというのに、この列。Uターンができています。
結果として、臨時バスがでました。
ここは登山口の「大倉バス停」。臨時に用意された机で、登山計画書を書いて提出する人が多いです。
登山口近くの民宿の駐車スペース。「満車」だそうです。
新緑。秋には紅葉がきれいなところです。
親子連れを多く見かけました。
それにしても、トレランの人・・小さなザックを背中に付けて登山道を猛スピードで走るトレイルランニングの人がメチャクチャ増えましたね。
この日も塔ノ岳を目指した10人中、1人か2人はそれでしたよ。
ほとんどのトレランの人は、私のようなゆっくり静かに歩く登山者に、うしろから声をかけて追い抜いて行きます。
だけど、そうでないこともあるんですよね。
今回も、幅の狭い板の階段を、下を向いて、帽子のひさしからポタポタ汗を落としながら一歩一歩登っていますと、突然、前から猛スピードで下りてきて、無言で駆け抜けて行った人がいました。恐怖を感じましたよ、その瞬間。はじき飛ばされたらアウトですからね。
山小屋「花立山荘」
ここは花立山荘の手前のなが~い階段です。
花立山荘の前庭です。標高1300㍍。あと40分もがんばれば塔ノ岳山頂というところ。一服して、富士山を眺める人が多いんです。
小屋のメニューです。
木の階段と木道がほとんどになってしまった
丹沢の登山道は、上の写真のように、「木道」や丸太でつくった「木の階段」が多いんですね。多いというか、年々、増えている感じ。
これは登山者が多いために、登山道がくぼんで荒れてしまったためなんですね。
山頂直下 (2021年5月24日撮影)
困ってしまうのは、木の階段の幅が狭いこと。特に塔ノ岳山頂直下あたりともなると、肩がぶつかってすれ違いができないんです。
だから、下からハアハア言って登ってくる人が目に入ると、下山途中の人は階段の端っこに寄って立ち止まるか、階段の下の土の上に降りて道を譲っています。
「こんにちは」のあいさつ疲れも
山の世界では、山中で人に会うと「こんにちは」とあいさつするのが暗黙のルールですよね。でも、呼吸が苦しい時には、めんどうです。
今回もそうでしたが、きつい登りでハァハァしたりゼーゼーして足を前に出している時、山頂を踏んで気をよくして軽快なフットワークで下山途中の人、特に20代の人は「こんちわ~す」「こんちわ」とあいさつしてきます。
私なんか、雑な人間ですので、右手を挙げて応えるか、コクリと首を下げて済ませますが、私の後ろを歩いて登っていた人は、ご丁寧にもいちいち「こんにちは」と応えていましたよ。
塔ノ岳山頂では「『こんにちは疲れ』したね」と同行者にぼやいていた男性がいました。
塔ノ岳山頂
見てください、ここが山頂です。富士山を眺める観覧席みたいですが。
マメザクラです。大倉への下山途中にみました。丹沢で一番早く咲く桜だそうです。小さな花が下向きに咲きます。
「大倉尾根コース」の標準コースタイム
ところで、塔ノ岳までの大倉尾根コースの標準コースタイムはどうなんでしょう。
昭文社の「山と高原地図 丹沢」(2019年版)を見ました。登り3時間30分です。休憩時間を含んでいない数字です。
休憩時間を入れると、4時間近くなるんでしょうか。
どういう条件ではじき出した数字かというと、
①40~60歳の登山経験者
②2~5人のパーティー
③山小屋利用を前提とした装備
④夏山の晴天時
――ということのようです。あいまいですわね。
で、私ですが、
ザック(40㍑)の重さ10㌔、ストック携行せず。靴は巣鴨の「ゴロー」で買った皮製の重い登山靴「S8(えすはち)」で、片足の重量1150グラム。
休憩時間を入れて登り3時間01分でした。
大倉バス停。
写真はバスの到着を待つ長い列。(5月4日午後2時撮影)
山中を歩いている時は、みんなマスクをしていません。息苦しいし、マスクをしていたら熱中症になりかねませんからね。
でも、山を下りるとみなさん、サッとマスクを取り出して整然とバス停に並んでいるのです。
折り目正しいというか・・・日本人なんですねえ。
登山道で見かけた花。
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