富士山の最高峰・剣ヶ峰(標高3776㍍)と噴火口(2013年5月25日撮影)
❝日本一の山❞富士山には、静岡市に住んでいた時に、11回登りました。富士山頂にある8つの峰の最高峰の「剣ヶ峰」に立てたのは、そのうちの6回でした。
2013年5月25日が最後の富士登山です。残雪期です。その時の写真を整理しました。
目次
愛車「トヨタRAV4」のこと
富士宮ルートの登山口
富士山の山頂に向かう登山ルートは4つあって、いずれも「五合目」まで車で入れます。もちろん「一合目」から登れますが、大多数の方は「五合目」から登り始めます。
五合目の駐車スペース
「富士山五合目」に通じる富士山スカイライン(静岡県道)は、冬の間は全面通行止めで、4月下旬に開通します。それを待って残雪期の富士登山を楽しみました。
愛車のRAV4
富士山に登る日は、午前2時すぎに静岡市内のすみかを出て、大型車がビュンビュン飛ばす東名高速道路をヒヤヒヤしながら走りました。(運転に自信がないので)
クルマはトヨタのRAV4。2008年6月に新車を購入しました。ドライブ用です。4輪駆動。車高があって前がよく見えます。三百数十万円しました。7年近く乗ったのち、転勤のために2015年2月に売却。走行距離は3万キロ弱と少なく、110万円で売却できました。「ガリバー」さん、ありがとう。
富士宮口五合目から山頂の「剣ヶ峰」までの写真
五合目は標高2400㍍
7月の「山開き」まで、「登山道」は管理している静岡県によって通行止めにされています。が、すり抜けます
六合目に立つ雲海荘(写真左端)と宝永山荘(標高2493㍍)
宝永山荘の横をすり抜けて登っていきます。
ちなみち、上に向かって登らずに小屋の前を真っすぐ横に進むと、7分ほどで宝永火口の端っこに出ます。宝永火口は300年前の1707年に富士山が噴火した時に誕生した火口です。
左上に見えてきたのは、新七合目御来光山荘(標高2780㍍)
新七合目御来光山荘
ゴツゴツした岩肌
間もなく元祖七合目山口山荘(標高3010㍍)。石垣に囲まれた山小屋。むかしながらの「七合目」に人力で建てた数少ない施設らしい。
元祖七合目山口山荘
見えてきたのは八合目池田館(標高3250㍍)
八合目池田館(写真右の茶色)のわきには、診療所の建物(白色)があります。医師が7月中旬から1ヵ月間ほど駐在します。
八合目池田館の屋根越しに見た景色
九合目万年雪山荘の手前に、壊れた鳥居が立っています。その木の支柱の割れ目には、ごらんのとおり1円や5円硬貨がたくさん突っ込まれています。
はさんだ方は、ご利益があると思っているんでしょうかねえ。劣化が進みますし、富士山の景観を損ねてしまいますね。
九合目万年雪山荘(標高3460㍍)
九合目万年雪山荘の裏は、夏まで雪が残ります
九合目万年雪山荘の下には「雲海」・・・
九合目万年雪山荘の上の鳥居。山頂まであと2時間・・・
ここは九合五勺胸突山荘(標高3590㍍)。小屋の入り口はまだ、雪に閉ざされていますね
九合五勺胸突山荘の屋根越しの景色
雪渓上の石。どこから転がってきたんだろう・・・
一歩ずつ、確実に。登山ガイドさんにロープで確保されながら斜面を下る方もいらっしゃる(写真左)
山頂。山小屋「頂上富士館」(標高3740㍍)や「富士山本宮浅間大社奥宮」の前です
写真の左上に見えるのが最高峰の剣ヶ峰(標高3776㍍)
チンタラ歩いたので、登るのに7時間もかかりました。遅い!
山頂の噴火口。「お鉢(はち)」とも呼ばれます。直径が700㍍もあるそうです。およそ2200年前に大噴火を起こして以降、山頂火口はそのままらしいです。
山頂火口のへりに建っていたのが富士山測候所。写真はその跡
富士山測候所は気象庁が1964年(昭和39年)に設置した気象観測施設です。台風の接近を早くキャッチするために、富士山頂に「気象レーダー」を設置しました。
その後、気象衛星「ひまわり」が打ち上げられ観測技術が発達したために、レーダー観測は1999年に止めました。
観測に使われたレーダードームは解体され、ふもとの山梨県富士吉田市に引き渡されました。市は「富士山レーダードーム館」をつくり、実物を展示しています。
測候所の奥に「展望台」がありますが、老朽化が進んで危険なため立ち入れないようにしてあります
「夏の登山シーズン」以外の登山もできるんですよ
雪の時期に富士山に登ると、「あれッ、5月や11月は登山禁止じゃあないの?」と思われる方がいると思います。
でも、違うんですね。勘違いです。「夏山シーズン」が過ぎても登山しても、違法でもなんでもありません。
「夏山期間」といわれる時期は、【登山道】が道路管理者によって開けられる7月上旬から9月上旬までのことなんです。(この期間中は山小屋が宿泊営業をします。)
それ以外の時期については【登山道】を管理している静岡県と山梨県が、登山道を全面通行止めにします。(道路法第46条)
それだけのことです。
「夏山シーズンを過ぎると登山禁止か?」というと、そうではないのです。
理屈っぽいと嫌われますが、登山そのものを禁止するとなると「個人の尊重」とか「幸福追求権」を保障している憲法第13条に違反するんです。
※憲法第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
ですから、【登山道】を管理している静岡県や山梨県は『富士登山における安全確保のためのガイドライン(主に夏山期間以外における注意事項)』なるものを定めて、次のように書いています。
「充分な技術・経験・知識としっかりとした装備・計画を持った者の登山は妨げるものではない。」
そして、
「充分な技術・経験・知識としっかりとした装備・計画を持たない者が、登山しないことを強く求めるものである。」
つまり、「夏山シーズンを過ぎてからの登山禁止」は、お役所による❝指導・助言❞なんです。
「登らないで!」というのは、行政がする「行政指導」であって、法的拘束力はありません。受け入れるかどうかは登山者の自由なんです。
とはいっても、冬から春先までの厳冬期は、富士山の斜面は雪面が凍ってピッケルもアイゼンも効きません。あちこちから「突風」も吹きます。ひっくり返って滑り落ちます。いくら冬山経験が豊かだといっても、7合目以上を目指すのはやめた方がいいですね。
山梨県側の5、6合目で「滑落停止訓練」を各山岳会はいまもやります。これは万全を期してやっていますので大丈夫です。
とにかく、遭難なんかして、警察や消防の方の世話になるのは「恥」ですから、絶対やってはダメですよ。
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