北穂高岳で味わう至福のひと時

標高3000㍍の北アルプスに登っていたころの写真記録、国内外の旅行、反戦平和への思いなどを備忘録として載せています。

50年ぶりの高校クラス会で聞いてしまった愛知県教育界の驚愕の話!

 高校3年のクラス会が先日、愛知県内であったので行ってきました。卒業してから半世紀ぶりの集まりでした。

 

 地元で教員になった4人のうちの2人を含む3人が取り仕切ってくれ、級友50人のうち17人が顔を見せました。

 

 トシはとりたくないもんですね。みんな顔が変わっている。相手が首からぶら下げている名札をたぐり寄せて、「なんだ、××か? いや~顔が変わったなあ」「お前のアタマ、真っ白じゃん」「あそこにいるあの女の人、だれだぁ?」ってな感じでした。

 

 高校のころのことを思い出して笑ったり、いま住んでいるところ、欠席した級友の消息を聞いたりしているうちに予定の2時間は過ぎました。

 

 2次会で、ちょっと真面目な話を「元教員」2人から聞いたので、備忘録として書きました。

 

目次

 

 

 

出身高校が「定員割れ」で消えてしまいそう

 私が出たのは、へき地の学校です。1学年は普通科4クラスと家政科2クラスでした。「進学組」というのが普通科に1クラスできていて、田舎ですがそれなりに頑張りました。

 ところが、いま1学年は普通科の2クラスだけ、というんです。

 大学進学を目指す子はいま、本数の少ないバスで30分先の別の高校に通うよう進路指導がなされているようで、わが母校は「定員割れ」が続いているのです。「統廃合の検討対象になってるよ」という話です。

 

 

愛知県の教育界の「学閥」がもたらした「闇」

 クラス会に出てきた元教員のA君に、定年退職時の職位を聞くと、「教頭」。「あれっ、校長じゃあないの?」と聞きますと、「オレ、学閥の❝外❞だったからね」。

 

 愛知県の教育界に「学閥」があるということは、亡くなった愛知第二師範学校卒の父から聞いていました。

 愛知教育大学とその前身の「師範学校」の卒業生が固く結束していて、愛知県では管理職人事で優遇されるということです。

 A君はこの「学閥」の荒波をかぶって定年退職を迎えたようです。

 

 「学閥」は、竜城会(りゅうじょうかい)芳陵会(ほうりょうかい)という2つの組織。

 竜城会は、愛知第二師範学校と愛教大岡崎分校の卒業生による「三河地区」の同窓会。

 芳陵会は、愛知第一師範学校と愛教大名古屋分校の卒業生による「尾張地区」の同窓会。

 

 愛知県は歴史的に「尾張」(=織田信長)と「三河」(=徳川家康)に分かれていて、体質が違います。

 竜城会と芳陵会という2つの同窓会がそれぞれの❝支配❞地区で教職員人事に影響力を行使し、小中学校の校長の7割以上を愛教大出身者が占めているんです。

 

 愛教大以外の大学を出ている教員については、その中の1人が取りまとめ役になっていて、そのボスの裁量で、人事体系のすき間を埋める形でそれなりの管理職ポストにはめ込んでいたというのです。これはA君とは別の元教員の話。

 

 「教頭」で終わったA君。1970年代に旧国立一期校に入学しましたが、大学を受験する時、父親から「愛知県で教員をやるなら愛教大に入った方が出世するよ」と勧められたそうです。でもA君は「オレは好きな大学に行きたかったので、聞き入れなかった」と言いました。

 彼の父親も愛知県の教員でしたが、日本統治下の朝鮮半島師範学校卒で、校長にはしてもらえなかったそうです。

 

 「校長」になるとかなれるとかはレベルが低くくだらない話ですが、教育界の「闇」は暴かないといけませんね

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 「学閥」が問題提起されたことが過去にありました。

 

 「愛知教育大学出身教員(=学閥)優先人事を止めることを求める請願」というものが2016年6月、愛知県立高校教員から県教委教育長あてに提出されました。

 請願の趣旨は、「2016年度の小中学校新任校長が新任教員として採用された時、愛教大出身者は40%程度に過ぎないにもかかわらず、愛教大卒の新任校長は71%を占める。学校現場に大きな力を持つ県教委事務局までも、圧倒的多数が愛教大出身だ。これは愛教大出身者が優先的に登用されているためであり、教職員の間で不信感や無気力が醸し出されている」と指摘。独自に調べた資料を多数添付して、「学閥優先人事を止めること」を求めました

 

 しかし・・・県教委は7月の定例会議でこの「請願」を審議したものの、「選考は厳正、公平に行われている」として、全会一致で不採択にしました。

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 愛知教育大学OBでつくる「竜城会」「芳陵会」という同窓会の活動自体がいまどうなのか、よそ者ではありますが気になりました。