「チリンチリンチリリリリ~ン」「リーン」。風鈴にまつわる便りが全国各地から届く季節になりました。
東京都大田区の池上本門寺でも、500個もの風鈴が涼しげな音色を奏でていると知り、2024年7月18日の夕方、ブラリと行ってみました。
このイベント、地域の有志の方々が2015年から毎年この時期に催しているようです。
池上本門寺の入り口に建つ総門をくぐると、聞こえてきました。「チリ~ン、チリリ~ン」。
96段の階段を上っていきますと、階段最上部を横切るように取り付けられた風鈴の列が見えました。
階段を上り切ったところから右手にUターンしますと、日蓮上人説法像が建っています。その前の広場に、たくさんの風鈴が木と木をつなぐヒモにぶら下げられていました。
風鈴の素材は、岩手県で古くからつくられてきた南部鉄器とのこと。
逆さにしたお椀の内側から垂れ下がる短冊(たんざく)が風で揺れると、「リ~ン」と高く乾いた音を奏でます。
短冊には、「じがうまくなりますように」「世界平和」などと子どもたちの願いごとが書かれていました。
1980年代の初め、長野市内の古ぼけた一軒家に住んだことがありますが、その時に風鈴を二階の軒下に吊り下げました。
風が吹くと鳴る鈴の音に、生後間もない娘を抱いて涼を感じていたころを思い出します。
いま、東京のマンションでは、風鈴は見かけませんね。ベランダに吊るそうものなら、隣近所から「うるさい!」「眠れないじゃないか」なんて管理人室に苦情が持ち込まれますからね。
世知辛い時代になりました。
この風鈴は、7月20日午後5時に撤去されるとのことです。