北穂高岳で味わう至福のひと時

標高3000㍍の北アルプスや富士登山、首相外遊の同行、奥様と国内旅行、反戦平和への思いなど備忘録として載せています。

貸切風呂と料理;信州高山村の温泉宿「旅館わらび野」の魅力

 「ふたご座流星群」の流れ星をみたくて2024年12月12、13両日、長野県の北東部にある高山村に行ってきました。

 

 泊まった宿は、貸切風呂と料理が訪日外国人にも好評だという隠れ家のような「旅館わらび野」。

 

 流星の観察は満月前の月明かりに邪魔されましたが、12日深夜に15分間で3つ、光の筋をみることができました。

 

 以下は、星ではなくお風呂と料理を中心にした「宿」の写真です。

 

目次

 

 

 

高山村への足

 写真のワゴン車が高山村の村営バス

 

 標高735㍍の位置にある温泉宿「旅館わらび野」には、電車とバスを乗り継いでいきました。

 起点は長野駅長野電鉄に乗って「須坂(すざか)」で降ります。駅前から長電バスに乗って「You游ランド」で下車。ここで高山村営バスの「ワゴン車」に乗り換えて、バス停「蕨(わらび)温泉」で下車。目の前が「旅館わらび野」でした。

 

 

セールスポイントは3つの貸切風呂

 

 この宿が一番❝売り❞にしているポイントは、敷地内の3つの風呂の利用を、時間制限による「貸切」にしていることです。

 

 「コロナ禍」の経験から学んだ3密回避策ですが、これが訪日外国人にも好評らしいのです。

 昨今は欧米人の間で「タトゥー」という入れ墨をファッションで入れる人が多いらしいのですが、日本社会では裏社会の人が入れるモノという意識がまだあって、温泉やプールで入場制限をするケースもあります。それだけに「貸切」は歓迎されているようです。

 また、家族旅行でも子どもたちが湯船で声を上げて遊ぶこともできて、喜ばれているようです。

 

 お風呂の入り口にある立札が、「利用できます」「Available」となっていれば、これを裏返して「使用中」「In Use」にして独占できます。

 

 空いていれば、午後11時まで何度でも利用可能。朝は午前6時からOK。

 

 お風呂は貸切ですが、ひと組「最大50分」という時間制限があります。

 お風呂場の入り口のホワイトボードに、風呂からあがるおおよその時刻を記入しておきます。

 

 

 さて、その風呂です。

 敷地内の建物の中に、「岩のお風呂」と「木のお風」の2つあります。このうち「木のお風呂」には小さな露天風呂もくっついています。

 建物の外には、「展望露天風呂」と銘打った眺めの良い露天風呂があります。風が冷たいですが、屋根はあります。

 

 さらにもう1つ、渡り廊下の先に村営の「ふれあいの湯」という日帰り入浴施設があって、これも宿泊者は無料で利用できます。

 

 

岩のお風呂

 岩のお風呂は、岩の上部に茶色の板が張り付けられていますが、洞窟に入ったような気分になります。

 湯の温度は41度。ややぬるめですが、長くつかるには良いかもしれませんね。

 

 

泉質

 「旅館わらび野」の源泉は、宿から1キロほど離れたところにあって、パイプで湯を引き込んでいます。

 村営日帰り施設と共同で利用しているようです。

 

 泉質は、「含硫黄―ナトリウム・カルシウムー塩化物・硫酸塩泉」

 温泉の主成分が、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、塩素イオン、硫酸イオンということです。

 源泉の温度は45.6度。(調査した平成27年6月時点)

 

 説明書きによると、温泉に水は加えていませんが、循環ろ過装置や塩素系薬剤は使っているとのことです。

 

 

 

木のお風呂

 夜の写真。

 

 翌朝の写真。

 お湯の温度計は「43度」でした。

 

 「木のお風呂」の奥の扉を開けると、小さな露天風呂につながっていました。

 

 

 

展望露天風呂

 12月12日夜、氷点下という気温の下で星空を眺めたあと、屋根のある展望露天風呂に挑戦。脱衣場からは眼下に善光寺平の明かりが見えました。

 ところが44度かそれ以上あるのでしょうか、脚をちょっと突っ込んだだけで、アッチッチ。とても熱くて湯につかることはできません。すぐ飛び出ました。

 1年前の11月に入った時は快適でしたが・・・。

 

 

 

村営日帰り入浴施設「ふれあいの湯」

 高山村が経営している日帰り入浴施設です。1988年(昭和63年)開業。車30台を止めるスペースがあります。

 

 広い内湯には長方形の大きな浴槽と洗い場が8ヵ所。風除けの透明の扉の向こうには、ベランダふうに張り出した半露天風呂がありました。(写真撮影禁止)

 

 料金は大人400円。年間パスポートは2万円。

 地元の人はほとんどが年間パスポートを所持しているらしく、朝6時30分の営業開始とともに、軽乗用車で次々と来ていました。

 

 聞くところによると、農作業のあとも利用者が多く、自宅の風呂は使わない人が多いという話でした。

 

 

夕食は信州牛の朴葉焼きが美味!

 夜景を楽しみながらの夕食です。明かりは善光寺平。

 

 献立表。

 

 (先つけ) ナメコ入りの茶わん蒸し

 

 (前菜) くらかけ豆、レーズンチーズなど。

 

 (刺身) 信州サーモン、シナノユキマス

 

 (煮物) 信州の野菜と湯葉

 

 (台のもの) 豚肉と野菜の鍋物

 

 (揚げ物) 地元野菜の天ぷら

 

 献立表にない特別注文。

 信州産の牛肉を信州味噌で焼く『朴葉焼き(ほおばやき)

 朴葉焼きは、皿代わりの葉の大きな朴葉(ほおば)の上に味噌を広げてその上に山菜やキノコ、肉を載せて焼いたもの。

 林業が盛んな飛騨・高山地方に伝わる郷土料理。とってもおいしい

 

 朴葉は残します。

 

 特別注文。イワナの骨酒です。美味!

 

 身も目玉もほぐして食べ、骨だけ残しました。

 



 (ご飯、香の物、吸い物) 「黒米、緑豆、精麦、そばの実、キビ」の五穀で炊き上げたご飯。野沢菜の漬物など。

 

 (デザート) 季節のフルーツなどを添えたプリン

 

 

朝食のメニュー

 朝ごはんは雪をまとった北アルプスの山並みを眺めながらいただきました。

 爺ヶ岳(じいがたけ)は山肌が少しだけ見えましたが、過去3回登った双耳峰の鹿島槍ヶ岳(かしまやりがたけ)は姿を見せてくれませんでした。

 

 こんなふうに見えると良かったのですがね。

 

 以下、朝食のメニュー・・・

 

 

 

スキーや観光でヨーロッパからも客

 「旅館わらび野」のフロントの横には、世界地図を描いたボードかかかっています。

 そして「どこから来たのですか?」と問いかけて、お国の位置にピンを刺してもらうんです。

 

 ヨーロッパが圧倒的に多いんですね。志賀高原が近くにあるので、暮れから1月以降、スキーにくるようです。

 

 ほかにも地獄谷野猿公苑で、温泉に入るサルを見るためにくるという観光客がいるという話でした。