
都内のコンビニの店頭にある「新聞ラック」
目次
- 『中日』、東京のヘリ取材から撤退
- 2026年1月の「新聞」販売部数の実態
- 全国紙(5紙)とブロック紙(3社)
- 地方紙(=県紙)
- 「読売」は500万部に
- 「東京新聞」は自前の印刷工場を閉鎖
- 夕刊の発行休止や発行エリアの縮小続く
- 「夕刊」発行は13紙のみ
- 「輪転機」、三菱重工は11年後にはアフターサービスも終了
『中日』、東京のヘリ取材から撤退

中日新聞社が東京都内に配置していたヘリコプター基地を閉鎖しました。2025年9月末のこと。
下の写真は、50年以上も前に建設した「ヘリ格納庫」を解体中のひとこま。

この話題は、新聞業界紙が2025年10月に流した人事情報で広がりました。
『(中日新聞社は)航空部東京分室航空課を廃止する(9月30日付)』という1行。
ヘリ格納庫があったのは、東京湾に面した江東区新木場の「東京へリポート」。東京都が1972年に設置し、NHKや民放、共同通信などが業務委託している航空会社のヘリが駐機しています。
「中日」だけが自社所有ヘリで、ヘリ1機とパイロットや整備士、カメラマンの数人が常駐していたそうです。
「中日」は2023年ごろから東京本社の機能を縮小しています。▽海外支局(特派員駐在)の相次ぐ閉鎖と東京外報部の廃止▽東京本社発行の紙の「東京中日スポーツ」の発行とりやめ▽東京本社発行の「東京新聞」の夕刊配達は東京23区のみで、しかも土曜日は休み――という具合。
2026年1月の「新聞」販売部数の実態
新聞の部数を調査している一般社団法人「日本ABC協会」が2026年1月時点でまとめた各紙の販売部数が分かりました。
「販売部数」というのは、あいまいな「公称部数」や「発行部数」「購読部数」という用語とは違って、「新聞発行本社が販売店と即売会社に送付して原価を請求した新聞部数」のことです。「ABC部数」と称しています。
(ただし、「販売部数」というえども、販売店が実際に読者に配達して、読者から購読料をもらっている部数とは、異なります。実際の読者数は「販売部数」よりもっと少ない、といわれます。)
過去4年の「1月の数字」を一覧表にしました。
全国紙(5紙)とブロック紙(3社)

地方紙(=県紙)


「読売」は500万部に
上の一覧表を見ますと、紙の新聞の売れ行きが急減していることが分かります。
「読売」はひところ「1000万部死守」なんて経営トップが叫んでいましたが、2026年1月には527万部に落ち込みました。500万部を割るのは時間の問題?。
「毎日」の凋落も著しい。2023年1月には180万部ありましたが、その3年後には110万部にまで減りました。ブロック紙の「中日グループ」より少ない数字。
1つの県内だけ配っている「地方紙」もおおむね3年間で1万部から4万部減らしていますね。
「東京新聞」は自前の印刷工場を閉鎖
埼玉県戸田市にあった「東京新聞」の「埼京工場」が2025年1月31日付の朝刊印刷を終え、閉鎖されました。
聞くところによると、もう去年の春に閉鎖するという話が流れていたようです。
「埼京工場」では2009年から「東京新聞」と「東京中日スポーツ」を印刷し始め、2012年からは工場から各販売店までの発送業務もしていたとのこと。
しかし・・この1月31日限りで「東京中日スポーツ」は紙の新聞の印刷自体を終了しました。
「東京新聞」の印刷は、都内のアサガミプレスセンター(株)に委託した、という話です。
夕刊の発行休止や発行エリアの縮小続く
夕刊を出すのをやめる一番の理由は、採算が合わないためです。新聞用紙の値上げや新聞輸送経費が増える一方で、購読者は減るばかりですから。
スマホの普及で紙の新聞を読んでくれるのは高齢者だけ、と言える状況。夕刊も読んでいただけるのも、ほとんどが高齢者という実態になりました。
昨年(2024年)には、「朝日」が福岡県や北海道などで夕刊を休止し、「日経」も静岡県での夕刊発行を止めました。
「東京新聞」は東京23区を除く販売区域(多摩地区、南関東各県)での夕刊配達を止めました。
「夕刊」発行は13紙のみ
2025年1月時点で「夕刊」を出している銘柄は・・・。
全国紙の5紙は販売エリアを縮めながらも、なんとか発行しています。
ブロック紙・地方紙で出しているのは、中日新聞社の「中日新聞」「東京新聞」「北陸中日新聞」と、「西日本新聞」「河北新報」「北國新聞」「京都新聞」「神戸新聞」の8紙。
このうち「北陸中日新聞」は2025年3月末で夕刊を休止する、と発表しています。
「輪転機」、三菱重工は11年後にはアフターサービスも終了

新聞用の輪転機。(三菱重工のHPから引用)
新聞を印刷する『輪転機』という機械の国内大手メーカー2社のうち、三菱重工グループが輪転機の製造から撤退することを決めました。
輪転機を造るのをやめた、と表明したのは、三菱重工の100%子会社の三菱重工機械システム(株)(本社:神戸市)です。1年前の2024年6月28日の取締役会で決議していました。

2024年6月29日付「日経」朝刊
ベタ記事で、気づきませんでした。
三菱重工のこの子会社は、新聞輪転機の国内シェアが5割というトップメーカーです。
「輪転機」は高速で大量印刷できる印刷機で、輪転機がなければ「紙の新聞」を毎日大量に発行することはできません。
会社の発表文によりますと、三菱重工グループは1966年(昭和41年)以来、半世紀以上にわたって670台を超える新聞輪転機を新聞社に納入してきましたが、「社員の高齢化が進み、使っている部品の調達も困難で、このままでは製造・アフターサービスに必要な体制を維持することが困難」と説明。「現在、注文を受けている新聞社との契約分の納入をもって終了」し、アフターサービスについても「最長でも2036年3月までに終了」するとしています。
この発表文の意味するところは、新聞発行部数が減り続けて印刷需要がもっと乏しくなることを見据え、「輪転機製造ではもうからない」から11年後の2036年には「紙の新聞」を見放す、ということでしょうかね。
~~~~~~~~~~~~~~~~~