
都内のコンビニの新聞即売ラック
目次
- 『中日』、東京のヘリ取材から撤退
- 2025年1月の「新聞」販売部数の実態
- 全国紙(5紙)とブロック紙(3社)
- 地方紙(=県紙)
- 「毎日」は150万部を切った
- 「東京新聞」は自前の印刷工場を閉鎖
- 夕刊の発行休止や発行エリアの縮小続く
- 「夕刊」発行は13紙のみ
- 「輪転機」、三菱重工は11年後にはアフターサービスも終了
- 「輪転機」になおもこだわる「読売」
- 共産党、「赤旗」読者減で「10億円」寄付募集中 (4月29日 追記)
『中日』、東京のヘリ取材から撤退

中日新聞社が東京都内のヘリコプター基地を閉鎖しました。2025年9月末のことです。
50年以上も前に建設した自社の「ヘリ格納庫」の解体工事がいま、静かに進んでいます。

ほぼ解体が終わったヘリ格納庫の跡地。
このニュースは、新聞業界紙が2025年10月に流した人事情報で広がりました。
『(中日新聞社)管理局航空部東京分室航空課を廃止する(9月30日付)』という1行です。
ヘリ格納庫があったのは、東京湾に面した江東区新木場の「東京へリポート」。東京都が1972年に設置し、NHKや民放キー局、共同通信社などが業務を委託している航空会社のヘリが駐機しています。
「中日」だけが自社所有のヘリで、ヘリ1機とパイロットや整備士、カメラマンの数人が常駐。大きな事件や事故が発生すると飛び立ったようです。
聞くところによると、東京のヘリ拠点廃止の背景にあるのは、「中日」本体の経営状況の悪化。ヘリポートの使用料も格納庫の維持管理費も無視できず、すでにヘリコプターもスタッフも愛知県営名古屋空港の格納庫に移転済みらしい。
失礼ながら古いデータを拾い出しますと、「中日」は2023年ごろから▽海外支局(特派員駐在)の相次ぐ閉鎖と東京外報部の廃止、その一方で名古屋国際部の新設▽東京本社発行の紙の「東京中日スポーツ」の発行とりやめ▽東京本社発行の「東京新聞」の夕刊配達は東京23区のみで、しかも土曜日は休み――というように、東京本社の機能を縮小していますね。
中日OBの友人は「東京で発行している『東京新聞』を当面は残しつつも、本丸の東海3県と浜松に“人的・物的資源”をシフトして、名古屋近辺の地元ニュース以外は『共同通信』の配信原稿で今後は紙面を埋める、というように編集方針を決断したんじゃないの?」と冷ややかにみています。
まあ、そう見えなくもない、そうかもしれませんな。時の流れとはいえ、東京勤務員の心中やいかに。
2025年1月の「新聞」販売部数の実態
売られている新聞の部数を調査している一般社団法人「日本ABC協会」が、2025年1月時点での新聞各紙の販売部数をまとめ、「ABC部数」として会員に公表しました。
「販売部数」というのは、裏付けのない「公称部数」や「発行部数」とは違って、「新聞発行本社が販売店と即売会社に送付して原価を請求した新聞部数」のことです。「ABC部数」と称しています。
(ただし、販売店が実際に読者に配達して購読料をもらっている部数はもっと少ないよ、という指摘も業界内にあります。)
この3年間の銘柄ごとのABC部数を一覧表にしました。朝刊だけです。
もう1つ、情報を追加します。(3月29日)
新聞を印刷する『輪転機』の国内大手メーカー2社のうち、最大手の三菱重工グループが輪転機の製造から撤退することを決めた、という話。
新聞の印刷部数が減り続けているからでしょう。新聞社経営陣にはショックでしょうね。
全国紙(5紙)とブロック紙(3社)

地方紙(=県紙)



「毎日」は150万部を切った
紙の新聞の売れ行きは年々悪くなっていて、この流れは変わらないですね。
「読売」はひところ「1000万部死守」なんて経営トップが叫んでいましたが、いまや600万部を割っています。
「毎日」の凋落は著しく、1年間に27万部も減らして全国で150万部を切りました。ブロック紙の「中日」より少ない数字。記事はしっかりした新聞ですが・・・。
1つの県内だけ配っている「地方紙(=県紙)」もおおむね1年で1万部程度、減らしていますね。
「東京新聞」は自前の印刷工場を閉鎖
埼玉県戸田市にあった「東京新聞」の「埼京工場」が2025年1月31日付の朝刊印刷を終え、閉鎖されました。
聞くところによると、もう去年の春に閉鎖するという話が流れていたようです。
「埼京工場」では2009年から「東京新聞」と「東京中日スポーツ」を印刷し始め、2012年からは工場から各販売店までの発送業務もしていたとのこと。
しかし・・この1月31日限りで「東京中日スポーツ」は紙の新聞の印刷自体を終了しました。
「東京新聞」の印刷は、都内のアサガミプレスセンター(株)に委託した、という話です。
夕刊の発行休止や発行エリアの縮小続く
夕刊を出すのをやめる一番の理由は、採算が合わないためです。新聞用紙の値上げや新聞輸送経費が増える一方で、購読者は減るばかりですから。
スマホの普及で紙の新聞を読んでくれるのは高齢者だけ、と言える状況。夕刊も読んでいただけるのも、ほとんどが高齢者という実態になりました。
昨年(2024年)には、「朝日」が福岡県や北海道などで夕刊を休止し、「日経」も静岡県での夕刊発行を止めました。
「東京新聞」は東京23区を除く販売区域(多摩地区、南関東各県)での夕刊配達を止めました。
「夕刊」発行は13紙のみ
2025年1月時点で「夕刊」を出している銘柄は・・・。
全国紙の5紙は販売エリアを縮めながらも、なんとか発行しています。
ブロック紙・地方紙で出しているのは、中日新聞社の「中日新聞」「東京新聞」「北陸中日新聞」と、「西日本新聞」「河北新報」「北國新聞」「京都新聞」「神戸新聞」の8紙。
このうち「北陸中日新聞」は2025年3月末で夕刊を休止する、と発表しています。
「輪転機」、三菱重工は11年後にはアフターサービスも終了

輪転機を造るのをやめた、と表明したのは、三菱重工の100%子会社の三菱重工機械システム(株)(本社:神戸市)です。1年前の2024年6月28日の取締役会で決議していました。

2024年6月29日付「日経」朝刊
ベタ記事で、気づきませんでした。
三菱重工のこの子会社は、新聞輪転機の国内シェアが5割というトップメーカーです。
「輪転機」は高速で大量印刷できる印刷機で、輪転機がなければ「紙の新聞」を毎日大量に発行することはできません。
会社の発表文によりますと、三菱重工グループは1966年(昭和41年)以来、半世紀以上にわたって670台を超える新聞輪転機を新聞社に納入してきましたが、「社員の高齢化が進み、使っている部品の調達も困難で、このままでは製造・アフターサービスに必要な体制を維持することが困難」と説明。「現在、注文を受けている新聞社との契約分の納入をもって終了」し、アフターサービスについても「最長でも2036年3月までに終了」するとしています。
この発表文の意味するところは、新聞発行部数が減り続けて印刷需要がもっと乏しくなることを見据え、「輪転機製造ではもうからない」から11年後の2036年には「紙の新聞」を見放す、ということでしょうかね。
「輪転機」になおもこだわる「読売」
ただ、輪転機のもう1つの大手メーカー、(株)東京機械製作所(本社:東京都港区)は、今後も輪転機の開発を続けていく、と表明しています。
そりゃそうでしょう、東京機械製作所の筆頭株主は「読売新聞東京本社」で、持ち株比率は25%ですから。
それを裏付けるように、2025年3月3日、読売新聞東京本社と宮崎日日新聞社との「3社」で共同開発してきた「新輪転機」が完成した、と発表しました。
この新輪転機は、従来のようなメーカー主導ではなく、使う新聞社側の意見を取り入れて製造したとのこと。
読売は2026年6月ごろに開設予定の「習志野工場」(千葉県習志野市)に、新輪転機2セット導入する計画のようです。
宮崎日日新聞社は、読売新聞が宮崎県全域と鹿児島県の大半の地域に配達する朝刊の印刷を、数年前から委託されています。
共産党、「赤旗」読者減で「10億円」寄付募集中 (4月29日 追記)
共産党は「しんぶん赤旗」の経営がとても厳しい局面にあるようです。応急措置として、10億円の支援金を支持者から募っているんですね。
共同通信社が2025年4月27日に加盟社に配信した記事で知りました。

「しんぶん赤旗」を置いている都内でも数少ない図書館、品川区立品川図書館で、古新聞をめくってみました。
共産党は2025年1月に「中央委員会総会」という会議を開いて「10億円の寄付を募る」ということを全会一致で決めていたんですね。
どういうことかといいますと――。
▼党の機関紙「しんぶん赤旗」は読者数の後退、諸経費の増大のため、発行の危機が切迫している。
▼日刊紙は年間10数億円の赤字であり、日曜版の読者数も後退が続いている。
▼「お願い」が2つある。1つは、現在日刊紙、日曜版、電子版合わせて80数万人の「赤旗」読者を100万人にできれば、発行を守ることができるので、知り合いに購読を勧めてほしい。
▼もう1つは、2025年1年間に、「10億円の寄付」をお願いしたい。日刊紙が年間で10数億円の赤字になっている事態を打開するための緊急措置として、10億円の募金が必要。

4月29日付の日刊紙を見ましたら、これまでに4億8325万円余りの寄付金が集まったらしいです。目標の5割です。すごい。
共産党の党員はおよそ25万人(2014年党大会)ですから、きまじめな党員の方が1人あたり2000円カンパしたんでしょうか。
ただ、「オールドメディア」と言われるように新聞界は落ちぶれてしまいましたが、マスメディアの世論調査の政党支持率では、共産党は新興勢力の「れいわ新選組」よりも低いんですね。
共産党は「2%前後」。100人のうち、たった2人ぐらいですよ。メディアは相手にしません。
なぜ有権者の支持が集まらないのか、毛嫌いされているのか――。
党内での議論の実情は知る由もありませんが、外に向かって発言した古参党員が党規違反だとして「除名」されているので、「ものを自由に言えない窮屈な党」だと思う人が多いんでしょうね。
党内で問題提起してもたぶん、発言が党内に封じ込められるんでしょう。
党の体質を変えないと展望が開けない、と思いますがね。
期待された田村委員長にしろ将来を嘱望される中堅の方にしろ、大企業を毛嫌いする決まりきった発言ではなく、人間臭さの出た、聞く人の心に触れる発言をしてくれるといいんですけど。
ムリだろうね。
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