
オールドメディアといわれるようになりましたが、新聞社の2025年3月期の決算をまとめました。
とはいっても、決算の数字を公表したのはごく一部の社に過ぎず、しかも数字についての解説はほとんどありません。
そんななかで公表資料をながめますと、社によっては当面、不動産関連事業で食いつなぎながらも、「紙」から「デジタル」に移行する過程で新規事業を産みだしたいとする前向きもうかがえます。
取りまとめた結果は以下の通りです。


≪調査メモ≫
【読売新聞】
●読売グループのうちの「新聞4社」(=グループ本社・東京本社・大阪本社・西部本社)のなかでは「東京本社」が好調。「新聞4社」の当期純利益68億円のうち66億円を稼いでいる。
●多角経営の読売グループの決算は、「新聞4社」に「読売巨人軍」「中央公論新社」「よみうりランド」の3社を加えた≪読売基幹7社≫をひとくくりにして概略を公表している。
【朝日新聞】
●朝日新聞社「単体」では、新聞販売部数の減少などで売上高は前年比【71億円】の減。営業利益も【14億円】の減。
有価証券報告書によると「朝日」は夕刊の発行を2024年4月から北海道で、10月からは福岡、山口、静岡で取りやめ。朝夕刊の販売部数の減少に伴って広告収入も減った。
●しかしながらグループの連結決算では「不動産事業」で賃貸物件への入居率が高いうえ、インバウンド需要でホテルも好調。「不動産事業」だけで84億6200万円の利益を出し、前年同期に比べて800万円(0.1%)の増益となっている。
●有価証券報告書で「優先的に対処すべき事業場の課題」は、「市場縮小が続くプリントメディア事業を中心とする事業構造から脱却し、新たな事業領域を開拓して着実に成長させていくこと」だとしている。
【日経新聞】
●販売収入は紙媒体の部数減が続いたが、「電子版」が好調のため全体としては増収となった。
●有価証券報告書によると、日経電子版の2024年12月の有料会員数は101万人。国内の有料のデジタルニュース媒体では、初めて100万人を突破した。
【毎日新聞】
●「毎日」と「産経」、それに「東京新聞」(中日新聞東京本社発行)の3紙は、2025年8月2日から≪土曜日の夕刊≫を止める。夕刊の全面廃止は時間の問題だろう。
●毎日新聞グループは「毎日新聞社」や「スポーツニッポン新聞社」「東日印刷」など計40社で構成する「毎日新聞グループホールディングス」の連結決算しか示さないため、新聞事業の損益の詳細は外から見えない。
【中日新聞社】
●売上高が【1000億円】を割り込んだ。44年前の数字にまで下がってしまったという。3期連続の減収。販売収入は、昨年秋に「東京新聞」の値上げをしたが、前年同期比で減収となった。
●業界情報によると、販売や広告収入が減り続ける一方で売り上げに貢献しているのが「その他収入」。愛知県長久手市に開設された「ジブリパーク」の業務受託収入、「聖教新聞」の愛知県内の配達受託増が主なものらしい。営業利益「62億円」はご立派というべきか。