
消えたJALのロゴマーク「鶴丸」 (2025年7月12日、格納庫で撮影)
民間航空機の大手メーカー2社といえば、アメリカのボーイング社と、ヨーロッパのフランス・ドイツ・スペイン・イタリアが共同で設立したエアバス社です。
JAL(日本航空)はこれまでボーイング社の機体をたくさん採用してきましたが、少しずつエアバス社に重心を移しています。
そうしたなかで2025年8月17日、エアバス社の「エアバスA350‐900型機」の新造機が羽田空港に到着しました。
「エアバスA350」はJALの新時代を担う主力機です。
その一方で、退役を始めているボーイング社の「ボーイング777‐300ER」の機体が、「鶴丸」のロゴマークを消された寂しい姿を間近で見てしまいました。
新たなJALの主力機と、役割を終えてアメリカの再就職先に向かった大型機の写真をアップしました。
目次
フランスからやってきた「新造機」
製造されたばかりの新品の飛行機を「新造機」といいます。車でいう「新車」です。
JALの国内線の主力機「エアバスA350‐900」の新造機が、組立工場のあるフランスから羽田に飛来したのは、8月17日でした。
JALが保有する「エアバスA350‐900」としては17機目です。
8月18日から機体の点検整備が行われていて、8月22日から国内線の沖縄、福岡、新千歳行きとして運航されます。
点検中の新造機のようす


前の日に着いたばかりの新品の「エアバスA350‐900」。(8月18日午前11時、JAL格納庫で撮影)

車のナンバープレートに当たる機体記号は【JA17XJ】。
機体記号の【JA】は「JAPAN」をあらわし、最後の【J】は「JAL」を示しています。

床から伸びているオレンジ色のホースは、エンジンの上にいる整備士のためのエアコン。





主翼の先端に取り付けられているウイングレットと呼ばれる小さな板の色が「赤色」というのがエアバスA350の特徴です。


「燃費の良さ」でボーイングからエアバスへ
JALは戦後間もない創業以来、アメリカのダグラスやボーイング社の機体を多く採用してきました。
ところが2020年の経営破綻を経た2013年秋、エアバス社の『A350』の導入を発表して業界関係者を驚かせました。
その最大の理由は、燃料効率が良いことでした。少ない燃料で長距離を飛行できるということ、それによってCO2排出量も減らせるというわけです。
JALは『エアバスA350』の大量発注を決断。国内線用にエアバスA350‐900を18機、それより胴体を7メートル長くした国際線用のエアバスA350‐1000を13機、それぞれ注文しました。
「エアバスA350‐900」は、2019年9月から国内線に就航。国際線にも2027年度から投入する計画です。
「エアバスA350‐1000」の方はボーイング777‐300ERの後継機で、2024年1月から国際線フラッグシップとして導入されています。
去り行く「トリプルセブン」
トリプルセブンは、ボーイング777‐300ERの愛称です。
JALは2004年以降、13機導入して、米国など長距離の国際線に使っていました。
しかしながら2024年8月、定期便からの退役が始まり、2025年5月末に2機目が退役して整備工場に入りました。


(2026年6月1日、JAL格納庫で撮影)。
ボーイング777‐300ERの「退役作業」のようす

トリプルセブン「機体番号:JA731J」の機体。
退役したトリプルセブンの「退役整備」のようすを2025年7月12日に撮影しました。

鶴のロゴマークが消えていました。・・・・・
この機体は2004年に運航を始めて、1万回以上飛びました。
2025年5月27日の上海発羽田行きが最後のフライトでした。
翌5月28日から退役整備が始まりました。
「退役整備」というのは、引退した機体を売却先に引き渡す前に行う整備作業のこと。エンジンの整備はもとより、機内の部品の取り外し、塗装のし直しなど行われるようです。
垂直尾翼の「鶴丸」も、胴体の「JAPAN AIRLINES」もはがされていました。白一色です。





機体の点検に2カ月かかり、退役したトリプルセブンは2025年8月4日夜、羽田空港A滑走路(ランウェイ16ライト)を離陸し、再就職先のアメリカに向かいました。
JALのボーイング777‐300ER(=トリプルセブン)は、残り11機。
いまサンフランシスコやソウルなどに飛んでいますが、数年後には見られなくなります。