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股関節に痛み
コロナ禍で2度目の緊急事態宣言が出される直前、登山で久しぶりに長い時間歩いたところ、下山途中で左側の股関節(こかんせつ)が痛くなりました。
なんでかなあ、と、パソコンでネットサーフィンしたり本をペラペラめくってみると、どうやら「腸腰筋(ちょうようきん」という筋肉の炎症かな、と思えてきました。
「軟骨」が原因ではないようだ
股関節は、脚と上半身をつなぐ関節です。大腿骨(だいたいこつ)という太ももの骨の丸い先端部が、骨盤のくぼみにはまるような造りになっています。
この股関節では、硬い骨同士が直接ぶつからないように、軟骨が骨の表面にあってクッションの役割をしています。が、軟骨がすり減ってしまうと骨と骨がぶつかって、股関節にひどい痛みがずーっと続きます。「変形性股関節症」という症状です。
日本人に多い症状らしく、私もコレかな、とふと思いました。
でも、下山した翌日には痛みを忘れたぐらいだから、違います。たぶん。
ところがその数日後に痛みが再発しました。ウオーキングを数時間した後でした。夜、床に就く時も痛みが走り、寝返りを打った時には痛くて目が覚めました。情けないことに、鎮痛消炎シップ剤の世話になりました。
腸腰筋の疲労が原因の痛み
腸腰筋の疲労が原因ではないか、というヒントをくれたのが、安藤真由子さんという方が監修したネット上の記事。安藤さんは冒険家の三浦雄一郎さんが代表を務めるミウラ・ドルフィンズのトレーナーです。
(上の図は、YAMA HACKの記事から引用させてもらいました)
腸腰筋は、上半身と下半身をつなぐ筋肉で、「腰椎(腰骨)」と、骨盤の前面を通った先の「大腿骨」をつなぐ筋肉の群れの総称。(上の図をみてください)
大腰筋(だいようきん)や腸骨筋(ちょうこつきん)という筋肉をまとめた名前です。いわゆるインナーマッスルの部類に入ります。
大腰筋は背骨の腰の部分からスタートして、太ももの内側まで延びる筋肉です。
腸骨筋は骨盤の内側からスタートして、太ももの内側まで延びています。
これら腸腰筋は、太ももを上げたり、股関節を回転させる時に使われています。
この腸腰筋のような、ふだん意識してひんぱんに使わない筋肉を、突如として長時間にわたって使いまくると、筋肉に傷がついて炎症を起こすようです。
突然の歩き過ぎが原因で、筋肉が疲れて痛くなった・・・と考えると、納得です。
筋肉痛のメカニズム
医薬品メーカーや医師のホームページには、「筋肉痛のメカニズム」などと題する情報が載っています。まとめると、下のような感じです。
・筋肉痛は、運動によって生じる筋肉の痛みのこと。
・筋肉は、筋線維(きんせんい)という細長いたくさんの細胞の束からできている。
・筋線維の束は、筋膜(きんまく)という薄い膜で覆われている。
・長時間歩いたりしてふだん使わない筋肉の伸び縮みを繰り返していると、筋線維に傷が付く。
・筋線維が傷つくと、その部分は腫れて痛みを感じる。これが「炎症」と呼ばれる症状。炎症を起こしている部分では、筋線維を修復するために血管が拡張して血流が増え、血管から免疫を担当する白血球など血液成分が組織ににじみ出て、筋肉の傷ついた部分に集まり、そこで死んだ細胞や細菌は取り除かれる。その一方で、新しい筋線維という細胞が増えて修復される。
・炎症は、けがや病原体からの感染から身体の組織を守るための防御反応であって、必ずしも悪いものではない。
・炎症が起こると、その炎症部分から「痛み」を産み出すブラジキニン、プロスタグランジンなどの刺激物質が出て、筋線維の束を覆っている筋膜を刺激する。
・筋膜には「痛み」を受け取る神経細胞の末端があり、痛みを受け取ったらその情報を電気信号に変換し、神経細胞を次々とリレーして脳に電気信号を送る。
・電気信号を受け取った脳は、そこで初めて「痛み」というものを感じる・・・。
・痛みや腫れがおきた直後の炎症は筋を修復するために必要で、痛み止めの薬(抗炎症薬)で炎症を完全に抑えると修復も遅くなることが知られている。ただ、炎症は長期間続くことはなく、痛みが長く続く場合は別の原因が考えられるためせ医師の診察を受けること。
こんな流れです。人体は不思議です。おもしろいです。
腸腰筋の力が弱いと、どんな不都合があるのか?
一番まずいのは、太ももを持ち上げる力が弱いために、つまずきやすくなること。それに、内臓の位置を正常に保てなくなるために、下っ腹がポッコリ出る、ということです。
腸腰筋をストレッチで鍛えよう
腸腰筋を鍛え、筋肉を柔らかくすることによって、筋肉疲労が起こりにくくしたいところです。
腸腰筋はトシをとるにつれて弱りやすく、硬くなっていくそうです。ですからふだんから、股関節を伸ばすストレッチをすることが大事なようです。
一例ですが、整形外科医の小林哲士さんという方が「治す!山の膝痛」というタイトルの本で膝痛について書いています。参考になる部分もありそうです。