3ヵ月ぶりに山に行ってきました。いつもと同じ神奈川県・丹沢の塔ノ岳(標高1491㍍)ですが、雲海(うんかい)を楽しむことができました。
「コロナ禍」で外出自粛、特に山行自粛ムードが続いているのか、いつもの年に比べて静かでした。
目次
雲海って?
高い山や飛行機の窓から下を見た時、雲が海のように広がって見える状態のことです。
北海道のリゾート施設「星野リゾート・トマム」が商業ベースで宣伝されていますが、富士山に登るとひんぱんに見ることができます。
丹沢・塔ノ岳への登山道のようす
塔ノ岳には、いつも標高291㍍の「大倉バス停」から大倉尾根を登ります。空を見上げると、すぐそこに雲がありました。
登った9月27日(日曜日)は曇り。標高600㍍あたりからガス(霧)が出てきました。地上から見ると、雲の中に入ったんですね。
モヤっとしたガスは標高1100㍍ぐらいまで続きました。
上の写真は、標高1300㍍の山小屋「花立山荘」前から撮った雲上の大山です。
幻想的な雰囲気を醸し出していました。
大山(標高1252㍍)は江戸時代には信仰の山として庶民に親しまれたそうです。いまは中腹までケーブルカーで登れることもあって、ファミリーや山歩きを始めたばかりの人に人気があるようです。
山頂はこのように快晴。気温は12度。無風です!
雲海ができる条件
雲海は、そんなに頻繁に、いつでもどこにでもできるものではありません。いろんな条件が重なった時に見られます。
決め手は2つ。空気中の水蒸気の量が増えることと、上空に暖かく乾燥した空気があること、この2つのようです。
雲は、空気中の水蒸気が水滴となってたくさん集まるとできます。
空気が含むことができる水蒸気の量は決まっています。その量は「温度」によって変わります。
温度が高いと、たくさん水蒸気を含むことができますが、温度が低いと、少ししか含むことができないのです。
だから空気は、雨上がりの湿った地面から水蒸気をいっぱいもらうと、受け入れ可能な限界を超えてしまうので、水蒸気は水滴となります。
雲は通常なら、上に向かって発達します。が、上空に暖かく乾燥した空気があると、それに抑えつけられて上に行けません。できた雲の天井は低くなり、横に広がって「雲海」となります。
この雲海ができるには、湿度が高いことが必要で、風がないということも大切です。周りを山で囲まれた盆地にできやすいようです。
少ない塔ノ岳登山者
日曜日だというのに、少ない登山者でした。「曇りのち雨」という天候予報のせいもあるでしょう。
ポピュラーな大倉尾根での一般登山者は20人から30人。これに横浜市の山の会の団体が30人ほど。ほかにトレランの若い人たちが30人ぐらいノボリオリしたでしょうか。トレランが年々、増えてきましたね。
登山中はマスクなし
マスクを登山中にする人はいません。3密(密閉・密集・密着)は、登山中は神経質にならなくてもいいでしょう。何よりも呼吸が苦しいです。
すれ違いの時には、できれば頭を下げる程度にしたいのですが、「こんにちは」「ちわ」「どうも」などとほとんどの人が従来通り、あいさつしていました。
丹沢のチャンプ~丹沢6701回目の畠山さんとすれ違う
丹沢には有名人がいます。畠山さんという方で、愛称は「チャンプ」。チャンピオンという単語を縮めたようですが。
雨の日も雪の日も、短パンと長靴姿で大倉尾根を歩いています。塔ノ岳の山頂にある山小屋「尊仏山荘」に、ふもとから物資の荷上げをボランティアでしているのです。「歩荷(ぼっか)」です。
「おはようございま~す。今日は何回目ですかあ?」。9月27日午前9時45分、標高1130㍍の戸沢分岐の上でチャンプが下ってくるのに気づき、声を掛けました。
するとチャンプは、「6700と1回」と答え、いつものように両手を高く掲げてVサインをつくってくれました。
6701回。すさまじい数字。私も20数年かけて290回目の塔ノ岳登山でしたが、チャンプの足元にも及ばない。
とにかくこの人の太ももは尋常ではない(上の写真)。鍛えぬいています。御年60数歳。神奈川県内で営む飲食店を開ける前の午前中に、歩荷のボランティアをしているようです。
ガスボンベを背負って大倉尾根を降りるチャンプ(2013年)