北穂高岳で味わう至福のひと時

観光旅行ではふつう行かない外国の風景、戦争遺跡、不思議な人体など見たり学んだことも備忘録として載せています。

山に想う~北穂高岳から奥穂高岳の岩稜縦走記録

 

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北アルプス涸沢カールのモルゲンロート(朝焼け) 

 (2015年10月7日午前6時撮影)

最高の景色です。写真右端は北穂高岳(標高3106㍍)山頂、左端は奥穂高岳(標高3190㍍)の斜面。写真真ん中の、槍ヶ岳に似たとがった山が涸沢槍(からさわやり)。涸沢槍の左側のボコボコしている岩山が涸沢岳(標高3110㍍)です。

ここを歩いた記録――

 

目次

 

 

 

北穂~涸沢岳~奥穂

 

 北ア穂高連峰北アルプスから涸沢岳を経て奥穂高岳に至るルートは、難易度が高いルートです。

 

 私も3回、通りました。岩稜の登り下りが続き、緊張を強いられました。

 

 10数年前からは臆病になって、ここは歩いていません。もっぱら標高2300メートルの涸沢テント場を拠点にして、北穂高岳に登って同じルートでテントに戻ったり、別の年には奥穂高岳をピークハントするというスタイルで山を楽しんできました。

 

 「新型コロナ」の感染者が減る兆しはありません。自分が感染しているかもしれません。救助隊の世話になるかもしれないような難所の縦走は、もうやってはいけないね、というわけで、昔の資料の整理をしました。

 

 

夏山 ≪2006年8月16日≫ (このルート最終回)

 単独行です。涸沢に前日、テントを張って、1日で涸沢テント場⇒北穂高岳涸沢岳奥穂高岳⇒涸沢テント場、と周遊しました。

 

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涸沢テント場の朝。5時30分、北穂に向けて登山開始。

 

 

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北穂高岳山頂からの大キレットの眺めがたいへんすばらしい。

 

 

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北穂高岳山頂から少し涸沢方向に戻ったところが、涸沢岳奥穂高岳への縦走路。気を引き締めていきます。

 標識には奥穂まで「2.3キロ」と書いてありますが、近いようで遠いです。

 北穂・南峰の稜線から縦走路を見ると、目の前にそびえるのが滝谷ドーム。このドーム中央稜はクライミングの人気ルートだそうです。(午前8時10分)

 

 

 

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滝谷ドームの左側、涸沢側を巻いて下ります。長いクサリ場があります。

 

 

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振り向いた時の滝谷ドーム。

 

 

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滝谷側の岩稜を慎重に進みます。

 

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目と鼻の先の平地が「最低コル」。北穂高岳涸沢岳の中間地点で「涸沢のコル」とも呼ばれます。

 

 

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最低コルに立つ標識。

 

 

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最低コルから涸沢ヒュッテが見えました。正面のデンとした山は前穂高岳です。(午前10時10分)

 

 

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正面に「ハシゴ」が見えてきました。涸沢テント場から見ると、槍ヶ岳のようにとがって見える「涸沢槍」です。

 

 

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涸沢槍の中腹に取り付けられたハシゴ。ハシゴを上りきったら右手に回って滝谷側を登っていきます。このハシゴの左側は、スパッと切れています。怖いところです。(午前10時27分)

 

 

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涸沢側に出て、こんなクサリが付いている足場の悪いところをひたすら登ります。リンドウの花でしょうか、ホッとします。(午前10時32分)

 

 

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こんな急な斜面を降り切ったところが「D沢のコル」と呼ばれるところ。(午前10時36分)

 

 

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「D沢のコル」から見下ろした涸沢カール。雪渓の向こうにボケて見えるのが涸沢ヒュッテ。

 

  

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急斜面で足場がないため岩に金属の棒がねじ込まれていて、そこに足を乗せてよじ登ります。(午前10時58分)

 

 

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涸沢岳の稜線。(午前11時)

 

 

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登ってくる登山者のアタマが見えます。涸沢岳稜線まで最後のクサリを10メートルほど登ります。

 

 

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 涸沢岳山頂から「白出しのコル」に立つ穂高岳山荘を見下ろした写真。正面にそびえるのは奥穂高岳。(午前11時06分)

 

 

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奥穂高岳の山頂。(午後0時38分)

 

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残雪期 ≪2004年5月2日≫ 2回目

 残雪期のホタカです。気分は最高。稜線が吹雪になる時もありますが・・・。

 当時いた社会人山岳会のメンバー4人で歩きました。クライミングのベテラン3人と、そうではない中年の私。

 

(手元に残っているメモから)

▼午前5時05分、涸沢テント場出発。

▼午前7時40分、北穂(北峰)山頂に立つ。雪景色を満喫。

午前9時すぎ、北穂(南峰)稜線に立つ

▼午前9時30分、滝谷ドームを回り込んだ先の、滝谷側クサリ場。最初の難関。岩に打ち込まれた鉄の杭をつかみながら15㍍下る。12本歯アイゼンの爪を岩に引っ掛けて転倒・滑落しないよう3点確保を徹底。下は、「鳥も通わぬ滝谷」と、著名な山案内人・上條嘉門次が表現した、もろい岩肌の急斜面の岩場だ。

▼午前10時、滝谷側で、凍った急斜面が眼前にあった。「奥壁バンド」という200㍍ほどの切れ落ちた斜面だろうか。凍てついた雪が岩に張り付いている。滑ったら、「THE END」。終わりだ。「ロープをフィックスしようか」という話になった。リーダーがザックからザイルを取り出して、ハーネスに着けて雪で凍った斜面をトラバース。それをサブリーダーがエイト環を使って(安全)確保。岩と岩の間で固定ロープを張り、私ともう一人がカラビナをロープに引っ掛けてトラバースした。(下の写真)

 

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 急斜面に固定ロープを張って通過しました。ちなみに、昨今は「エイト環」ではなく、「ATC」を使うのが一般的。

 

 

▼午前11時、「最低コル」に到着。

▼午前11時38分、「ハシゴ」を通過。(下の写真)

 

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この時、周りはガスに包まれていたため、左下の恐ろしい絶壁は見えず、恐怖感はありませんでした。

 

 

▼午後0時30分、涸沢岳に立つ。あとはゆったり。

▼午後1時50分、奥穂高岳山頂。

▼午後3時40分、テント場に戻る。

 

 

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秋山 ≪2000年9月16日≫ 初めて

 初めての北穂~涸沢岳~奥穂の稜線歩きでした。

 社会人山岳会に入る前のことで、山岳ガイド協会が主催した縦走登山教室でした。

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北穂高岳の山頂

 

 写真を見ると、皆さん大きなザックを背負って北穂から奥穂に向かっています。

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天候は悪く、猛烈な風。滝谷ドームに向かう時、鋭角の稜線で腰を落として岩にしがみつきながら進んだことを覚えています。(上の写真)

 

 

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難所の「ハシゴ」はこの時、新品でした。この2年前の1998年に上高地群発地震がありましたが、その後に取りつけたと想像します。

 

 

 この登山教室の時、別のグループで前穂高岳北尾根をクライミングした参加者(東京の教員)が上高地に下山途中、重太郎新道で転倒・滑落して死亡する事故が起こりました。ご冥福をお祈りします。