2024年4月22日(火曜日)の夜、泊まる宿はどこにしようかな・・・。
指標は、①源泉かけ流しの湯であること ②宿泊料が1泊2食付きで1人当たり1万数千円以下であること ③函館からそんなに遠くないところ
ネットで検索したところ、函館市内の【KKRはこだて】に目が止まりました。
目次
泊まった宿『KKRはこだて』のこと
「KKR」というのは、国家公務員共済組合連合会の略称でした。
「KKRはこだて」はその直営施設で、函館市の湯の川地区にある「保養所」という位置づけでした。
さすがお役所だね、とイヤミの一つでも言いたくなりますが、安く泊まることができればこの際、どこでもよい。
国家公務員とそのOBが有資格者ですが、そうではない地方公務員・OBや一般の人も、やや料金が高くなりますが利用できました。
数十年前に建てられた旅館が前身で、日本庭園もあったとか。1996年にいまのように施設が整ったらしいです。
温泉
札幌からJRで函館に着いて、とりあえずチェックインするや否や、ドボン。
湯船は広くないです。
しかしながらここの風呂は、浴槽に常に新しい温泉を(写真右上から)注入し、(写真左上のすみから)古いお湯を溢流させる源泉かけ流しです。
湯の川温泉でも大浴場や個室の露天風呂が上の階にある大きなホテルは、ポンプを使ってお湯を循環・ろ過していますが、ここは数少ない源泉かけ流しでした。
温泉分析書と別表(試験年月=令和4年9月15日)です。
★源泉名:湯川3丁目1号井~4号井 源泉混合
★湧出地:函館市湯川町3-1
※「KKRはこだて」から300㍍ほど離れた海沿いの函館市熱帯植物園周辺です。
★湧出地での泉温:63.8度
★知覚的試験:無色透明、微塩味、無臭
★PH値:7.2
★泉質:ナトリウム・カルシウムー塩化物泉
お湯は少し熱めでした。43度か44度くらいかな?
張り紙に、適当に水を注いで入りやすくしてくださいという趣旨のことが書いてありました。
昭和10年ごろの電停「湯の川」あたりの風景。食堂やダンゴ屋が軒を連ね、客でにぎわっていたそうです。
湯の川温泉の「湯の川」の語源は、アイヌ語の「ユペッ」からきているそうです。アイヌ語の「ユ」は「お湯」、「ペッ」は「川」。「ユペッ=湯の川」というわけです。
江戸時代の文書に「湯の川温泉」に触れた資料があるようですが、明治時代になってから井戸掘り業者によって温泉がドンドン掘られ、温泉旅館が次々とできたらしいです。
現在は源泉が22本あり、このうち個人所有が13本、函館市が所有し管理している源泉が9本ということです。
料理
さて、料理です。
予約したプランは1泊2日で朝夕食付。1人当たり16800円という「海の幸御前」です。
以下、夕食のメニュー。
【先付】 いかなめろう、浅葱(あさぎ=ネギ)、ショウガ
【前菜】 ホタテとあおさのユズ胡麻和え、そら豆密煮、小アユ甘露煮、ユバ西京焼き、クルミのユズ流し、いぶりがっこチーズ
【御造り】 国産オオバチマグロ、噴火湾産のホタテ、函館産サーモン、天然アマエビ
【御鍋物】 ハンガリー産ミュラー鴨のしゃぶしゃぶ、野菜・ポン酢・薬味
【御焼物】 函館産サクラマス西京焼き、キャラわさび、宇治抹茶チャキン、はじかみ(しょうが)
【合肴】 北海道産の真イカそうめん (美味だし・薬味)
【御揚物】 北海道産ズワイガニの天ぷら、シシトウ、カニミソソース、天然塩
【御食事】 釜めし、香(こう)の物(=つけもの)
釜めしは、お米に水を入れて20分炊いて、さらに5分ぐらい蒸してから食べるという、昔ながらのご飯でした。お釜の底をしゃもじでひっくり返すと、お焦げ(おこげ)が出てきました。
愛知県の片田舎で過ごした子どものころ、おばあさんがマキでたいてくれたご飯を食べていた時代を思い出しました。
【御水菓子】 季節の果物
おいしい料理ばかりでしたが、「お焦げ」がいちばん、口に合いましたよ。
こちらは朝食。まあ、こんなもんでしょう。