本沢温泉の野天風呂(2023年10月4日午後2時5分撮影)
八ヶ岳の「秘湯」2ヶ所を2023年10月4日から6日まで、はしごで楽しんできました。
標高2150メートルという日本でいちばん高いところにある本沢(ほんざわ)温泉の「野天風呂」と、東天狗岳(標高2640メートル)を越えた反対側にある唐沢(からさわ)鉱泉です。
例年なら紅葉に歓迎される時期ですが、待ち受けていたのは悪天候。すさまじい風と濃い霧(=登山では「ガス」と言います)に歓迎されてしまいました。
目次
- 当初の計画は?
- 実際に歩いたルートとコースタイム(10月5日)
- 10月4日(水曜日)
- 本沢温泉の野天風呂まで歩くこと3時間
- 今宵の1泊2食付きの宿泊者は私のみ
- 内湯は源泉が別
- 食事の話
- 朝食の合図は「トランペット」
当初の計画は?
★本沢温泉~夏沢峠~硫黄岳~夏沢峠~箕冠山~根石岳山荘前~根石岳(上の図の右上部分)~東天狗岳(上の図の最上部)~西天狗岳~唐沢鉱泉(泊)
実際に歩いたルートとコースタイム(10月5日)
★6:18本沢温泉を出発~7:19夏沢峠~(硫黄岳を目指したが途中で強風と濃いガスのため登頂を断念)~8:22夏沢峠~9:09箕冠山~9:27根石岳山荘(軒先で強風の様子見。ルート変更を決断。10:07出発)~10:16根石岳~10:57東天狗岳~12:33中山峠~12:43黒百合ヒュッテ~14:01唐沢鉱泉・渋の湯分岐~15:27唐沢鉱泉着
(歩行時間約9時間=休憩含む)
10月4日(水曜日)
本沢温泉の野天風呂まで歩くこと3時間
9:38 JR小海駅発(町営バス)
10:25 「みどり池入口」下車
ゲートを越えたところに、登山計画書入れがありました。
樹林帯の登山道。いい雰囲気。
歩き始めてしばらくすると、下山してきた男女に会いました。
「あいにくの天気になりましたねえ、いま小屋を閉めてきましたよ」と男性。この先にあるしらびそ小屋のご主人でした。
「私の先を、何人か歩いていますかねえ」と聞いてみますと、「だれにも会いませんでしたよ。こんな日は、多分いないでしょう。アハハ」と、明るい声が返ってきました。まあそうかもしれませんね。
12:00「しらびそ小屋」。水曜日と木曜日が定休日。きょうは水曜日ですので、先ほどの夫婦は宿泊客を送り出して下山途中のようです。
もうじき本沢温泉。
13:44 本沢温泉に到着。
所在地は、長野県南佐久郡南牧村。木造2階建ての山小屋で通年営業。自家発電しており、消灯は午後8時。
創業は明治15年(1882年)。141年前。本沢温泉の初代は、八ヶ岳に「夏沢峠」を開通させて硫黄岳のほとりにわく温泉を開拓すれば人が集まる・・・と読んで、野天の湯船を組み、旅人を迎えたそうです。
チェックインの前に、ウワサの野天風呂を見に行きました。
山小屋から緩やかな坂を登ること10分。登山道から少し横に入ったガケの斜面を横切っていくと、目の前に、ポツンと整備された湯船が現われました。
何とも言いようのないロケーションです。
これが一度入って見たかった野天風呂です。
白く濁っていますね。源泉はこの浴槽の腰を掛ける部分(=濁っていて見えませんが)に自然に湧き出しているという話です。
ここは「八ヶ岳」を形成する硫黄岳(標高2760メートル)の中腹、標高2150メートルにわく秘湯。
爆裂火口と呼ばれている硫黄岳の断崖絶壁を、天気がよければ仰ぎ見ることができるんですが残念でした。
小屋にチェックイン後、1人でゆったり「源泉かけ流し」の湯につかりました。
「混浴」で脱衣所はありません。
私が出たあと、テント泊の男女にすれ違いましたが、女性は基本的に水着で入るそうです。
道端の看板に、野天風呂の説明が書かれていました。
●源泉名: 本沢温泉・野天風呂
●泉質(=成分による温泉の区分): 酸性ー含硫黄ーカルシウム・マグネシウムー硫酸塩泉
(注)温泉の陽イオンの主成分はカルシウムイオンとマグネシウムイオン、陰イオンの主成分は硫酸イオン、という意味)
●泉温: 40.8℃(測定時の気温20℃)
●温泉分析年月日: 平成23年(2011年)7月4日
●分析者: 長野県薬剤師会
●「加水、加温、循環装置の使用、入浴剤の添加、消毒処理は一切しておりません。」
●「飲用 できません。」
今宵の1泊2食付きの宿泊者は私のみ
山小屋の中に今晩泊るのは、私だけだそうで。(テント泊は2組いる気配)
案内されたのは、新館の個室。1泊2食付きで1万2000円。一番高い部屋だったようです。
内湯は源泉が別
肝心の温泉ですが、「野天風呂」とは別に、小屋の中にも「内湯」がありました。
お湯は、赤褐色をしていました。
温泉の説明書きが脱衣所に張ってありました。
●源泉名: 本沢温泉・内湯
●泉質: ナトリウム・カルシウムー硫酸塩泉・炭酸水素塩泉
(注)温泉水の陽イオンの主成分はナトリウムイオンとカルシウムイオン、陰イオンの主成分は硫酸イオンと炭酸水素イオン、という意味)
●泉温: 53.1℃(測定時の気温20℃)
●温泉分析年月日: 平成23年7月14日
●分析者: 長野県薬剤師会
●「加水、加温、循環装置の使用、入浴剤の添加、消毒処理は一切しておりません。」
「シャクナゲの湯」。本館や新館から少し離れたところにある「外湯」です。
この建物の横に温泉が湧き出る井戸があり、「内湯」までパイプで湯を引き込んでいますが、冬の間は源泉の横のこの「シャクナゲの湯」の浴槽を使っているそうです。
食事の話
夕食は午後5時半から食堂でいただきます。私だけですが。
山の中ですからね。ごちそうです。
部屋に戻って、缶ビール(小)。600円しました。
これは翌日の朝食です。ソーセージがありました。
朝食の合図は「トランペット」
10月5日の朝食は5時30分からですが、その5分ぐらい前にトランペットの演奏が1分間ほどありました。
テープでも流しているのかなあと思いましたが、食事の準備ができたことを知らせる「生演奏」でした。
演奏していたのは、従業員の「ナツミさん」という若い女性。曲名を本人に聞くと「ハトと少年」で、「天空の城ラピュタ」というアニメーション映画の中の曲だそうです。
早朝に、さわやかな気分になりました。