北穂高岳で味わう至福のひと時

標高3000㍍の北アルプスに登っていたころの写真記録、国内外の旅行、反戦平和への思いなどを備忘録として載せています。

丹沢のウワサの山小屋「鍋割山荘」でウワサの「鍋焼きうどん」を食べた

 

 「鍋焼きうどん」が評判の丹沢の山小屋「鍋割(なべわり)山荘」2023年4月2日(日曜日)に、お邪魔して、初めて「鍋焼きうどん」なるものを食べました。

 

 同じ「丹沢」でも、塔ノ岳(標高1491㍍)には大倉尾根ルートで300回以上登っているのですが、「鍋割山荘」を、大倉尾根ではない「西山林道」経由で目指したのは、実に20数年ぶりのことでした。

 

 以下は、「鍋焼きうどん」を食べた体験記です。かしこまって書くような話ではございませんが・・・。

 

 

目次

 

 

 

小屋番は「歩荷」の達人・草野さん

 山小屋「鍋割山荘」です。「鍋焼きうどん」注文の順番待ちの様子。

 

 

 鍋割山荘は、鍋割山(なべわりやま)という標高1272㍍の山の頂に建っています。

 

 小屋番と呼ばれる山小屋の管理人は、草野延孝(のぶたか)さん。1948年10月生まれで、おん年、74歳高知大学の学生の時、山岳部に入って脚力や精神力を鍛えた方で、1976年4月から鍋割山荘の管理人をしています。

 いまでも毎日のように、「歩荷(ぼっか)」で重さが40㌔近い食材や資材を、林道の終点から小屋まで担ぎ上げているんです。

 

 「歩荷(ぼっか)」というのは、背中の背負子(しょいこ)に、ダンボール箱やガスボンベなどを山積みにして歩いている人のこと。山小屋に食料や燃料、登山記念品などを歩いて届けているのですが、うしろからみると、荷物が歩いているように見えることから、そうよばれるようになったとか。

 

 草野さんは50代までは100㌔近い荷物を歩荷することもあった、知る人ぞ知る山の達人なんです。

 

 

 

具がたっぷりでホッカホカの「鍋焼きうどん」

 「鍋割山荘」の名物といわれている鍋焼きうどんですが、食事のメニューはこれ1点だけなんですね。どこにでもあるようなカレーライスすらありません。

 

 肝心の鍋焼きうどんですが、「土鍋」の中は、「うどん」のうえに、「油揚げ」「ナメコ・シメジ・シイタケなどキノコ類」「ネギ」「ほうれん草」「なると」「カボチャの天ぷら」そして生卵を割ってポトリ。具がたっぷりで、めんが隠れています。

 

 味は、並みです。(好みがあるでしょうが)。ただ、一生懸命歩いてきて、ここで食べる鍋焼きうどんには満足です。実際、私も、花粉症でくしゃみをしたり鼻をすすりながら、アツアツのうどんや具を口に運んで、体があったまりましたわ。

 

 

値上げをして今は1500円

 鍋割山荘は2019年から、大晦日を除いて「宿泊ナシ」の経営になっているそうです。しかも、週2日、月曜と金曜は休み。名物の鍋焼きうどんの値段1200円から1500円に値上げしたとのことです。

 

 理由は、「70歳」を過ぎた小屋番の体力の低下・・・。若い時には100㌔以上の歩荷をしても、年にはかないませんね。食材を担ぎ上げるために雇った歩荷さんの人件費をねん出するためのようですね。

 

 

日曜日には登山者の7割が「鍋焼き」を注文!

 鍋焼きうどんは、小屋の中では食べることができずに、外のベンチや芝生の上で食べることになっています。「コロナ禍」ですね。

 

 注文する場合は、まずザックをベンチのわきあたりに置いてから、小屋の入り口に横一列で並びます。行列が時々、できます。すると、小屋のバイト君が「1つですか?」と注文する数を聞きにきます。

 

 

 客は小屋には入れません。「鍋焼きうどん」ができあがると、バイト君に1500円手渡した後、入口から入った左わきに置かれた「鍋焼き」をオボンごと自分で持って外に出る。食べ終わった後は、「ごちそうさま」というかどうかは別にして、小屋に入ってすぐ右手のスペースにおいて去る、という段取りです。

 

 鍋割山に登る人は、「登山」というよりも、これを食べることを目当てに登ってくr人が多いようで、この日も1時間ほど見ていると、登山者の7割ぐらいが注文していました。驚くばかりですわ。

 

 

午後1時には営業終了!

 日々の食材が何人分かは知りません。

 でも、ホームページには

「営業時間は火・水・木は午前11時から、また土・日・祝日は午前10時からですが、鍋焼きうどんが売り切れ次第、営業自体を終了します。オーダーストップは遅い場合でも午後1時。悪天候の日は休業または時間短縮」

と書いてあります。

 

 年間5万人が登るといわれる鍋割山です。晴天の土曜や日曜には100杯から200杯ぐらい作っているのではないでしょうかね。

 

  

 

「水運び」を登山者が支えている珍しい山小屋

 山小屋の入り口にある、ボランティアが担ぎ上げてくれた「ペットボトル置き場」。

 

 小屋の近くに水場がない鍋割山荘です。営業に必要な「水」は、小屋番やバイト君がふもとから担ぎ上げますが、ボランティアで一般の登山者も運んでいる、というのも、恵まれた小屋です。

 

 

 

飲料水の入ったペットボトルの山

 西山林道の終点には、水道水が入ったペットボトルが置いてありました。看板には、こう書かれています。

 

 

 「鍋割山荘で使用する水道水です!!

 このペットボトルは鍋割山荘が用意した水道水で、

ボランティアで運んでいただくために置いてあります。

山荘経由で体力に余裕のある方、

ボランティア精神旺盛な方はご協力お願いします。

この水は山荘で使う大切な滅菌された水で、

山荘では水場がないのですべて運び上げています。

沢の水は山荘では使用しません。

衛生×××(判読不能)×××には使用しません。

 

 

 

「歩荷」に優しい段差の小さい登山道

 実は、私が今回、20数年ぶりに鍋割山荘を目指したきっかけは、NHKの山登り番組で、鍋割山荘に行くルートは「歩荷さんが歩きやすいように登山道に工夫がなされているんです」なんていう宣伝があったので、じゃあちょっと行ってみようか、ついでに鍋焼きうどんも食べてみよう、となった次第なんです。

 

 実際、歩きやすい登山道でした。ステップが小幅に切ってあるので、疲れが少ないんです。

 

 

 

 こんな具合に、登山道の木の階段は、丸太を横に置いて階段を造りますが、場所によっては段差が大きなところがあります。

 そうした場所には、草野さんら丹沢山小屋組合の皆さん「輪切りにした背丈の低い丸太」や「コンクリートブロック」を置いて、ステップを低くしてがんじょうに足場を作ってくれているのです。

 

 実際、私は汗をそれほどかくこともなく、楽に山荘に着くことができました。

 

 

 こんな感じです。ありがたいことです。

 

 

 

 

今回のコースタイム(備忘録としての記録)

ザックの重さ(容量40㍑) 10㌔程度

 

7:55 「大倉バス停」出発。写真左上に進みます。

 

 「西山新道」を目指します。

 

 途中、シカの侵入防止ネットあり、外して通り抜けます。

 

 「二俣」方面へ。

 

 

 「西山林道」。

 

 表示板が多いため、迷うことはまずありません。

 

 

9:00 「二俣」に到着。

 

 「二俣」((写真右下)から西に進んで、「後沢乗越」を目指します。

 

 沢を、こちらがわに渡ります。

 

 ロープがありますが、またいで進みます。

 

 

 

 

 ここはスギやヒノキが多いとか。花粉が飛びまくっていますな。

 

 ここは「本沢」。もうじき林道の終点です。

 

9:25  西山林道の終点「鍋割山荘」の車が止めてありました。

 

 

 

 

 

 

 

9:50 後沢乗越(うしろざわのっこし)に、やっと出ました。

 

 「後沢乗越」(写真左下)から、北の「鍋割山」に向けてひたすら登ります。

 

 ここから急な登りが続きます。

 

 

 

 

 

 

 

10:50 鍋割山荘に到着。

 

 鍋割山の山頂です。鍋割山荘の横ですが。

 

11:35 鍋割山荘を出て「金冷やし」経由で「塔ノ岳」に向かいました。

 

 

 やせたブナの木々。

 

12:00 「小丸」通過。

 

12:11 小丸尾根分岐を通過。

 

 「小丸尾根分岐」からは、「小丸尾根」を経て「二俣」に出るルートがあるのですが、道迷いによる遭難があるようで、注意を促す看板あり。ここは通過しました。

 

 

12:27 「大丸」を通過。

 

 

12:27 「金冷やし」に到着。大倉尾根との合流点です。

 

 

12:53 塔ノ岳に到着。

 

 

13:11 塔ノ岳を出発して、下山します。



 

15:40 「大倉バス停」に戻りました。

 

 

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