北穂高岳で味わう至福のひと時

標高3000㍍の北アルプスに登っていたころの写真記録、国内外の旅行、反戦平和への思いなどを備忘録として載せています。

共産党の新党首・田村智子さんの挑戦;日本記者クラブで会見

 

 2024年1月に開かれた日本共産党の党大会で、「委員長」に就任した田村智子(たむらともこ)参院議員3月19日、東京都千代田区の日本記者クラブで会見しました。

 

 23年ぶりの「党の顔」の交代。共産党初の女性党首は、どういうかじ取りをしていくのか――。田村委員長から30分間ほど政策の話を聞いた後、記者OBたちは「党の体質」を中心に質問しました。

 

 田村委員長からは、これからも民主集中制」という共産党の組織原則を堅持する、というゆるぎない決意が示されました。

 従来からのこの党の政治路線は、「党の顔」が変わっても変わらないようですね。

 

 以下、主な一問一答です。

 

 

 

【質問】

機関紙「しんぶん赤旗」の読者減や党員の高齢化を考えると、リベラルとか社会民主主義のような、もう少し「右」にウイングを広げていかないと支持が集まらないのではないですか?

 

【答え】

日本共産党が支持層を広げ強く大きくなるうえで、「右」の方にというご質問ですが、私は逆に、「左」のところを輝かせるのが私の仕事だと思っています。

1月の党大会では、若い人に共産党に入ってもらうには、むしろ社会主義共産主義の魅力を伝えようということも押し出したんですね。旧ソ連、東欧の国々、中国も、発達した資本主義国を経ていない改革でした。社会主義とは無縁の国づくりになっていった。

 

 

【質問】

党大会で民主集中制という組織原則について議論されていますが、民主集中制党外の人には共産党は怖い」というイメージを与えているのではないか、と思うのですが、どうお考えですか?

 

【答え】

「党内民主主義を尽くす」ということが、民主集中制の柱なんですよ。民主的な議論を(党内で)徹底的に尽くす。疑問に思っていることを出し合って、議論する。そして、多数決で決めたことはみんなで実行するけれど、「保留」する権利を認めていることもすごいなと思うんです。保留したからといって、党から排除されない

「怖い」というイメージは、決定したことをみんなで実行するということが、自分を押し殺しているんじゃないか、自由ではなくなるんじゃないか、と思われるようですが、保留する権利があって党内で議論できるというところは、すごいと思います。

 

 

【質問】

党員投票による党首公選の実施を求めて本を出した古参党員松竹伸幸氏)を、共産党除名しました。その結果、少なからぬ有権者は「自由にモノを言えない閉鎖的な党」と思っています。党をいま以上にオープンにする考えがあるかどうか?

 

【関連質問】

党大会で、松竹氏の除名処分について「問題は『出版した』ことよりも『除名処分を行った』ことが問題だ」と、代議員の大山奈々子神奈川県議団長が発言した。それに対して、当時、副委員長の田村さんが「党外の人が言っていることのみをもって処分が問題と断じるのは、あまりに党員としての主体性を欠き、誠実さを欠く発言だと言わなければならない」とおっしゃいました。そういう発言は、異論を許さない党ではないかと思われますが。

 

【答え】

松竹氏の件は、重大な規約違反を行ったものを、規約に基づいて対応したものです。問題は、規約に基づかない党の外からいきなりの出版で、規約に対する攻撃を行って、党の外に議論を呼びかけて党を変えようという、まさに『撹乱(かくらん』なんです。そういう人物を置いておけば、私たちの党を内側から壊すようなことになりかねないわけです。外から呼び込もうとするやり方ですから。これは規約に基づいて除名したことは、ルールに従ったやり方だと思います。

そして、そのことについて(代議員から)発言があって、「除名は問題ではないか」という発言があった。しかし、発言者の発言の中身に重大な問題や誤りがあれば、(発言者には)批判を受けて吟味してもらって、そして成長してくだいよ、という立場での批判だ、ということも付け加えたいと思います。

 

【質問】

共産党の支持率はなぜ上がってこないのか、考えを聞かせてください。

 

【答え】

いま、政策も党の姿も、伝えることが圧倒的に足りていないというのが、一番の私の思いです。特に、若い人たちはテレビも見ない、新聞も読まないという時代になっていて、SNSを含めて日本共産党を知らせる活動を独自の努力でもっとしていかなければならないと思います。

 

 

【質問】

以前、よく言われた(革命が平和的となるか非平和的となるかは敵の出方によるという)「敵の出方」論は、3年前に当時の志位和夫委員長がこれからはそういう言葉は使わないと言いましたが、田村さんも同じですね。そこでお尋ねするのは、共産党が参加する政権ができようとする時に、例えばナチスの軍事組織の突撃隊のような暴力装置を使った妨害がある場合、どう対応するのでしょうか

 

【答え】

私たちが目指す民主主義革命が実現する時には、国民の多数の自覚的な意思がなければできない。私たちが世論に呼び掛けるというよりも、国民の皆さんが(民主的な)この政権を守らなければならないという圧倒的な世論がなければ政権交代は実現できないと思います。その時に、例えばですよ、警察や自衛隊が全部、市民に銃を向けるのか。なかなか想定しにくい。

 

 

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