北穂高岳で味わう至福のひと時

穂高連峰や丹沢を歩いて20年余り。見たこと学んだことを備忘録として書いています。

危険な場所の歩き方~①岩場の通過

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北穂高岳から奥穂高岳への やせた岩稜  ~9月~

3点確保

  山登りを始めたころ、通った登山学校で覚えた技術です。サンテンカクホ。20年過ぎた今もこのテクニックを実践しています。

 岩登りをする時の基本的な考え方は、「手で登らず、脚で登る」といスタイルです。まあ実際は、手を全く使わないわけにはいきませんが。

 基本は「3点確保」。両手両足を4つの支点と考え、3点は常に岩にくっつき、1点のみ動かして移動する、という方法です。例えば、登りで右脚を持ち上げる場合、左足と両手の3つを支点にして体を確保します。くどいですが、基本は「脚で登る」。手は補助です。

 

岩場の登り

   まず、体の上半身つまり上体を立て、岩場の登りの終わる地点まで全体を見て、登るルートを決めます。これをルートファインディングといいます。岩場の登りやすい道順をさがす作業です。

 次に、足の第一歩を置く位置を決め、靴を載せて脚で登ります。この時に大事なのは、「脚で立つ」ということ。手はあくまで姿勢を保つために添えるだけ、ということです。

 そして、先生からよく指導されたのは、「体の軸をつくる」ということ。この軸は、一方の脚に全体重を乗せ、もう一方の脚は、次の足置き場をさがすために浮いているような状態になります。

 そして上に登っていくために、体の軸を移動させます。具体的には、例えば左脚で軸をつくった場合、次の行動のために右脚を上げ、そして、新たに足を置いた右脚に重心を移す。この体重移動が上手にできるようになりますと、楽に岩登りができます。

 

登山靴の置き方

 流行のフリークライミングと違って、靴底が硬い登山靴の場合、「つまさき立ち」が基本です。全体重を支える軸足の靴は、岩に対して正面に置きます。「正対」です。

 

手を置く位置

  岩場に向き合うと、早く上にいきたくなるせいか、腕をついつい上に伸ばし、高い位置にあるでっぱりをつかみたくなります。しかし、それでは体が伸びきってしまい、脚の移動、つまり体重移動がしにくくなります。

 ですから、少なくとも初心者のうちは、胸の位置で手がかりを探しなさい、と教わりました。それで間違いないと今でも思っています。

 

急な岩場での下り方

  岩場の下り方には、前向きと後ろ向きの2通りあります。

 段差が大きな岩場の下りでは、しゃがみこむ方法がよいと考えます。両方の膝を折り曲げて腰を落とし、岩に手を置いて体を支えながら、片脚を下に出す方法です。 

 また、斜面が急な岩場の場合には、体の正面を岩に向け、後ろ向きで下りる方法もあります。上体を岩から離し、両手で岩をつかむのがポイントです。高度感からついつい岩にへばりついてしまいがちですが、それでは足を置く位置を探せません。足場をよく見ないで中途半端な気持ちで靴を置くと、必ずといっていいほど滑落します。

 ですから、上体を岩から離して、次に足を置く位置を、腕と脇の間なり、肩越しに見るようにするとよいです。