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携帯電話
救助要請に欠かせない装備
ケガをしても人に迷惑をかけずに自力で下山するのが、登山者の基本姿勢であるべきです。が、もうだめかも、と判断すれば、警察に救助を求めることになります。
携帯電話が必需品ですね。
携帯電話の仕組み
山に入ると、携帯電話がつながらないところが多いです。アンテナが3本立っていても通じないことがあります。どういうことでしょうか……。
携帯電話を使って相手と会話する時は、相手と直接通信するのではないのです。
携帯電話が発した電波はまず、近くにある「無線基地局」(鉄塔など)というアンテナに届きます。
ここから先は、その基地局から別の基地局へ光ファイバーなどの有線ケーブルで情報がバトンタッチされて伝わり、通話相手の近くにある基地局にたどり着きます。
そこから再び無線の電波となって相手の携帯電話に届き、会話ができる、という仕組みです。
つまり自分の携帯も相手の携帯も、それぞれ近くにある基地局までの間だけ無線が使われ、それ以外の部分は有線ケーブルでつながっているわけです。
課題は電池
携帯電話は電源が入っている限り、近くの基地局をさがして電波を発信し続けます。基地局から離れた位置にあるほど、基地局に向けて送信する電力量が多く、電池の消耗が進みます。「圏外」表示になると消耗が進みます。このため予備の電池を複数携行することが、望ましいわけです。
行動食
シャリバテを防ぐ食品
行動食は、行動中にとる軽食のこと。あんぱん、おにぎり、チョコレート、アーモンドなどが代表的です。
あんぱんは、すぐにエネルギーになる糖分と、ゆっくりエネルギーに変わるでん粉を備えており、行動食に最適です。チョコレートは糖質と脂質を兼ね備えており、非常食にも代用できます。
水筒(水)
「ナルゲンボトル」という米国製のポリエステル樹脂を原料にした水筒をよく見かけるようになりました。マイナス20度から100度の高温にまで耐えられるという丈夫なつくりや、口が広くて飲物を注ぎやすいということが人気のようです。
また、「プラティパス」はポリエチレン製の水筒で、水を入れなければ丸めたり、たたむことができる人気の品です。何よりも、水を入れないときにかさばらないことがメリットでしょう。2リットル入るボトルは、テント泊には料理用の水を運んだり、飲み水を入れるのに便利です。
救急医薬品
自力で応急処置を
ビニル袋などで防水した上で、すぐに取り出でるように、できればザックの天ぶたに入れることが望ましい。中身は、ガーゼ、包帯、消毒液、三角巾、リバテープ、胃腸薬、鎮痛剤、持病薬など。
その他(無雪期の場合)
ヘッドランプ
思いがけないトラブルで下山が遅れ、日没になることもあります。遭難時に、ライトを照らして自分の居場所を知らせることができます。頭に付けて両手はフリーに。予備電池を忘れないように。
レスキューシート
サバイバルシートともエマージェンシーシートとも呼ばれる薄いシート。緊急時の防風、防寒、防水対策用。
ツエルト
非常時用に必要。
笛
ナイフ・マッチ・ライター・ろうそく・メタ
救助ヘリに発見されるための努力
遭難した時に、県警や消防ヘリに救助してもらうためには、遭難した本人がヘリ乗務員に見つけてもらうために、居場所を知らせる工夫や努力が必要です。そのためにすることは、次のことです。
①樹林帯から抜け出して、設計や草地、河原などヘリから見やすいところにいること。
②ヤッケや手を振ること。赤、黄色、緑色のヤッケやカッパは上空からも目立ちます。動くものにはヘリ乗務員も気づきます。
③焚火をする場合は、生木を燃やして、たくさん煙を出す工夫をすること。上空から煙は身だちます。