北穂高岳で味わう至福のひと時

観光旅行ではふつう行かない外国の風景、戦争遺跡、不思議な人体など見たり学んだことも備忘録として載せています。

冬山に挑戦した時の、個人的な備忘録

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 槍ヶ岳と大キレット (北穂高岳山頂から)

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体験;南アルプス・光岳(てかりだけ)

 

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 あの時、目の前で一瞬のうちに全体に広がった光の神々しさは、今でも強烈な印象として残っています。

 2002年1月1日午前6時15分、社会人山岳会の4人パーティーで、南アルプス・光岳(てかりだけ)近くの標高2230㍍地点で張っていたテントをたたんで下山を始めました。

 

 気温は氷点下9度・・・。薄い雲に隠れた満月は、少しぼやけて見えました。ヘッドランプに照らし出された雪面はキラキラ輝き、樹林帯の木々の枝に覆いかぶさっていた雪も、結晶がキラリと光っていました。

  

 午前7時15分。遠くの雲が少しオレンジ色になったな、と思った瞬間でした。

 薄暗かった低い樹林帯が、一瞬にして明るい光の波に襲われました。眼の覚めるような、自然のつくりだす営みに感動を覚えました。 (上の写真)

 

 冬山・・・雪山に、とりつかれてしまいました。

 

 

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体験 アイゼンの音が心地よい~~北アルプス

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 北アルプス・燕岳 (2005年12月31日~2006年1月1日撮影)

 

 ギュッ、ガリ、ゴリ・・・・・

 北アルプスの3000㍍級の山々は、11月も中旬を過ぎると、白一色の銀世界になります。岩や土は氷の下に埋もれ、姿は見えません。聞こえるのは、自分のはいた重登山靴のアイゼンが、氷に食い込む時のガリッという摩擦音のみです。

 キーンと空気が張り詰め、静まり返った厳かな世界に身を置くと、心が洗われます。

 

 

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 体験;冬山の厳しさ~~~ トレースが消えた!

 

  12月以降の冬山を縦走する時に、「怖い」と思うのは、トレース(踏み跡)が消えてしまうことです。ほんの少し前まで自分がいた場所が、分からなくなってしまうのです。

 2001年の年末から2002年1月にかけての光岳でもそうでした。登頂を目指して前進するものの、横殴りの雪と視界が10㍍程度という悪天候のために、来たルートを安全と思われる場所まで戻ろうとしました。しかし、自分たちが雪の上に残してきた靴跡が消えていて、進むべき方向が分からくなるのです。吹雪でほんの1、2分で靴跡が消されてしまうのです。遭難の一歩手前です。怖いです。

 

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体験;赤布・旗竿はピークハントに欠かせない!

 こうした危険な事態を避けるために、パーティーは山頂まで往復するピークハントの場合、「赤布」や「旗竿(はたざお)」を携行。樹林帯では木の枝に赤布を一定間隔で縛りつけながら進みます。

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北アルプス八方尾根の第3ケルン近くを進む(2002年11月30日撮影)

 

 

 森林限界(本州中部では2500㍍)より標高が高いところでは、2㍍ほどの長さの竹竿の先に赤布を付けた「旗竿」を雪面に突き刺して残置し、下山時に吹雪でホワイトアウトになった時の目印にします。

 

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  越後駒ケ岳・・・雪面に亀裂が入っていた。 (2003年4月13日朝撮影)

 


 

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体験;こわいのは、風

  冬の稜線の風は、すさまじいばかりです。台風並みの毎秒17㍍以上ということもあります。吹っ飛ばされて、転倒、滑落に要注意というところです。

 これも別の年の年末年始の南アルプスでの話ですが、易老岳から聖岳を目指したものの、樹林帯を出たところで強風に歓迎され、稜線を真っ直ぐ歩けませんでした。なんとか茶臼岳(標高2604㍍)まで進みましたが、身の危険を感じ、山頂で証拠写真を撮ってあたふたと下山しました。

 

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体験;深夜に積もる降雪も怖い

 

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 山小屋・燕山荘前 (2002年12月31日早朝撮影)

 

 2002年の年末、所属していた社会人山岳会の合宿で、中房温泉から北アルプス・燕岳(つばくろだけ)まで進んだときのことです。

 山小屋・燕山荘(えんざんそう)の前にテントを張ったのですが、夜中に隣のテントで女性の悲鳴のような声。続いてスコップを使う音。気にはなりながらも寝入ってしまいました。

 仲間の声で目が覚めました。反射的にヘッドランプを付けると、自分の顔の前にテントがあって、かなり圧迫されている気配。テント入口のチャックを少し開けると、テントの最上部まで雪が積もっていました。

 テント内はとても狭く、ガスコンロを付けるスペースもない。押しつぶされるかも、という恐怖感から、脱出して近くの山小屋に避難することにしました。

 テントの撤収にかかりましたが、テントのスソは降り積もった70㌢ほどの雪に埋もれており、掘り出しているうちにテントポールを2、3ヶ所折損。テントを引っ張りあげた際に、テントの底が破れてしまいました。

 

 予定していた大天井岳(おてんしょうだけ)までの縦走も不可能になり、パーティーは無言のまま山を下りました。

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北アルプスの冬山縦走は難しい・・・

 

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体験;夏山登山との違い

 冬山登山は夏山登山とは大きな違いがあります。

 ①気圧配置が西高東低の冬型で風が強い②気温が低い③日照時間が短い④営業している山小屋が少ない⑤登山者が少ない⑥テント泊の場合は装備が重くなる――などです。

 

 同じルートでも、天候によっては吹雪によって視界がゼロ(ホワイトアウト)になり、方向感覚を失うことがあります。

 積雪による雪崩の心配もあります。

 降雪で路面が凍り、滑って転んだり、がけ下に落ちることもあります。

 汗を大量にかいて、体が冷えてしまえば、低体温症に陥ることもあります。

 

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八ヶ岳・夏沢峠近く・・・・2003年3月2日撮影)

 

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【記録】

八ヶ岳(2002年11月)

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八ヶ岳連峰・硫黄岳山頂 (2002年11月3日撮影)

 

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八ヶ岳連峰・横岳のクサリ場。コチコチ。(同上)

 

 

八ヶ岳(2000年5月)

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 硫黄岳山頂 (2000年5月5日撮影)

 

 

八ヶ岳連峰・東天狗岳 (2000年3月26日)

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 東天狗岳山頂で撮影。

 

 八ヶ岳天狗岳は、標高2640㍍。この山は12本爪アイゼンとピッケルを使う雪山入門コースという位置づけになっているようです。

 

 

 この山には女性のガイドさんと客3人で登りましたが、「3月」とはいえ風雪で視界が悪く、3メートル先は見えないような状況。ガイドさんは、止めようかと何度かためらっていましたが、客の強い要望で山行を決行しました。

 山頂の標識はコチコチでした。

 

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   登山者に求められるもの

   12月から3月までの冬山、4月から5月までの残雪期に登山をする場合、必要なもの何でしょう。

 

  思うに、1にも2にも体力。それに、生きて帰るんだという強い精神力。さらに、ピッケル、アイゼンをきちんと使える歩行技術。冬山・雪山の稜線では転倒したら終わり、という場所が少なくありません。転ばない技術の習得が大事。ホワイトアウトの時には、地図とコンパスと高度計を駆使して現在地を確認する「読図」もできるようにしておきたいものです。

 

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 (八ヶ岳・硫黄岳の凍てついた氷上の登り・・・・2003年3月2日撮影)

 

 

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(冷たく、吹き付ける風・・・上と同じ)

 

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