北穂高岳で味わう至福のひと時

北アルプス・穂高連峰に登り、丹沢を歩いて20年余。見たこと、気になって調べたこと、政治・社会問題への感想を備忘録として書いています。

ニュース深掘り~マスクにウイルスの「予防」効果があるの?

 新型のコロナウイルスに感染し、肺炎になって亡くなる人が中国で相次いでいる中、中国からの旅行者が、

成田空港で買うみやげものの中で、一番の人気は何だと思います?

 

 「マスク」だそうです。中国では品薄なんだそうです。

 

 テレビでNHK記者や民放のレポーターが、成田空港などで「マスク」をして興奮してしゃべっています。

 

 しかし、市販の不織布の使い捨て「マスク」で、コロナウイルスの予防効果はあるのでしょうか? 過信してはいけません。

 

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不審者???

コロナウイルス???

 なんですか? それ。

 

 ふだん私たちが、“風邪(かぜ)”と言っているのは、医者の業界用語では「かぜ症候群」。鼻の穴からノドまで空気が通る気道で、急に炎症が起こるときの症状のこと。

 原因となるのはウイルスで、「ライノウイルス」とかコロナウイルスという種類が多いそうです。

 そうなんです。コロナウイルスは我々が日常的に感染する風邪の原因となっているウイルスです。あまりに小さくて目に見えないけれど、すぐそこにいるんです。

 

 コロナウイルスは、患者のくしゃみや咳で飛んでいくしぶきに混じって気道に入り、気道の粘膜にくっついて増殖します。

 粘膜にくっつくと、15分ぐらいで細胞に入り込んで自分のコピーを作り、そのコピーが細胞を破って飛び出し、ほかの細胞に入り込むという形で増殖するようです。

 

 今回のコロナウイルスは、新しいタイプ、というわけです。

 

 

ウイルスはマスクを通り抜ける!!!

 「マスク」と聞くと、ウイルスや花粉を吸い込むのを直接食い止めることができる、と思っている人が多いようです。

 「花粉」は直径が大きいために確かに阻止できますが、ウイルスはそうはいかないのです。

 

 市販の不織布製マスクはだいたい、網目が「5ミクロン以上」であるのに対して、

コロナウイルスやインフルエンザウイルスの粒子は「直径0.1ミクロン」ぐらい。

 1ミクロンは、1ミリの1000分の1です。

 

 マスクの網目はスカスカですので、空気中を漂うウイルスは鼻や口に入ってしまいます。

 

 確かに、マスクをしていれば、目の前の人が突然せきやくしゃみをした時、ウイルスを含んだ飛沫が直接、自分の顔にかかって鼻やのどの粘膜に侵入するのを、マスクの表面でブロックできます。

 しかし、その飛沫も空中を浮遊するうちに、マスクの粗い目を通ってのどや鼻に入ってくることが考えられます

 

 マスクをすれば、ウイルスを吸い込まずに済むと思うのは、勘違いです!

 

 

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N95マスク

 「N95というマスクがあるじゃないか。アレを使えばいい」という人がいるかもしれません。

 

 「N95」というのは、調べてみましたら、米国のNIOSH(国立労働安全衛生研究所)という機関が認定する「N95規格」に適合しているマスクです。

 

 これは医療現場で使うマスクで、日本でも大学病院はじめ大きな病院で医師や看護師、検査技師らが患者を隔離した病室に入る時などに、自分の身を守るために装着しています。

 ただ、0.075ミクロンの微生物を含む粒子でもほぼカットできる半面、マスクのフィルターの目が非常に細かいためにすぐに息苦しくなり、長時間は使えないようです。日常的に一般の人間が使うには向いていないマスクです。

 

 

 

マスクの効能

 では、一般向けの使い捨てマスクは、ウイルス予防面で全く意味がないのか、というと、そうでもないようです。

  

 使う意義は、3点ほどあります。

 

第一に、「保湿」です。

 ノドの湿り気を保ち、ウイルスの感染を防ぐうえで、それなりの効果があるようです。

 

 一般的な風邪ウイルスもインフルエンザウイルスも、空気と一緒に主に鼻や口から気道に入ってきます。

  ノドから肺に至る気道の内壁を覆うのが「粘膜」と「線毛」です。

 ウイルスは「粘膜」で捕らえられて、その下にある「線毛」が外に向かってウイルスを移動させます。のどに戻されたウイルスは、痰(たん)として体外に排出されたり、食道経由で胃に入って消化されたりします。

 

 ただ、この「線毛」は「寒さ」と「乾燥」に弱いのが弱点。だから、のどを乾燥させてはいけません。

  緑茶をこまめに飲んで、ノドを潤すことが大切、という医師もいます。

 

 

第二に、マスクではウイルスを完全にシャットアウトできませんが、人のくしゃみや咳による飛沫やウイルスは、ある程度は、マスクの表面で阻止できるのではないか、という期待

 

第三に、マスクをしていると、ウイルスがついているドアノブやエレベーターのボタンを押したとしても、その手ですぐに鼻や口に触れることが少なくなるでしょう。接触感染を防ぐことになります。

 

 

 

感染者が本来すべき、エチケットとしてのマスク着用

  とはいえ、マスクというものは本来、

ウイルスに感染した人が周りにウイルスをまき散らさないようにするために着用する、というのが本来の使用目的でしょう。

  保菌者に徹底してもらいたいものです。

 

 

 

手洗いが効果的

  とはいえ、日々の生活では

ドアのノブ、電車のつり革、共用パソコン、会社の電気のスイッチ、エレベーターのボタンなどに触れます。・・ウイルスに接触感染しないためにはどうしたらよいかーー。

 

  

 厚生労働省医療機関は、次のような予防策を挙げます

 

①インフルエンザの場合、流行前にワクチン接種をすること。

②外出先から帰ったらすぐ、「手洗い」をすること。

 手に着いたウイルスを落とすことが大切で、水道の水で洗うだけでよい

 ただし、30秒は洗うこと

 さらに洗った手が乾いたら、アルコールで手指を消毒すると効果が増す

  ウイルスは目、口、鼻から入るので、手を洗うまでは顔を触ってはいけない。

③適度な湿度の保持が大切。

 空気が乾燥すると、気道の粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなる。乾燥した室内では、加湿器を使って適切な湿度(50~60%)を保つことも効果的。

人ごみや繁華街への外出を控えること。 

⑤外出して人込みに入る可能性がある場合は、ある程度、飛沫感染を防ぐことができる不織布(ふしょくふ)製マスクを着用することは、1つの防御策と考える。

※不織布製マスクとは=不織布とは、「織っていない布」という意味。繊維を織ったりしないで、化学的な作用で接着させて布にしたもの。この布を使ったマスクのこと。

 

「うがい」は、ふつうの風邪予防には効果があるといわれている。のどの粘膜についたウイルスを洗い流すことができると考えられるからだ。

 しかしうがいをすることでインフルエンザを予防できるという根拠は科学的に証明されていない。

 口や鼻から侵入したウイルスが粘膜の細胞に入り込むスピードが速いため、1日数回程度のうがいがどの程度役立つか分らない。

  歯切れの悪い表現ですが、要するに、うがいの風邪やインフルエンザに対する効果は、現時点の医学でははっきりしないけれど、外出先から帰ったらすぐうがいをして、口の中に入ったホコリなどを洗い流した方がよい、ということです。

 

 

 

【参考】

厚生労働省のHP

1)インフルエンザQ&A

2)報道発表資料

 

首相官邸HP

1)インフルエンザ(季節性)対策