AIR DO(エア・ドゥ)を利用して、北海道に何度か旅行しました。また行きたいのですが、1都3県の「コロナ」緊急事態宣言が、3月7日に解除されるハズだったのに3月21日まで延長になってしまい、旅行どころではないですね。
昔の「北海道旅行」の記録を整理しました。
目次
- 日程メモ
- 美瑛というところ
- 個人の畑の中にある有名な木
- 「富良野・美瑛ノロッコ号」という観光列車について
- JR美瑛駅
- 美瑛のもう一つの顔
- 農家の悩みは、撮影のための観光客の農地への立ち入り
- 「哲学の木」の伐採という悲劇
羽田発のAIR DO。コアラ・・・。
北海道旅行で一番印象に残っているのはナニ? と聞かれれば、
「美瑛の丘」の花畑ですね。あれはホントに絶景でした。
2013年8月13日でした。
日程メモ
・JR美瑛駅で下車
・ツインクルバス美瑛号で丘コース、拓真館コースとも巡回
・JRラベンダー畑駅で下車
美瑛というところ
美瑛、と聞けば、美しい丘、花が咲き競う丘を連想します。
美瑛町の歩み
美瑛町はジャガイモや小麦と言った畑作を中心とした人口9800人ぐらいの農業の町です。
十勝岳連峰が太古の昔から噴火を繰り返して、いまの丘陵ができました。明治の時代になって、原生林の開墾が始まり、いろんな事情からこの土地に入った人たちが農業を始めたようです。
素晴らしい≪四季彩の丘≫
牧草でできた「ロールちゃん」。
ここはいいなあと思ったのが、四季彩の丘という広大なお花畑です。
ここは観光者向けの花畑だということは後で知りました。
美瑛町のほとんどの農地は、農家が出荷する農作物を育てるための畑です。「四季彩の丘」は違います。
とはいえ、ここは素晴らしいです。
緩くうねりのある丘、どこまでも続くなだらかな曲線美、波を打ったような丘陵・・・畑の農作物やその花によって、丘陵がパッチワークのようにきれいです。
敷地は14ヘクタールもあるとか。
花の見ごろは、7月から10月のアタマぐらいまで。
カラフルなじゅうたんを敷いたような花畑。ケイトウ、コスモス、ひまわり、ダリア、ルピナス、ラベンダーなどなど。
色鮮やかな花が咲き誇って、北海道だなあ、ひろいわ~と思った次第。
赤い花を付けるサルビアが好きなんですが、紫色もあるんですね。
これはマリーゴールド。
冬には丘の一部が無料のドッグランとして開放されているそうです。
四季彩の丘の広い敷地には、ほかにペンションやオーナーの農場があるとか。
入場は無料でしたが、花畑の維持管理用として「募金箱」が置いてありました。
1人あたり200円とか。
個人の畑の中にある有名な木
セブンスターの木
丘の上の道路わきに1本だけ植わっているカシワの木。
1976年に専売公社(いまのJT)が販売する「セブンスター」の観光タバコ「北海道の旅」に、この木が使われたのがきっかけで、観光客が写真を撮りに来るようになりました。
ケンとメリーの木
ポプラの木です。
1972年に日産自動車の「スカイライン」のCMロケ地となり、そのCMに登場するカップルの名前から「ケンとメリー」と呼ばれるようになり、撮影ポイントになりました。
マイルドセブンの丘
バスの中から2013年8月13日に撮影したカラマツの木々。丘の上に横一列に並んでいて、絵になります。
タバコの「マイルドセブン」のCMのロケ地として知られていました。ところがです・・・・・・。
美瑛町の地元紙「びえい新聞」(2018年11月24日号)によりますと、
2018年4月に農地の所有者がカラマツ林を間伐し、数本を残すのみとなりました。地主さんの話では、伐採の理由は2つ。樹木の寿命で倒れる危険があることと、観光客が撮影のために農地に入り込んだり、農作業の邪魔になるような車の止め方をして迷惑をこうむっていたことです。
「富良野・美瑛ノロッコ号」という観光列車について
ノロッコ号です。美瑛駅で撮影。
美瑛駅。
ノロッコ号は旭川と富良野間を、名前の通りゆっくり走ります。夏の間だけの季節列車です。
窓側に木のベンチが配置されていて、流れる風景を楽しめました。
臨時の駅「ラベンダー畑駅」も、中富良野駅と上富良野駅の間にオープンします。近くに観光用のラベンダー畑があるからのようです。
JR美瑛駅
石造りの趣のある駅舎です。石は大昔の大雪山の噴火で流れてきた火砕流が冷えて固まったものらしいです。
美瑛の駅前です。とてもきれいです。
美瑛のもう一つの顔
「日本で最も美しい村」の連合結成を呼び掛け
NPO法人「日本で最も美しい村」連合という組織があります。その結成を呼び掛けたのが、美瑛町の町長でした。
2005年10月、全国7つの過疎地の町村長が美瑛町に集まって設立総会を開きました。
その目的は――
美しい資源を持ちながら過疎に悩む自治体が、自分たちが住むところは≪日本で最も美しい村≫であると宣言することによって、
①住民が自らの地域に誇りを持ち、
②生活の営みによってつくられてきた景観や環境を守り、そして活用し、
③地域の自立を進めること。
加盟条件は、人口がおおむね1万人以下で、議会の同意があること。
いま、63の町村・地域が加わっているとのこと。
農家の悩みは、撮影のための観光客の農地への立ち入り
美瑛の農家は、観光客向けに農地を耕しているのだろう、と実は思っていました。でもそれは大間違いでした。
約500戸ある農家はそれぞれが、ジャガイモなり小麦なりヒマワリを植える。農家によっては作物を収穫するだけではなく、成長した茎や葉を細かくしてそのまま畑の土の中に入れて、それを耕し、肥料にする。そうすることによって水持ちがよくなったり、野菜の生育がよくなる。
農家の個々の営みが、美瑛の丘全体として見た場合、畑の野菜や花が遠くから見るとパッチワークのようにカラフルで美しく見えて、丘がうねっていることもあって美しさが増し、結果として観光客が集まる、ということ。
観光用に農業を営んでいるわけではないんですね。農家は。
農家にとって、観光客の増加は収入増にストレートにつながらないんですね。
「哲学の木」の伐採という悲劇
いまは消えた「哲学の木」 (ウィキペディアから拝借)
農地を踏み荒らして、SNSに投稿するための写真を撮りまくる無神経な観光客を遠ざけるために、泣く泣く先祖伝来の「木」を切った地主さんもいます。
通称「哲学の木」。畑の真ん中に1本だけ、斜めに生えていたポプラの木です。考えごとをしているようにみえることから、いつからかそう名付けられました。
2016年2月24日、樹齢を重ねて倒木の危険性が高まっていたうえ、畑に無断で入り込んで作物を荒らしたり、靴の裏に付いている病原菌を畑に持ち込む観光客らに愛想をつかして伐採しました。
◇ ◇
コロナ禍がいつの日にか終息すればまた、国内外の観光客が訪れます。農家とヨソからの訪問者との溝が広がらないよう願うばかりですね。