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新聞社志望の人、必見!「信毎」も「道新」も【夕刊廃止】、「中日」は海外支局閉鎖、各紙【値上げ】続々・・・衰える業界(上)

  ブロック紙北海道新聞社」の夕刊休刊を報じる業界紙「新聞情報」9月2日付紙面

 

 

 

 スマートフォンの普及で、新聞やテレビから得ていた「ニュース」を手元の端末で読める時代になりました。「紙」の新聞を家で購読する大学生はごく少なく、「紙」の新聞はこの先、消えるかもしれません

 特に、新聞の「夕刊」は速報性が消えたため、発行を止める地方紙が相次いでいます。

 2023年1月以降の新聞業界の動きを載せました。(追記随時あり)

 

目次

 

 

 

夕刊」廃止が相次ぎ、「道新」や「信毎」までも・・・

 ★リアルタイムで情報が飛び交う時代になり、新聞、とりわけ「夕刊」に対するニーズは消えつつあります。「夕刊」の発行を止める新聞社が後を絶ちません。

 

北海道新聞」(=道新)が2023年9月1日付紙面に、「9月30日付を最後に夕刊を休刊する」と社告を掲載。理由は「新聞用紙をはじめとする原材料費の高騰や輸送コストの上昇などから、これまで通り夕刊を発行し続けることが難しくなった」ため。10月からの朝刊には、夕刊に載せてきた特集やコラムなどの多くを移設し、「道新デジタル」では朝から夜まで切れ目なく、ニュースや情報を提供するという。道新の夕刊部数はピークの1992年には約78万部あったが、いまは直近の7月ABC部数は23万3784部に減少している。

 

信濃毎日新聞」(=信毎)は道新の夕刊廃止報道を追うように9月12日付朝刊の社告で、「夕刊2023年9月30日を最後に休刊する」と発表。理由は「インターネットの普及でニュースの伝わるスピードが格段に増した」とし、当日のニュースは「信濃毎日新聞デジタル」で速報し、朝刊でより広く、深く、詳しく伝える態勢づくりに注力するとしている。

 

これより前に・・・。

静岡新聞は2023年1月10日付の朝刊社告で、「3月末で夕刊を廃止」と

発表。理由は「読者のライフスタイルの変化に合わせて」。朝刊のページ数を増やし、購読料はこれまでと同じ。

 

毎日新聞は2月7日付朝刊の社告で、3月末で愛知、岐阜、三重の東海3県の夕刊を休止すると発表。「読者のライフスタイルの変化に対応するためで、朝刊の地域面を刷新する」としている。

 

朝日新聞は4月5日付朝刊で、愛知、岐阜、三重の東海3県では5月1日から夕刊を休止する、と発表。

 

 

「夕刊廃止」は販売店の事情も

 「夕刊」の休刊は、新聞を製作する発行本社だけでなく、新聞販売店にとっても負担になっている、といわれます。夕刊配達のため、売店は取り扱い部数が少なくても配達員を雇って報酬を払わなければなりません。しかし、販売店にとって貴重な収入源の「折り込みチラシ」は夕刊にはナシというのが実情。つまり夕刊を配っても収入がなく、販売店経営の負担になっているということです。

 

「夕刊」を発行している地方紙はごくわずかに

 2023年10月以降も、夕刊を発行し続ける「地方紙」は以下の通りです。(全国紙では、「産経」が2002年に東京本社での夕刊発行を廃止)

十勝毎日新聞(北海道:夕刊単独紙)▼河北新報宮城県)▼東京新聞(=中日新聞東京本社発行)▼北陸中日新聞(=中日新聞北陸本社発行)▼新潟日報北國新聞(石川県)▼中日新聞(=中日新聞名古屋本社発行)▼京都新聞神戸新聞西日本新聞(ただし福岡県と佐賀県の一部のみ)

 

 

西日本新聞」は減資

●九州の福岡、佐賀、長崎各県で発行部数がトップの西日本新聞社は6月28日に開いた定時株主総会で、現在の資本金3億6000万円を「1億円」とする【減資】を提案し、承認された。資本金から減少する2億6000万円は「その他資本剰余金」に振り替える、としている。これによって帳簿の上で「大企業」から「中小企業」になる。

 西日本新聞社は「減資」の目的を「今後の資本政策の柔軟性と機動性を確保するため」と、官僚の作文のような説明で読者を煙に巻いているが、新聞企業としての業績が悪いための「節税」と思われる。

 資本金は、事業を始める時に株主から集めたお金の総額。法人税法では、【資本金1億円以下の会社】を【中小企業】と呼んでいて、【中小企業】の法人税は【大企業】に比べて低い税率が適用される。

 また、【中小企業】になると、法人事業税の一部の外形標準課税が適用されなくなる。これが大きなメリット。

 外形標準課税は、会社の床面積や従業員数、資本金などを基準に税額を算定する方式で、赤字決算になっても外形標準課税による税金の支払いが生じる。が、資本金1億円以下の中小企業は外形標準課税の対象外であり、そもそも適用外なのだ。

 もうひとつ。「交際費」は原則として損金算入できないが、中小企業の場合は一定額の損金算入が認められるなど税制面で優遇措置を受けられる。

 

「毎日」も2年前に減資した

●減資は、全国紙の毎日新聞社も2年前に実施している。2021年1月15日、「毎日」は臨時の株主総会を開いて、資本金の額を「41億5000万円」から「1億円」に減らして中小企業にするという特別決議を提出、承認された。

 

 

西日本スポーツ」は廃刊

●通称西スポ」こと「西日本スポーツ西日本新聞社発行)は、3月31日付を最後に休刊した。昨年9月に、紙の発行をやめてウェブサイト主体の報道に移行する、と発表していた。「西スポ」はプロ野球ソフトバンクの活躍などを伝えてきた。

 

 

 

「毎日」は配達の見直しも

毎日新聞静岡県内での夕刊の配達を、4月1日からは翌日の朝刊と一緒に配達する、と3月1日の社告で発表。理由は「新聞の輸送に関する各種コストの高騰や交通事情などを踏まえた」と説明した。

 実は「毎日」は、自前の専売店を持っていない「静岡新聞から配達の委託を受けているが、静岡新聞」が3月末で夕刊発行を止めたことに伴い、販売部数が少ない「毎日」としては配達形態を見直さざるを得なかったとみられる。

 

 

 

「朝日」は「道新」「河北」に印刷を委託

朝日新聞は、北海道の道東・道北・日高エリアの一部向けに発行する新聞の「印刷」「輸送」「新聞販売店からの代金回収」などの業務について、北海道新聞社」とそのグループ会社に委託する、と3月17日に発表。「印刷」と「輸送」は3月20日の朝刊から、その他の業務は4月1日から実施。これにより、すでに「印刷」を委託している他の地域を合わせ、北海道で発行される「朝日新聞」のすべての「印刷」が北海道新聞社にゆだねられた。

 

朝日新聞はこれまで、東北地方の岩手、山形、宮城、福島4県の一部について、朝刊の印刷を河北新報社に委託してきたが、3月20日付から山形、宮城、福島3県分はすべて、河北新報社に委託した。

 

 

 

「中日」はモスクワなど海外支局を次々と閉鎖

中日新聞社は、東京本社編集局外報部のモスクワ支局を2023年4月30日付で閉鎖する、と業界紙に発表。ロシアによるウクライナ侵略による戦争真っただ中での首をかしげたくなる経営判断だ、とする声が業界にある。さらに6月30日付でカイロ支局を、7月31日付でニューヨーク支局をそれぞれ閉鎖した。

 そして8月31日付でヨーロッパ総局(ロンドン)まで閉鎖、9月30日付ではパリ支局テヘラン支局を閉じた。

 

 業界紙関係者によると、「中日」は将来も残すのは、中韓3ヵ国のワシントン、北京、ソウルだけらしい。海外支局縮小の理由は、新聞の売上高が減る一方で経費削減を迫られているため。現地情報が必要ならSNSの利用やリモートでのインタビューも可能であり、場合によっては日本から出張すればよい、と判断したようだという。

 

 この方針は名古屋で労組に提示されたため社内外で広く知られることになり、月刊誌「選択」も2023年5月号で「マスコミ業界ばなし」の1つとして紹介。その中で「中日」は「用紙代が高騰する中、大胆な経費削減に踏み切った形だ」としながらも、「業界内では、特にモスクワからの撤退を決めたことに対し、『なぜこのタイミングなのか分からない』と驚きの声が上がっている」と書いている。

 

 「産経」から「中日」に引き抜かれて「東京新聞」で原稿を書いてきた記者は、実は40人以上いる。このうちの複数の知人は「完全な地方紙に戻っちまうんだね」「がんばれば特派員にしてやる、というので給料のいい東京新聞にトラバーユしたんだけどね。もう自分には関係ないよ」と、時代の変化に苦笑している。

 

 月刊誌「選択」5月号の記事

 

 

しんぶん赤旗」は減ページ

共産党の機関紙しんぶん赤旗は、1月1日からページ数を減らして発行し始めた。「しんぶん赤旗」は昨年12月22日付1面に、「新聞用紙急騰――減ページへのご理解、ご協力をお願いします」という記事を載せた。

 記事では、新聞用紙代が大幅に値上げになったが、諸物価高騰で生活苦が広がる中で、購読料の値上げで対応することはできないため、経費の縮減、具体的には減ページせざるを得ない、としている。

 1月以降、日刊紙は16ページから14ページに、日曜版は36ページから32ページにそれぞれ減った。

 

 

 

全国紙に続いて「地方紙」が一斉に「値上げ」にダッシュ

新聞用紙の生産で国内トップシェアを持つ「日本製紙」が2月、新聞用紙の価格を4月1日納入分から引き上げると発表し、新聞各社と交渉に入りました。

 値上げ幅は、一連(4ページの新聞が1000部印刷できる紙の量)あたり300円。値上げ理由は「新聞販売部数の急減に伴う新聞用紙の需要減と、円安やロシアのウクライナ侵攻に端を発した世界的な石炭・重油といった原燃料価格の高騰」。製紙会社各社は昨年末にも新聞用紙代を値上げしたばかり。それだけにこの値上がり分を購読料に転嫁する新聞社が続々と出てきました。

 

朝日新聞は2023年4月5日付朝刊で、5月1日から500円値上げすると発表。月ぎめ購読料は朝夕刊セット版で4400円から4900円へ10%超の値上げ。統合版は3500円から4000円に。値上げは2年ぶり。

 

西日本新聞は4月12付朝刊で、購読料を5月1日から改定すると発表。朝夕刊セットの月ぎめ購読料は4400円から500円値上げして4900円へ。朝刊の1部売りは150円から160円に。改定は4年ぶり。

 

毎日新聞は5月11日付朝刊で、6月1日から購読料を改定すると発表。月決め購読料は朝夕刊セット版で4300円から600円値上げして4900円へ。統合版は3400円から4000円へ。改定は2年ぶり。1部売りは朝刊を150円から160円に、夕刊は50円に据え置いた。

 

日経新聞は、7月1日から、朝夕刊セット版の月ぎめ価格を現在の4900円から5500円に600円値上げする、と6月9日に発表。同時に「朝刊のみ」の価格を設定して4800円とした。価格改定は2017年11月以来、約6年ぶり。

 

神戸新聞7月1日から、朝夕刊セットの月ぎめ購読料を、現行の4400円から4900円に、朝刊だけの統合版の月ぎめ購読料を現在の3400円から3900円に、それぞれ500円値上げする。6月5日付朝刊に社告を載せた。

 

福島民報は、7月1日から月ぎめ購読料を400円値上げして3700円にする、と6月9日付の社告で発表した。

 

福島民友7月1日から月ぎめ購読料を400円値上げして3700円とする、と4日後の6月13日付の社告に載せた。

 

十勝毎日新聞は、7月1日から月ぎめ購読料を420円値上げして3300円とする、とする社告を掲載した。

 

中国新聞は、8月1日から朝刊の月ぎめ購読料を、現在の3400円から3900円に500円値上げする、と7月6日付朝刊に社告を掲載した。

 

東奥日報は、8月1日から月ぎめ購読料を500円値上げして3900円にする、と7月11日付紙面に社告を載せた。

 

秋田魁新報も、8月1日から500円値上げして3900円にする、と7月11日付に社告を掲載した。

 

岩手日報は、8月1日から月ぎめ購読料を600円値上げして4000円に改定する、と7月11日付紙面に社告を載せた。

 

産経新聞は、8月1日から、朝刊の月ぎめ購読料を500円値上げして3900円にする、と7月12日付紙面に社告を掲載した。一部地域で販売する朝夕刊セットの購読料も500円値上げする。

 

山陰中央新報は、8月1日から月ぎめ購読料を600円値上げして3900円にする、と7月13日付の社告で報じた。

 

下野新聞は、10月1日から月ぎめ購読料を550円値上げして3900円にする、と9月12日付の社告で発表した。

 

茨城新聞は、10月1日から月ぎめ購読料を500円値上げし、3800円に改定する、と9月7日紙面に社告を掲載した。

 

「上毛新聞」は、10月1日から月ぎめ購読料を550円値上げして3900円にするとの社告を、9月13日付紙面に載せた。

 

山梨日日新聞も、10月1日から500円値上げして3900円にする、と9月1日付の社告で発表した。

 

信濃毎日新聞は、現在の購読料は「朝刊のみ」が3400円、朝夕刊セットが4400円だが、10月1日から「夕刊」を休刊して、朝刊のみの月額を500円値上げして3900円にする、と9月12日付朝刊の社告で発表した。

 

 

 

「読売」は「値上げしません!」と強調

★「値上げしません」などという広告は、あまり目にしたことはないですが、それをやってのけたのが「読売新聞」。「朝日」と「毎日」が値上げを発表する前にぶち上げました。「朝日」「毎日」を嫌った読者を取り込もうとする思惑が見え見えです。

 

「読売新聞は値上げしない」と、山口寿一グループ本社社長は2023年1月13日の【読売新聞東京・大阪・西部3本社合同新春販売店所長会議】で表明。山口社長は新聞用紙代について、「製紙会社が昨年、新聞各社に一斉に用紙代の大幅値上げを申し入れてきた。それを受け入れることになった。紙をつくる時にエネルギー源として使う石炭の価格が急騰したためだ。しかし、用紙代の値上げは読売本社が吸収する。購読料の改定は考えていない。YC(新聞販売店)との取引価格に転嫁することもしない」と話した。

 

「読売新聞」は3月25日付朝刊に、「本紙は値上げしません」「少なくとも1年間」との見出しで社告を掲載した。(上の写真)

 朝夕刊セット版の月ぎめ購読料は、2019年1月から4400円。

 

佐賀新聞も4月15日付の紙面に、「購読料は変わりません 読者に負担かけず」という見出しの記事を掲載。月決め購読料3350円、朝刊1部売り150円を値上げせずに据え置くことを報じた。

 

長崎新聞も5月1日付紙面に社告を掲載。「値上げしません」「29年余 価格を維持」という見出しを掲げ、「生活への不安や経済の先行きに不透明感が広がる今だからこそ、長崎新聞社は経営努力であらゆる工夫を続けて購読料を維持していく」と決意を表明した。月決め購読料は3086円、朝刊1部売り140円。

 

 

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