北穂高岳で味わう至福のひと時

標高3000㍍の北アルプスに登っていたころの写真記録、国内外の旅行、反戦平和への思いなどを備忘録として載せています。

白馬大雪渓から白馬三山への旅①【猿倉から白馬岳までの写真】

 白馬岳山頂(写真左端)の直下にある山小屋「白馬山荘」(2023年7月20日午後2時50分撮影)

 

 2023年7月下旬北アルプス白馬大雪渓(はくばだいせっけい)を通って白馬岳(しろうまだけ・標高2932㍍)に登頂。杓子岳(しゃくしだけ・標高2812㍍)白馬鑓ヶ岳(はくばやりがたけ・標高2903㍍)という「白馬三山」の稜線歩きで展望を楽しみました。

 さらには白馬鑓ヶ岳の中腹にある露天風呂の湯につかり、至福のひと時を過ごしました。

 梅雨明け前の時期。登山者も少なく、小屋泊まりのゆったりした旅でした。

 4回に分けて、写真でレポートします。

 【追記あり】(2023年8月29日)

 

 

目次

 

 

 

 

 

≪日程≫

【7月20日(木)】 猿倉~白馬尻小屋~葱平~村営白馬岳宿舎~白馬山荘(泊)

【7月21日(金)】 白馬山荘~白馬岳~白馬山荘~丸山~杓子岳~白馬鑓ヶ岳~白馬鑓温泉小屋(泊)

【7月22日(土)】 白馬鑓温泉小屋~猿倉

★ザックは40㍑で、重さは13㌔。もっと軽くしたいが、慎重な性格が災いしている??

 

7月20日(木)の行動

9:10 猿倉登山口

猿倉荘前のポストに「登山計画書」を投げ込んでから出発。

 

9:24 「白馬鑓温泉」へのルートとの分岐点を通過。

 

10:10 白馬尻テント場(標高1560㍍)通過。

「白馬尻小屋」が仮設されるところですが、ことしは建てられません。

 

 

白馬大雪渓」のようす

10:25 白馬大雪渓(はくばだいせっけい)が見えてきました。

 

10:26 大雪渓ケルン。ここでアイゼンの装着。久しぶりの使用ということもあって、登山靴との調節に時間がかかってしまいました。

 「雪渓」はこの時期、大雪渓ケルンから始まっていました。

 白馬大雪渓というのは、白馬岳と杓子岳にはさまれた大きな谷にできる雪渓のこと。7月や8月になっても雪が凍って残っており、その規模は末端の「白馬尻」の大雪渓ケルンから最上部の「葱平(ねぶかっぴら)」まで全長約2㌔、幅約100㍍、標高差約600㍍です。

 

 

軽アイゼンが手ごろな場所ですが、12本爪アイゼンしかないので重いですがこれで対処。

 

 

10:40 雪渓入り。ヘルメットをかぶり、ストック1本を右手に持って、ベンガラの赤色をたどって歩き始めました。

 ※ベンガラは、雪を「赤色」に染める「酸化第二鉄」を主成分とする粉末。登山道をはっきりさせるために雪山でまかれます。

 

石というか、岩です。左手の杓子岳から落ちて来るんですね。

 

 

登山者の姿は、前にも後ろにも見えません。梅雨明け前の平日ですし、「猿倉」を出発する時刻が遅かったからでしょう。「カランカラン」という落石の音に神経をとがらせつつ、ガスで迷わないように赤いベンガラを追って黙々と歩きます。

 

雪渓上を風が渡ると、ヒンヤリして心地よいのですが、時々、風が止みます。途端にメガネがくもってしまい、やっかいです。

雪渓上部までくると、天狗菱という鋭い岩峰が左手の杓子岳に見えるそうなんですが、2年前に来た時と同様、今回もお目にかかれませんでした。

 

 

雪渓の先に、赤いヤッケ(=アウター)かザックが動くのが見えました。葱平(ねぶかっぴら)ですね。

 

トラロープが張られていて、この先は危険で進入禁止。例年に比べて雪が少ないんですね。

 

11:50 葱平から「秋道」を歩くことになりますが、いつもの年より少し手前で左岸の丘に上がったような気がします。

 

雪解け水が勢いよく流れる沢にかかる木の橋を渡ります。間もなく「岩室跡」。

 

12:30 「岩室跡」。

 

秋道の右手に、赤い大きな岩がみえました。斜面の崩落を防ぐために、岩の横で石積み工事が行われたようです。

 

写真右側の「小雪渓」の少し上を、右にトラバースするのですが、ことしは雪解けが早くてトラバースする部分の雪渓は消えていました。

 

13:30 避難小屋。

 

避難小屋から数分歩いたところに転がっているコレ、何でしょう???

 

この大岩は、「羊背岩(ようはいがん)」と学者さんが呼ぶ岩。大昔に氷河によって削られて丸くなったらしい。

 

標高が「2553㍍」と分かる看板。

 

見えました。村営白馬岳頂上宿舎が。

 

もうちょい! ガンバレ!

 

14:42 村営白馬岳頂上宿舎の前を通過。

 

「白馬山荘」はすぐそこ。

 

15:09 「白馬山荘」着。 歩行時間は、休憩・撮影時間を入れて5時間59分

 

 

白馬山荘の【相部屋・食事】の写真

指定された寝場所は、「第二新館3階」の相部屋。真ん中の通路を挟んで、1区画(畳2畳分・布団2セット)ごとに形ばかりの仕切りがありました。なおかつ、通路との境にはプライバシー保護用のブラインドがセットされていました。

泊った日は宿泊者が比較的少なかったせいか、1区画を1人で使えました。

 

夕食。

 

ビールの自販機もありました。アサヒスーパードライ500ccは1000円でした。

 

7月21日(金)の早朝の行動

白馬岳

4:43 白馬岳の山頂。

 

雲海の向こうから、朝日が昇ってくるのを待ったんですが・・・なかなか顔を見せてくれませんでした。

 

4:45 白馬山荘の前庭に戻る。目の前の山並みは、右から順に剱岳」「別山」「雄山」

 

これも「白馬山荘」前庭からの眺め。

左端は「白馬鑓ヶ岳」。ズーッと奥は、写真右端が剱岳、左端までみて行くと槍ヶ岳奥穂高岳まで見えました。

 

(白馬山荘の中にあった山の「説明版」)

 

5:00 朝食の時間です。

 

ちなみに、1泊2食付きで、1人1万5000円でした。

 

 

【追記】雪解けで8月末に「白馬大雪渓」が3年ぶりの≪通行止め≫

 こんなことがあるんですね。ビックリしました。

 

 白馬岳への主要登山ルートの白馬大雪渓」ルートが、8月27日午後3時で通行止になりました。

 白馬岳の山小屋は例年、10月の上旬から中旬にかけて「小屋締め」をしますが、登山道の通行止めはあまり聞かないですね。

 上の図は、白馬村が作った広報資料です。

 「通行止め」の理由は、「安全を確保することができないため」。

 区間は、「白馬鑓温泉ルートとの分岐」から、上部の「白馬岳頂上宿舎」の下あたりまで。

 

  白馬岳と杓子岳にはさまれた谷間にある「白馬大雪渓」は、昨年末から今年初めにかけて「暖冬」で積雪が少なかったうえ、この夏の猛暑と雨の影響で雪解けが進行。大雪渓上部ではクレバス(割れ目)が日に日に大きくなり、崩落が進んでいます。

 このため地元の白馬村北アルプス北部山小屋組合と白馬村山岳遭難防止対策協会とともに8月25日、現地調査を踏まえたうえで対応を協議。その結果、27日午後3時以降、このルートを通行止めにすることにしました。

 

 白馬村役場の説明では、「白馬大雪渓」の通行止めは2020年9月20日以来、3年ぶり。2016年にも通行止めにしていますが、いずれも「9月」に入ってからであり、「8月中」というケースは初めてらしい。

 異常なほどの「猛暑」ですね。

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