タイのバンコクに、「政府専用機」に乗っていく機会がありました。
もう20数年も前の、1996年2月29日から3月3日までの旅です。
(当時の橋本龍太郎首相がASEMアジア欧州会合に出席した時の同行取材です)
目次
「政府専用機」って何ですかね?
政府専用機ですが・・・
これは内閣総理大臣や皇室が、外国に赴くときに使われる飛行機です。
「空飛ぶ首相官邸」などと、しゃれた呼び方もされます。
アメリカのボーイング社製の「ボーイング747-400型機」を改造して、
1993年4月から運航が始まりました。
宮澤喜一首相の米国訪問時からです。
(機内には、首相が乗り込むスペースや秘書官の事務室、会議室、省庁の官僚の座席のほかに、同行する記者のための座席も最後尾に用意されています。)
運行の主体は、JALなの? ANAなの? それとも・・・
政府専用機の運航を担当しているのは、航空自衛隊千歳基地の特別チームです。
操縦士も客室乗務員も、スタッフは全員、自衛官なんです。
格納庫も千歳基地にあります。(写真は、バンコクに到着したシーン)
尾翼に「日の丸」
白いボディに、赤色のライン。そして、垂直尾翼に大きな「日の丸」が描かれています。
政府専用機が運航を始める前は、首相の外国訪問の時は日本航空の機体をチャーターして飛んでいました。
写真の政府専用機は、1993年4月から26年間飛んで、2019年3月に退役しました。318回飛行したそうです。
2019年4月からは新しく、「ボーイング777-300ER型機」が使われています。
政府専用機は、海外での紛争や災害で現地に取り残された日本人を救出する時にも使われるようです。
1996年のバンコク
さて、写真は、1996年2月29日に撮ったタイのバンコク市内の様子です。
1986年、1991年、1993年にもバンコクに足跡を残していますが、訪れるたびに乗用車が増えていることが分かります。
線路を歩く人も・・・
おなじみセブンイレブン。ちょっと水を買うのにも便利な店でした。
高級ホテルもあります。
政府専用機は実は「2機」で飛行している
政府専用機の中からみたバンコク国際空港(ドンムアン空港)です。
目の前には、もう1機の政府専用機がとまっています。(???)
実は、政府専用機は2機がセットで飛んでいるんですね。
2機目は、首相が乗った機にトラブルが起きた時のための予備機。整備士らが乗り込んで、だいたい10分後に追いかけてきます。
3月3日、バンコクにお別れです。
機内です。機体の前部は、首相夫妻や秘書官、会議室、それに随行の関係省庁スタッフがすわり、最後部に報道関係者が座ります。
機体後部はごらんのとおり、広くないです。
橋本龍太郎首相(左は奥様)に同行した記録写真
F15戦闘機、ありがとう
政府専用機について、こんなエピソードがあります。
羽田空港を飛び立ってから数十分してからだと思いますが、左の窓の外の景色を見ていますと、ゆっくりと通り過ぎていく戦闘機の機影が目に入りました。
航空自衛隊の「F15戦闘機」でした。パイロットが手を振っているのが見えたのです。
ビックリしていると今度は左右の翼を2度、3度振ったかと思うとスーッと滑るように去っていきました。見送りでした。
もう1つ、別の外国出張の機会ですが――
あと1時間ぐらいで羽田空港に到着だね、とホッとしていた時、窓の外に航空自衛隊のF15戦闘機が近づいてくるのが見え、反対の窓にもF15の機影が目に入りました。これも出迎えの儀式なんですね。
ああ、ふるさとに着いたんだと、なぜか、ホッとしたことを覚えています。
30年近く前の、良き時代?のひとコマです。
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