わがマンション近くのJR京浜東北線で、通勤ラッシュ時間帯に人身事故が起きて、満員の乗客が1時間以上も缶詰になることがありました。トイレのない電車なんですね、京浜東北線は。
他人事ながら、おしっこが漏れそうになった人もいるんじゃないかなと心配しました。
もうひとつ、元勤務先のOB20人ほどで貸切バスで旅行した時のことです。車中でビールを飲み過ぎて、高速道路を走行中に尿意をもよおした男2人、パーキングエリアまで持ちこたえられずに、車内で1つの携帯トイレに相次いで放出していました。
人間様はなんで、おしっこをするんでしょうかね。
おしっこについて、素朴な話をまとめてみました。
- おしっこが作られる場所は「腎臓」
- おしっこのもとになるのは・・・「血液」なんです
- おしっこがたまる場所は「膀胱」
- 「膀胱」の受け入れ能力は?
- 1日に出す「からだに不要なおしっこ」の量は「1.5㍑」
- 腎臓は毎日ドラム缶「10本」分の血液を「ろ過」
- 「頻尿(ひんにょう)」について、ご参考までに
おしっこが作られる場所は「腎臓」
正面から見た左右一対の腎臓(じんぞう)と膀胱(ぼうこう)【「Newton別冊 人体完全ガイド」から引用】
おしっこが作られるところは、腎臓という臓器です。腰の上あたりの背中側に、左右に一つずつあります。握りこぶし大で、そら豆の形をしています。
この腎臓には、心臓の左心室から出た血液がドクドクと入り込み、腎臓でろ過したあとはまた、心臓にきれいになった血液を戻す働きをしています。
腎臓は、血液をきれいにする「ろ過装置」なんですね。
おしっこのもとになるのは・・・「血液」なんです
おしっこは、「血」から作られるんです。
順を追って書いていきますと・・・
人間が飲み食いしたものは、胃で短時間、貯蔵されて殺菌された後、小腸で栄養素と水分が、大腸で水分がそれぞれ吸収されます。
そのあと、小腸や大腸の中を走る血管の中に栄養素や水分が入り込んで、血液に混じります。その血液はそのあと、肝臓を経由して心臓に戻ります。
血液の役割は、酸素や栄養素などを全身の細胞に届けるということと、細胞の働きによって生じた「いらなくなったもの」(=老廃物)を受け取って、腎臓に運ぶ、という仕事などですね。
心臓が押し出した血液は、腎臓に入ると「老廃物」がはぎ取られて尿として体外に排出されるんです。
おしっこがたまる場所は「膀胱」
腎臓でできたおしっこは、尿管という管を通って、伸び縮みする袋のような形をした膀胱(ぼうこう)にたまっていきます。
膀胱の筋肉はゆっくり緩んで広がっていきますが、一番下の首の部分の尿道括約筋という筋肉が収縮した状態を維持しており、ぼうこうが満杯になるまで尿をためることができるんです。
膀胱に尿がたまって袋が伸びて薄くなると、その情報が知覚神経から脊髄神経を経て脳に伝わって、脳が「尿意」を自覚します。
すると、脳からの指令で、膀胱の括約筋が緩み、尿が尿道を通て出ていきます。
「膀胱」の受け入れ能力は?
膀胱のキャパ、容量は、個人差が大きいそうですが、「300ml~400ml」といわれます。
尿が容量の半分ぐらい、つまり「200ml」を超えると「尿意」をもよおすという話です。
1日に出す「からだに不要なおしっこ」の量は「1.5㍑」
人間が朝起きてから寝るまでに行くトイレの回数は、摂取した水の量にもよりますが、大半の人は1日5~7回程度。1日に出すおしっこの量は、「1.5㍑」ほどです。
腎臓は毎日ドラム缶「10本」分の血液を「ろ過」
ただ、心臓から腎臓に流れ込んでくる血液は毎分約1.2㍑で、1日に換算すると「1728㍑」。毎日、ドラム缶(=200㍑)で「10本」近い量の血液を「ろ過」している計算なんです。
この「ろ過」によって、おしっこのもとになる「原尿」が約150㍑、作られます。
ただ、「原尿」の中には「不要な物質」のほかに、ブドウ糖やアミノ酸、電解質など「人体に必要な物質」が含まれていて、これら「人体に必要な物質」は腎臓の中を走っている毛細血管に100%再吸収されます。
このため、おしっことして排出される量は1日「1.5㍑」。
「頻尿(ひんにょう)」について、ご参考までに
「頻尿」という言葉があります。「日本泌尿器科学会」というお医者さんのグループのHPを見ましたら、「頻尿」について、「一般的には、朝起きてから就寝までの排尿回数が8回以上の場合」をそういうそうです。何かの病気が原因で、多いかもしれないそうです。
ただ、同時に、「1日の排尿回数は人によって様々ですので、一概に1日に何回以上の排尿回数が異常とはいえない」ともあ記載されております。
そりゃ、そうですよね。スポーツ生理学の先生方は、熱中症対策から、ナトリウム入りの水分をたっぷりとれ、と指導していますから、運動時には汗をかいてもトイレ回数が増えますわな。
ですから、自分がいま健康体だと思えば、「頻尿」うんぬんを気にするのではなく、「外出する際や電車等に乗る場合は、きちんと用を足しておくことが大事だね」ということか。薄っぺらで、書くほどでもない結論ですが。
【参考資料】
■Newton別冊 「人体完全ガイド」 (2018年発行)
■日本泌尿器科学会ホームページ